今週はShort Versionで「書くこと」についての雑感をお送りします。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法 < 書くこと徒然(2)>
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エンピツ一本
▼ 紙に書く効用
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駆け出しのコピーライター時代、キャッチコピーを考えるのに煮詰まり、
白い紙に向かってうんうん唸っていたら、上司から思いつく言葉をとにか
く書き出してみろ、と言われました。
完成された一文をすぐに書こうとするから行き詰まる。これから作ろうと
する制作物のねらいは何か? そこから連想される言葉を、思いつくだけ
挙げてみろ、と。
何十とランダムに言葉を書き連ねていくうちに、単語と単語が結びつき、
一つのフレーズが生まれていくことを覚えました。
当時は紙に鉛筆で書いていたので、手を動かし紙に言葉を並べていくこと
で、よりイメージがわいていったように思います。今でも、パソコンの画
面に言葉を打ち込んでいくより、そうやって紙に書くほうが考えはまとま
りやすいです。
▼ 手で書き、手で覚える
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「コピーがうまくなろうと思うなら、絵を描け」。昔、上司に言われて未
だに心に残っている言葉です。
絵と文字。一見、接点がなさそうですが、頭の中で思い描いたイメージを
紙の上で形にしていく行為は「書く」も「描く」も同じ。
今、小二の娘が漢字をノートに書き写しては覚えています。もう少しした
ら辞書をめくることも覚えるでしょう。
手を動かして書き、覚える経験があるからこそ、パソコンで効率化できる
のであって、最初からパソコンで漢字を学習したり、辞書をひいても、さ
ほど頭には残っていかないでしょう。
今、私はすべて原稿はパソコンで書いていて、今後もそれは変わりません。
でも、これまでもこれからも、いつでもエンピツ一本で仕事できる、自分
に立ち返る準備だけは怠らないようにしています。