今週は敬語の「こんなときどうする?」にお答えします
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法    < 敬語の問題(5)
◆─────────────────────────────────◆
「お」や「ご」

敬語を使う際、自分の動作に「お」や「ご」をつけることがあります。
例えば

では、お待ちしています。
私がご案内します。

という表現は正しいのでしょうか?

この場合、自分側の動作が「向かう先(つまり相手)」を考えてみましょう。
自分自身の行為に「お」や「ご」をつけると、自分で自分を敬う表現になり
おかしいですが、自分の動作が向かう先の相手を立てる行為であれば、「お」
「ご」をつけても問題ありません。

上記の例文では、自分が待つのは「お客様」であり、案内する相手も「お客
様」なので、「お待ちしています」「ご案内します」は相手に対する謙譲語
となります。ですから、敬語として適切です。ほかにも

明日、お届けします。
私がお取りします。
後ほど詳しくご説明します。

いずれの例文も客先に向かう行為なので、「お」「ご」をつけます。
では、次の文例はどうでしょうか。

私のお言葉
今日はご在宅ではありません。

上記の文章は、自分側の動作やものを立ててしまっています。自分の行為
に「お」「ご」をつけるのは敬語として不適切です。

記事全文を読む

今週は敬語の「こんなときどうする?」にお答えします
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法    < 敬語の問題(4)
◆─────────────────────────────────◆
「していただきます」

敬語として使っていても、文字にすると必要以上にきつく感じられる表現
があります。「~していただきます」もその一つです。

次はこの仕事を担当していただきます。

「~していただきます」は確かに丁寧な表現なのですが、言い切ってしま
うと命令調になり、受け取った側は逆に反感すら覚えます。

次はこの仕事を担当していただけますか?
次はこの仕事の担当をお願いできますか(お願いしてもいいですか)?

上記のように「~していただけますか?」と相手に尋ね、判断をゆだねる
依頼型の表現にするときつさがとれ、相手に歩み寄る感じがします。

「お願いできますか/お願いしてもいいですか」も同様で、まずは相手に
確認する姿勢を表す言葉にするとカチンときません。

ですが、依頼型がこうじて許可を求める表現になるとどうでしょう。

次はこの仕事を担当していただいてもいいですか?
次はこの仕事を担当していただいてもよろしいですか?

ここまでくると、丁寧さが冗長で、まどろこしい印象を受けます。
「~していただけますか?」の方がすっきりまとまります。

書き言葉も対話ですから、敬語だからと安心せず、相手と気持ちが通う言葉
づかいを意識したいですね(敬語の指針より)。

記事全文を読む

今週は敬語の「こんなときどうする?」にお答えします
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法    < 敬語の問題(3)
◆─────────────────────────────────◆
「あなた」

「あなた」という呼び方は、相手によって言われてうれしいときと疑問に
思うときがあります。

読者からのメールで「あなた」が使われているときは何の違和感もなくす
んなり受け入れられますが、「先生」と書いてあるとかなり抵抗感を覚え
ます。

「あなた」はもともとは遠くを表す「あなた(彼方)」という言葉から生
じた敬意の高い敬語だったとか(「山のあなたの空遠く幸(さいわい)住
むと人のいふ…」というカール・ブッセの詩がありますね)。

現在では、一般に年齢や立場が自分と同等か下位の人に対して使われる言
葉とされます。ですから、目上の人に「あなた」を使うのは避けたほうが
無難でしょう。

「あなたはどう思われますか?」

というフレーズを目上の人に対して使うときは

「山本さんはどう思われますか?」
「どのように思われるかお聞かせください」

上記のように名前で呼びかけたり、相手の動作(行動)に敬語を使って表
すと収まりがいいです(「敬語の指針」による)。

私がメルマガ読者に「あなた」を使われてうれしいと思うのは、特に年齢
が上のかたからのお便りのときです。「あなた」には中立的な語感がある
ので、見下すでもなくへりくだるでもなく、ニュートラルな気持ちで接し
てもらっている気がするからでしょう。

◆─────────────────────────────────◆
【しごび】 の お す す め
◆─────────────────────────────────◆

メルマガ読んでるあなたもぜひご一読を!

******************************************************************
本メルマガをもとに書きました『 仕事で差がつく できるメール術 』
www.amazon.co.jp/dp/4413041674/ref=nosim/?tag=shigotobijinn-22
******************************************************************

記事全文を読む

今週は敬語の「こんなときどうする?」にお答えします
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語の問題(2)
◆─────────────────────────────────◆
「ご持参ください」

何気なく使っている敬語で、ふと、この使い方で正しいのだろうか?
と疑問に思うのが「ご持参ください」です。

必要書類をご持参ください。

という表現。持参は、もともと「持って参る」という謙譲語なので、相手
の行為に対して使うのはおかしいのではないか、という疑問があります。

しかし、「持参」という言葉自体が「持っていくこと、持ってくること」
という意味で使われています(三省堂「大辞林 第二版」)。

「ご持参ください」に含まれる「参る」には謙譲語としての働きはもはや
なく、相手の行為に使うのは間違いではないとされます(「敬語の指針」
による)。

受付でお申し出ください。

の「申す」も同様で、「お申し出ください」と相手の行為に使うことがで
きるフレーズです。
上記の表現に抵抗がある場合は

必要書類をお持ちください。

受付でおっしゃってください。
受付でお知らせください。

という書き方があります。

ビジネスメールを書くときに役立つ
最新の記事が無料で読めます。

平日日刊で無料配信。登録はこちらから
最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】
記事全文を読む

ビジネスメールを書くときのコツを7000人以上が愛読。
2005年から配信してい る無料メールマガジン
【仕事のメール心得帖】登録はこちらから

今週は敬語の「こんなときどうする?」にお答えします
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法                < 敬語の問題
◆─────────────────────────────────◆
                      「いただく」と「くださる」

日ごろ使っている敬語で、どちらを使うのが正しいのだろうか? と疑問
に思うのが「いただく」と「くださる」です。

1)ご連絡いただきまして、ありがとうございます。

2)ご連絡くださいまして、ありがとうございます。

1)は自分側をへりくだった表現で、2)は相手の行為に対して敬意を払っ
た表現という違いがあります(平たく言えば1)が謙譲語で2)が尊敬語)。

けれど、どちらも「立てる」べき対象が相手であることに変わりはありま
せん。ですから、どちらを使っても相手に失礼にはなりません。

ただ、「いただく」と「くださる」の受け止め方、捉え方には個人差があ
るので違和感を覚える人もいるかもしれません。

ですが、いずれの場合もほぼ同じように使える敬語と考えてよいようです
(「敬語の指針」による)。

「まぐまぐ!ニュース」でこの記事が取り上げられました。

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

記事全文を読む
今週は「パソコン ⇒ 携帯電話」へのメール作法についてです。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 携帯電話のメール作法(10)
◆─────────────────────────────────◆
                          心ある対話を!

 二週にわたり「携帯電話 ⇒ パソコン」「パソコン ⇒ 携帯電話」へのメ
 ール作法について、読者のお便りをもとに紹介してきました。

 同じメールでも、携帯電話かパソコンかで受信した際の“見え方”が異な
 る点を踏まえ、配慮することで、スムーズなやり取りができるようになり
 ます。

 シリーズの最終回として、メール作法とは少し離れますが、ここで一つ
 読者からのお便りを紹介させてください。
 ——————————————————————–
  うちの両親、実は視覚障害者(全盲)なのですが、パソコンや携帯でメー
  ルのやり取りをしていますよ。

  最近は、パソコンに音声読み上げソフトや点字と同じ感覚で入力できるキ
  ーボードがついていたり、携帯電話の機種によっては音声読み上げ機能が
  ついているので。

  ですが、読み上げ機能が完璧ではないせいか、時々とんでもない読み方を
  してしまうそうです。

  なので、人の名前とか、略称(例えば広島大学→広大、など)は、あえて
  ひらがなで打ってメールを送っています。さすがに、ひらがなを読み間違
  えることはないので。

  「読む側の立場に立ったメールを心がける」という趣旨は、相手が仕事先
  であれ、友達であれ、障害者であれ、一緒かな、と思います。
                           (読者 M.Yさん)
 ——————————————————————–

 携帯メールに限らず、メール作法全般にいえることですが、大切なのは
 「相手の立場になって考え、書くこと」です。

 書くことでそうした気配りができれば、仕事上の電話のやり取りでも、対面
 での応対でも、感じのよいスマートな対応ができるのではないでしょうか。
 相手の意を汲むことができる人のところへ、自然と人や情報が集まる気がし
 てなりません。

 携帯メールによるコミュニケーションは、いつでもどこでも繋がることがで
 き、とても便利です。ですが、「即、繋がること」が「以心伝心」では決し
 てなく、相手への思いやりや節度を欠いたメッセージは、相手の心を動かし
 たり快くすることはありません。

 携帯電話は今後もますます普及していくでしょう。
 でも、それも伝達するための道具の一つに過ぎません。
 携帯電話という道具に依存することなく「心を以(も)って伝える」気持ち
 を忘れたくないと思うのです。

◆─────────────────────────────────◆
 【しごび】 の お す す め
◆─────────────────────────────────◆

 一家に一冊、職場に一冊!

 ******************************************************************
  本メルマガをもとに書きました『 仕事で差がつく できるメール術 』
  www.amazon.co.jp/dp/4413041674/ref=nosim/?tag=shigotobijinn-22
 ******************************************************************

記事全文を読む