今週は、読者からの質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問
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ご便利

<読者からの質問>————————————————

「お」「ご」の事ですが、日ごろ電車のアナウンスできになっていること
があります。

「○○へは前の階段がご便利です。」

正しいのかなァ・・・と疑問です。「便利」は動作では無いから変に感
じたのでしょうか。「ご利用が便利です」なら良いと思うのです。
なにを調べたら解決するのかもわからず、悶々と毎日地下鉄を利用して
います。
(読者 M.C さん)
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国の文化審議会「敬語の指針」によれば、

「お」と「ご」を付けて敬語にする場合の「お」と「ご」の使い分けは
「お+和語」「ご(御)+漢語」が原則である

とあります(和語は漢字の訓読みに相当し、漢語は音読みに相当)。
この理屈でいうと「便利」は漢語にあたり、「ご便利」ということになり
ます。

しかし、上記の使い分けはあくまで原則。

美化語の「お料理」「お化粧」のように「お」が好まれるものや、尊敬語
の「お加減」「お元気」のように「お+漢語」のように変則的な使い方を
するものもあります。語によっては「お」「ご」がなじまないものもある
わけです。

この「ご便利」も実際に使われている例は多くあるのですが、言葉として
は読者のM.C さんが疑問に思ったように、言葉としてしっくりこない気が
します。

言い換えるとすれば

「○○へは前の階段をご利用になると便利です」

と名詞の「便利」を敬語にするより、「ご利用になる」という動詞の尊敬
語を持ってくるほうが収まりがよいように思います。

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