今週は、読者からの質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問(4)
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ご返答いたします

以前、「上司への敬語」で述べた記事の例文に対して、読者の方からご意
見をいただきました。

<読者からの意見>————————————————

> 部長の山本に確認いたしまして、ご返答いたします。 ⇒ GOOD!

この中の「ご返答いたします」については、
返答する主体は「私」であるので、
「ご」をつけるのはおかしいように思います。

「部長の山本に確認しまして、返答させていただきます」

とすればスッキリするのではないでしょうか。
(読者 K.H さん)
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上記の文章は、ご指摘のとおり主体は「私」です。
主体である「私」が「返答する」相手に向かって書いた一文です。

文章を分解して考えてみましょう。
「ご返答いたします」の「ご~いたす」は謙譲語です。

ここでは、主体である「私」が<向かう先>、つまり、私が返答する「相手」
を立てた言い方として「ご返答いたします」にしています。

主体は「私」ですが、相手を立てた(高めた)表現であるため
「ご返答いたします」という一文で問題はないと思うのですが、
いかがでしょう。

※厳密にいうと、「ご~いたす」は「謙譲語I」兼「謙譲語II」に相当
しますが、ここでは「謙譲語I」と「謙譲語II」の解説は長くなるので
省略します。

むしろ、私が気になったのは「返答させていただきます」です。

「させていただく」は、
・相手の許可を受けて行い
・相手から恩恵を受ける
という二つの条件を満たしている場合に使う表現、と「敬語の指針」にあります。

これに基づいて考えてみましょう。
上記の一文は、「私」が上司に確認して「相手」に返答することを伝える文章
です。

状況としては、相手に許可を得て返答するのでも、返答することで相手から
恩恵を受けるのでもないため、「返答させていただきます」とするより、
「ご返答いたします」としてよいのではないでしょうか。

「させていただく」は、以前から注意が必要な言葉と感じています。
バックナンバーでも触れていますので参考にしてください。

VOL.501
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