今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 書き換える技術(5)
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                        かしこまりました

 客先の担当者へ日程を知らせるメールを送ったところ、次のような返信が
 ありました。
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 かしこまりました。
 こちらこそ、続いて宜しくお願い致します。

 ——————————————————————

 仕事の発注者である相手から、受注する側である私に上記のような丁寧な
 返信をいただき、恐縮してしまいました。

 この場合は、発注者→受注者というやりとりなので、相手は

 「承知しました」
 「わかりました」

 という表現でさしつかえないのではないでしょうか。

 お互い懇意な間柄であれば

 「○日ですね。お待ちしています」

 という一文でも、確認と親近感を表わすことができていいと思います。

 逆に、受注側の私から発注者の客先へ送るメールであれば
 「わかりました」より「かしこまりました」が好ましいです。

 丁寧な言葉遣いを意識することは大切ですが、
 丁寧すぎても慇懃無礼に感じられますし、丁寧さを欠くと失礼。
 相手との上下関係、お金の流れを考えて言葉を選ぶ必要があります。

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 あ と が き
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 ご紹介する3つのメルマガの発行人は
 いずれも、もともとこのメルマガの読者さん。
 何度か感想メールをいただくうちに仲良くなった人たちばかり。

 私が何よりうれしいのは
 このメルマガでの出会いがきっかけで
 「自分でも書いてみよう!」とメルマガを始めた人たちが
 いるってことです。

【 ロンドン偏食生活 】  
  日本人から見たロンドンって? 英国人って? 
大人風味で綴られる英国の日常が素敵!

【 人は我をボヤッキーと呼ぶ 】 
  私と同世代の人なら「わかる~!」と思わず叫ぶ懐かしネタ全開! 
テンポのいい語り口が魅力。

【 プロが伝授! 失敗しない海外旅行情報完全マニュアル 】
 
  ほしかったのはこういう情報! 
現場を熟知したプロならではの海外情報。旅行好きには見逃せません!

 切り口は三者三様ですが
 文章が安定していて、安心して読めます。

 それはきっと、彼らが「読むのが好きな人」たちだから。
 そして、書けば書くほど、書くチカラもあがっていきます。

                      これからも応援しています!

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今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 書き換える技術(4)
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                           すいません

 中国の読者のかたから次のようなメールを頂きました。
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 「メールの返事が遅くなってすいません」

 というのは正しい表現ですか?
                         (読者 Y.W さん)
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 最近、日本語を勉強している中国人の読者から、質問を頂くことが増えて
 きました。日本語でメールを書くときの参考に、このメルマガが読まれて
 いるのだとしたら、私としては、うれしい限りです。

 さて、本題です。

 「メールの返事が遅くなってすいません」
 一見、読みすごしてしまいそうですが
 「すいません」ではなく「すみません」が正しい表記です。

 話し言葉では、つい「すいません」と言ったり、そう聞こえることが多く
 ありますよね。メールや文章を書くときに気をつけたい点です。

 ビジネスのやりとりで上記の内容をメールに書く場合は

 「メールの返信が遅くなり、申し訳ありません」

 とするとより丁寧な印象になります。

 「遅くなって」のように「~なって」「~してしまって」のような表現は
 会話に近いくだけた表現なので、相手によっては控えたほうがいいかもし
 れません。

 このように話し言葉で聞きなれていると、いざ、書くときに迷う言葉が
 幾つかあります。「さみしい」「こんにちわ」などがその例です。

 「さびしい」(漢字では「寂しい」)
    ̄
 「こんにちは」
       ̄
 が正しい表記です。

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 お す す め メ ル マ ガ
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今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 書き換える技術(3)
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                         見たら分かる?

 読者のかたから次のようなメールを頂きました。
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 ある宿のホームページから宿泊予約を入れた後に、ホテル旅館協同組合
 のサイトで宿泊割引券をみつけ、それが使用できるかどうかを問い合わ
 せた際に受け取った返信です。

 『ご予約ありがとうございます。
  ホームページにも記載がございますがプランと他の割引券との併用は
  できませんこと何卒ご了承くださいませ。
  お越しをお待ちしております』

 宿のホームページのインターネット予約画面には、上記のような注意書
 きの記載はありませんでした。

 (中略)

 ホームページの作り方はさまざまなので、求める情報に辿り着けないこと
 がよくあります。それを解決すべく問い合わせをした際の回答に、
 『ホームページに載ってます』
 とあると、不親切だなぁと感じてしまいます。

                          読者 A.M 様
 ——————————————————————

 A.M さんと同じような経験、私もあります。ネットショッピングやネット
 オークションでも同じことが起こり得ると思います。

 ホームページを制作する側は「見れば分かるでしょ」と思っていても、
 それを見る側には「どこにあるの?」ということが少なからずあります。
 少なし、見る側が見落とさずに済むような記述や制作上の配慮があると、
 うれしいものです。

 上記の宿泊先からのメールに対して、
 A.M さんは『ホームページに載ってます』で済まさず
 『インターネット予約は、すでにお得なプランとなっておりますので、
  割引券との併用はできません』
 という表現なら、メールを受け取る側も納得できるのでは、と結んでいます。

 メールだけのやり取りの場合、上記のように
 「ホームページにも載っているとおり」以外にも
 「先日のメールで書いたとおり」という記述も要注意。

 自分が覚えている内容を、相手も同じように記憶していたり、認識している
 とは限りません。メールでのやり取りや打ち合わせの際は、書く側には面倒
 でも、読み手が理解・納得できるように所定の部分を示したり、過去に遡っ
 てポイントを伝えるという“ひと手間”を惜しまぬことも大切ではないでしょ
 うか。

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今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法          < 書き換える技術(2)
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                           ご持参ください

読者のかたから次のような質問を頂きました。
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「お申し出ください」と同様(?)に迷うのが「ご持参ください」です。

「参る」は謙譲語と思いますので、他人に何々してくれというのに
使うのには抵抗があります。

で、「資料をお持ちください」などと書いているのですが、
なんか漢語の魔術か「ご持参ください」の方がおさまりが良い気がして、
いつもむずかゆい感じがしています。

「持参する」を「参る」に分解するのが気にしすぎなのでしょうか?

読者 星のおじ様
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星のおじ様のように「持参する」を「持って参る」という謙譲語として捉
え、人の動作に使うことに抵抗を感じる人は少なくないようです。

では、「ご持参ください」を言い換え・書き換えるとしたら・・・

「○○をお持ちください」
「○○をお持ちになってください」

で相手への敬意は十分伝わりますね。

参考までに
文化審議会国語分科会「敬語の指針」の記述を挙げておきましょう。

「敬語の指針」では、「参る」や「申す」は謙譲語IIに当たる敬語としつ
つも、「ご持参ください」といった表現の中に含まれる「参る」は、既に
謙譲語IIとしての働きを失っていると言ってよく、「ご持参ください」を
「相手側」の行為に用いるのは問題ない、としています。

つまり、もともと「持参」という言葉が持っていた謙譲の意味が薄れてき
ているということでしょう。

※謙譲語IIとは…
自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。
例)参る、申す、いたす、拙著、小社 など

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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 書き換える技術
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                          ご遠慮ください

読者のかたから次のような質問を頂きました。
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「ご遠慮ください」
は正しい敬語なのでしょうか?

以前、会社の先輩に、
遠慮は自分がするもので、相手に強要するものではないから、
お願いごとに「ご遠慮」は使わない、と言われたことがあります。

それからは、その言葉を使用せず、
「携帯電話のご利用はお控えください」や、
「講演中のタバコはおやめください」
というような言い方をしています。
読者 I.M 様
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「ご遠慮ください」が敬語として正しいかどうかは、諸説あるようです。
I.Mさんが書かれているように、自分からのお願いする場合には使わない
という説、慣用表現として定着しているので使ってよいとする説、
いろいろです。

ここでは敬語としての正誤ではなく、どのように言い換えると適切か考え
たいと思います。

「ご遠慮ください」に代わる言い方・書き方としては、I.Mさんがすでに
実践されている

「~はお控えください」
「~はおやめください」

という表現がしっくりきます。「ご遠慮ください」という表現に抵抗が
ある場合は、上記の二つのフレーズに置き換えてみるうといいですね。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問(5)
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「お申し出ください」の言い換え

<読者からの質問>————————————————

「お申し出ください」
という言葉は、正しい敬語なのでしょうか?

仕事柄、セミナーの司会をすることがあるのですが、
一度、「お近くのスタッフまでお申し出ください」
と言ってしまったことがあります。

「申し出る」は自分に対して使用するので、
「お」をつけてもおかしいと思い、
一瞬にして恥ずかしい気持ちになりました。

(中略)

こういう場合は、どのように言い換えればいいのでしょうか。
「お申しつけください」
でもよいと思うのですが、和やかな場面では
少しかた苦しい印象を持ってしまいます。

読者 I.M 様
——————————————————————

「申し出る」の解釈には諸説あるようですね。
ここでは「申し出る」の解釈ではなく、どのように言い換えると適切かを
提案したいと思います。

I.Mさんがセミナー司会者として会場のお客様に呼びかける場合、
I.Mさんが“立てる”相手はお客様。お客様に対して尊敬語で呼びかける
のが適切と思われます。例えば…

「お近くのスタッフにお尋ねください」
「お近くのスタッフまでお知らせください」

という言い方です。
「お近くのスタッフまでお申しつけください」では硬いと感じられる場で
は上記のような表現がしっくり来るように思います。

私は客先に対してのメールでは「お申しつけください」を使うことが多い
です。書き言葉としては収まりがよく、丁寧できちんとした印象があるか
らです。

懇意な相手には「お尋ねください」「お知らせください」を使うことが多
いですね。

その場面や相手との距離感を考え、使い分けてみるといいのではないでしょ
うか。

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