今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 書き換える技術(2)>
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ご持参ください
読者のかたから次のような質問を頂きました。
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「お申し出ください」と同様(?)に迷うのが「ご持参ください」です。
「参る」は謙譲語と思いますので、他人に何々してくれというのに
使うのには抵抗があります。
で、「資料をお持ちください」などと書いているのですが、
なんか漢語の魔術か「ご持参ください」の方がおさまりが良い気がして、
いつもむずかゆい感じがしています。
「持参する」を「参る」に分解するのが気にしすぎなのでしょうか?
読者 星のおじ様
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星のおじ様のように「持参する」を「持って参る」という謙譲語として捉
え、人の動作に使うことに抵抗を感じる人は少なくないようです。
では、「ご持参ください」を言い換え・書き換えるとしたら・・・
「○○をお持ちください」
「○○をお持ちになってください」
で相手への敬意は十分伝わりますね。
参考までに
文化審議会国語分科会「敬語の指針」の記述を挙げておきましょう。
「敬語の指針」では、「参る」や「申す」は謙譲語IIに当たる敬語としつ
つも、「ご持参ください」といった表現の中に含まれる「参る」は、既に
謙譲語IIとしての働きを失っていると言ってよく、「ご持参ください」を
「相手側」の行為に用いるのは問題ない、としています。
つまり、もともと「持参」という言葉が持っていた謙譲の意味が薄れてき
ているということでしょう。
※謙譲語IIとは…
自分側の行為・ものごとなどを、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの。
例)参る、申す、いたす、拙著、小社 など
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