今週は、読者からいただいた質問や意見をご紹介します。
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「拙見」について

VOL.808 の< 読者からのお便り(2)>で「拙見」の読みについて
読者のかたからお便りをいただきましたので、ご紹介します。

<読者からの意見 その一>——————————————

4月30日付メルマガで、「拙見」の読みについての話題がありましたが、
この言葉は無いはずです。
明治期に発刊された国語辞典にも記載されていませんでした。

自身の意見を謙遜した「拙」の字を使う表現は「拙意」(せつい)です。
「見」の字を使う謙遜した表現は
「愚見」(ぐけん)「浅見」(せんけん)です。

ただし、よく使う「私見」にも謙遜の意が含まれていますので、
通常は「私見」で良いと考えています。

読者 夏みかんさん

<読者からの意見 その二>——————————————

拙見ですが、このような言葉は多分無いと思います。
意見の謙譲語は、卑見、愚見などで、
かなりへりくだった言い回ししかないようです。

あまりへりくだりすぎない、謙譲語があっても良いとは思いますが
(しいて言えば、私見かとおもいますが)、
文書にうるさい某商社を含め、40年近いビジネスキャリアーの中で
拙見という言葉にお目にかかったことがありません。

ただ、よく商社で使っていた、
貴状(貴方よりの書状)や弊状(当方からの書状)も
広辞苑には掲載されていませんし、ワープロ変換でも出てきません。

会社の先輩に話したところ、一言の元に、広辞苑もレベルが低いね、
と切り捨てられましたが、
確かに貴状、弊状はよく使われていますので、
広辞苑の弱点かもしれません。
読者 Tさん

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インターネットで検索すると、「拙見」を使った文章は検索される
のですが、言葉そのものの意味を見つけることはできませんでした。
紙の辞書・辞典でもしかり。

拙著や拙家のように、自分がつくりだしたものや自分のものを
へりくだって表す際には「拙」を使えばよい、
と安易に想像していたのですが、
ありそうで、実はない言葉が「拙見」だったのですね。

それに代わる言葉として、夏みかんさん、Tさんともに挙げて
おられるのが「私見」。
なるほど、これなら分かりやすく、メールや文章に取り入れても
自然でスマートな印象です。

貴状、弊状のように、実務レベルでは使われているのに、
辞書にはない言葉もあります。
その業界特有の言葉というのもありますし、
新語や造語の類も次々に生まれては、いつのまにか消えていくものも
あります。

そうしてみると、つくづく言葉は生き物だと感じます。

でも、大切なのは、まずは自分で調べてみること。
たとえ、正解が得られなくても、自分で調べた手間が経験として残り、
どうしたら分かるかを想像するチカラにつながっていくように思います。

でも、こうして自分で調べて分からなかったことも、
メルマガを通じて教えてもらうことができるのは
ネット時代の効用ですね。

夏みかんさん、Tさん、ありがとうございました。

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