今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語注意報(3)
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                      「お亡くなりになられる」

「映画監督の大島渚さんがお亡くなりになられました

昨日は様々なメディアで、大島渚監督の訃報が報じられました。

ラジオでよく耳にしたのが上記の文例に挙げた
「お亡くなりになられました」です。

「死ぬ」の婉曲な言い方が「亡くなる」です。
その尊敬語は

「お亡くなりになる」あるいは
「亡くなられる」です。

「お亡くなりになられました」は
この「お亡くなりになる」と「亡くなられる」を混同した
表現と思われます。

話し言葉の場合、本来不要な「なられる」を付けて
発してしまいがちですが、二重敬語となるので注意が必要。

「映画監督の大島渚さんがお亡くなりになりました

「映画監督の大島渚さんが亡くなられました

と表記するのが適切です(話し言葉でも)。

その他の二重敬語の例としては……

× ご覧になられる → ○ ご覧になる
× おっしゃられる → ○ おっしゃる
× お話になられる → ○ お話になる

などがあります。不要な「~られる」を付けないように
気をつけましょう。

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【仕事のメール心得帖】「お亡くなりになられました」< 読者からの質問(3)>VOL.2694

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1件のコメント (現在はコメントを受け付けていません)

  1. 日本語的には「亡くなる」は丁寧語ではありませんよ。「亡くなる」は「死ぬ」の婉曲的な使い方なので敬語ではありませんし、文化庁審議会答申「敬語の指針」(平成19年)にも
    「慣習上 「お(ご)」と組み合わせることがなじまず 「お(ご)……になる」の形が作れない動詞もあるので,注意を要する。
    例:×お死にになる(→お亡くなりになる,亡くなられる)”」とありますので「お亡くなりになられました」は間違った敬語ではありませんよ。