今週は、気になる敬語の使い方について取り上げます。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法 < 敬語レッスン(3)>
◆─────────────────────────────────◆
「ご満足のいく商品のお届け」
——————————————–
ご満足のいく商品のお届けができない状況です。
——————————————–
生鮮品のネット通販をしている会社から届いた
お詫びのメールにあった一文です。
この文も「敬語の向かう先」が迷子になっているようなので
例として取りあげました。
会社から届いた商品に「満足する」のは客。
これなら大丈夫! と「満足のいく」商品を届けるのは会社。
上記の文例では、「誰の満足」なのかが
どっちつかずでよくわかりません。
商品の届け先である「お客様にとっての満足」であるのなら
———————————————————-
(お客様に)ご満足いただける商品がお届けできない状況です。
———————————————————-
あるいは
—————————————————————
(お客様に)ご満足いただける商品をお届けできる状況にありません。
—————————————————————
のように
主語「お客様」の述語である
「満足する」の尊敬語「ご満足いただける」を使います。
自社にとって満足のいく出来ではないことを伝えるのなら
——————————————————————-
(お客様に対して)当社として満足のいく商品がお届けできない状況です。
——————————————————————-
あるいは
「満足のいく」という言い回しを他の表現に置き換え
——————————————–
商品の出来が十分でなく、
自信を持ってお届けできる状態にありません。
——————————————–
とし、「届ける」を尊敬語で表記します。
(この場合は可能の「お届けできない」「お届けできる」を使用)。
このように、
「誰の満足」なのか、によって
「敬語の向かう先」が変わります。
敬語を使うときの留意点です。