今週は、注意したい敬語の使い方についてです。 ◆─────────────────────────────────◆ 仕 事 の メ ー ル 作 法 < 気になる敬語(2)> ◆─────────────────────────────────◆ 「お写真を拝見されて」 「背景が変わっていることに お写真を拝見されて、気づかれましたか?」 上記の一文は ネットにアップしている自分のプロフィール写真の 背景が変わっていることに気づきましたか? と書き手が読み手に問うている文です。 気になるのは 「お写真を拝見されて」 の箇所。 書き手が読み手に対して敬語を使うつもりが 尊敬語と謙譲語を混同して おかしな敬語になってしまっています。 「(プロフィール)写真を見た」のは、読み手 つまり、相手です。 したがって 相手の行為に使う敬語は 尊敬語。 「見る」の尊敬語は 「ご覧になる」 あるいは「見られる」です。 しかし、上記の一文では 「見る」の謙譲語「拝見する」を 相手に対して使っています。 さらには 自分の写真のことなのに 尊敬の接頭語「お」を付け 「お写真」となっています。 では、 「お写真」→「写真」 「拝見されて」→「ご覧になって」 と直してみましょう。 「背景が変わっていることに 写真をご覧になって、気づかれましたか?」 より伝わりやすくするために 文の順番を変えて整えると…… 「写真をご覧になって、 背景が変わっていることに気づかれましたか?」 のようになります。 (最後の箇所は「お気づきになりましたか?」にしてもよいでしょう) 今回、取り上げた文例のように 敬語を使う相手と行為を取り違え 自分を主語とする「謙譲語」と 相手を主語とする「尊敬語」が 入れ替わっている間違いを見かけます。 敬語を使い分けるときは その行為の主語は誰か を確認してみましょう。
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