今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 気になる敬語(2)
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                      「聞く」の敬語の使い分け

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編集会議の日程変更について
お伺いになったでしょうか。
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上記の文は
上司に会議の日程が変更になったことを聞きましたか、
と尋ねる一文です。

「伺う」は「聞く」の謙譲語。
「聞きましたか」と目上の相手に尋ねる場合は
主語は相手で、
尊敬語を使うので「お聞きになりましたか」
とするのが適切です。

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編集会議の日程変更について
お聞きになりましたか
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過去形の謙譲語「お伺いになった」を
そのまま過去形の尊敬語「お聞きになった」に書き換えるよりも
「お聞きになりましたか」
とする方がすっきりします。

では、自分が
会議の日程変更について
客先から聞いている
という場合は、どのような書き方になるでしょうか。

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編集会議の日程変更の件
伺っております
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日程の変更について聞いている
ことを伝えるときは
主語は自分なので、
「聞く」の謙譲語「伺う」を用います。

整理すると
・相手の行為に使うのが「尊敬語」
主語は相手
「聞く」→「お聞きになる」

・自分の行為をへりくだって相手を立てるときに使うのが「謙譲語」
主語は自分
「聞く」→「伺う」「お聞きする」

客先や上司など、目上の相手から
「聞きました」「聞いています」という場合は
謙譲語「承る」
を使ってもよいでしょう。

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編集会議の日程変更の件、
承っています
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では、最後に
上司の佐藤部長から、日程変更の件を聞いていると
客先に伝えるときは
どのような書き方になるでしょうか

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編集会議の日程変更の件、
佐藤から聞いております
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この場合、立てるのは客先で
上司の佐藤部長ではありません。

したがって
「佐藤から聞いた」とし
「佐藤部長から伺いました」では
客先に対して、社内の上司を立てることになるので
NGです。

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あ と が き
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知っておくと便利な言い回しや
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