今週は、読者の方からの質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(5)
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                       「下記」か「以下」か?

<読者からの質問>————————————————

以前からお尋ねしようと思っていましたが、
会社での書類の記載について伺います。

会社では色々な稟議や、許可申請が上がってきますが、
申請者の記載方法に下記2種類があります。

1) 下記申請(を)ご許可下さい。

2) 以下の申請、ご(を)ご許可下さい。

要するに「下記」か、「以下」のどちらかという問題ですが、
理由は特にないものの、私は「下記」の方がしっくりくると思います。
ご教示頂ければ幸甚です。
(読者 Tさん)
——————————————————————

「下記」も「以下」も
会社関係の書類やメールでよく使われている言葉です。

意味を調べてみると
「下記」は、ある文章のあとに書き記すことや、その文章を指します。

対して、「以下」は、
これから後に述べることを指す以外に、

・数量・程度がある基準を含み、それよりも下であること
例)100円以下は切り捨て
・代表として挙げる語をはじめとして、それに類するもの全部
例)社長以下の役員全員
といった意味もあります。

「記」で始まり、「以上」で終わる「記書き」が
ビジネス文書ではよく使われます。

※参考
「記書き」に注目< メール仕様に書きかえる(3)>VOL.1535

「記書き」の上にくる文では、
「下記の通り」と「記書き」を指す一文を入れます。

辞書には、「以下」とは「下記」のこととしているものもあり、
下にくる文章を指す場合には「下記」を使うのが適切と考えます。

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今週は、読者の方からの質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法           < 読者からの質問(4)
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「ビッグイベントが開催」

<読者からの質問>————————————————

最近、時々気になる文を見かけます。

例えば、「ビッグイベントが開催!」

という文の発信者が主催者だったり。
主催する側なら「を」の方がしっくりきます。

もう一つ、「○○で住もう」

○○に地名が入る文。私は、「に」の方が落ち着きます。
「みんなで住もう」なら気にならないのですが・・・。

こういった格助詞?の使われ方は、適切なのでしょうか?

(読者 K.Yさん)
——————————————————————

日本語は主語を書かなくても通じてしまうところがあるので
こうした間違いが起こるのだと思います。
間違いの原因を推測してみましょう。

「ビッグイベントが開催!」の文の主語は主催者なので、
「○○(主催者)がビッグイベントを開催!」と書き、

主語を省くと
「ビッグイベントを開催!」
となります。

本来、主語に付くはずの「が」を
目的語である「ビッグイベント」に付けた間違いが
「ビッグイベントが開催!」の文です。

「ビッグイベント」を主語にするのなら、
「ビッグイベントが開催されます!」としますが、
「されます」を省略し、
「ビッグイベントが開催!」としている可能性もあります。

見出しとして文を強調するために
他の言葉を省いて、短く言い切ることはありますが、
この場合「開催されます」の「されます」を省くと意味が通りません。

短く言い切るなら
「ビッグイベントを開催!」
とするのが適切です。

「○○で住もう」は、 K.Yさんが書いている通り
「みんなで住もう」とか、「家族で住もう」のように
○○に主語「みんな」や「家族」がくれば問題ありません。

この文に目的語として場所を入れると、
「家族で広島に住もう」となります。

主語「家族」を省くと
「広島に住もう」。

「広島で住もう」という文は
本来、目的語である「広島」を
主語と間違えて使っていると推測できます。

メールでも主語を省いた文が見受けられ、
それに伴い、上記のような助詞の間違いが起りやすいです。

何が主語で、何が目的語か。
「いつ」「どこで」「誰が」何をするのか。

ということを考えて文書を書く習慣をつければ、
助詞の間違いは防げると思います。

※ビジネスメールに関する素朴な疑問や質問をお寄せください。
このメールマガジンに直接返信 または
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(3)
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                     畳に座ってもらうときの敬語

<読者からの質問>————————————————

今1つ気になっている表現があり、
神垣さんの意見を伺ってみたいと思いました。

質問は、
「人に、畳や床に直に座ってもらうときの敬語表現」についてです。

「お掛けください」や「お座りください」では違和感があります。

「お掛けください」は椅子に座るときに使うもの、
「お座りください」はペットに対する言葉のようで
不快に思う方がいる…と考えます。

私は、人を床に直に座らせることに「お座り…」「お掛け…」などと
敬語表現を使うのは、ちぐはぐな印象であると感じています。

座布団をすすめて「おあてください」は納得できますが、
座布団もないのに言葉だけ敬語でもな~…う~ん、と思います。

そこで、
「どうぞ座って『ください』」とか
「どうぞ座って『お待ちください』」などと、
座る以外の部分を敬語にするという事で敬意を表現できないでしょうか。
なかなかはっきりとした答えが見いだせず、悩んでおります。
(読者 T.Nさん)
——————————————————————

動作として「座る」ことを相手に勧めるわけですから、
「座ってください」の尊敬語
「お座りください」
で差し支えないと考えます。

ペットには「お座り」とは言っても
「お座りください」とは言いませんよね。

同じ「お座り」という言葉を使ってはいますが、
対象も、意味あいも、使い方も異なるので、
人に対して「お座りください」を使うのは
別段問題ないと思います。

それでも気になるという場合は
尊敬語「お~になる」を用いた
「お座りになってください」
とするとよいでしょう。

「どうぞ」という言葉を添え、

「どうぞ、お座りください」
「どうぞ、お座りになってください」

とすると収まりがよいのではないでしょうか。
他に言葉を添えるとしたら、
T.Nさんが書いている一文を

「どうぞ、座ってお待ちになってください」

としてもよいと思います。

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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 読者からの質問(2)
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相手の文章の引用は失礼?

<読者からの質問>————————————————

「インラインにて失礼します」
という書き出しで、相手のメールの引用文を貼り付けて、

それに対して回答するようなメールの書き方をするのですが、
それは「失礼」なのでしょうか?

引用することが、ビジネス上では丁寧な作法ではないと捉える方
がいるのでしょうか?

[例]——–
>打合せの件、ご都合のよい日時をお知らせ願います。

2/21(月)午後、または2/23(水)終日で調整可能ですが、
2/21(月)15時から16時でいかがでしょうか?
——–

私は、相手から受信したメールの「この部分に対して回答しています」
が明確になり、むしろ丁寧なのではないかと考えています。

また、相手がいくつかの質問を記載していた際に、
回答漏れを防止することも期待できます。

やはり、相手との関係(クレーム客、顧客、上司など)で
引用文を使うかどうか判断するのが適切なのでしょうか?
(読者 T.Mさん)
——————————————————————

質問にある「インライン」とは、
メールの返信をする際、相手の文章を全文引用して、
応答文を数行おきに挟んでいくような書式を指します。
(IT用語辞典 E-wordsより)

相手のメール文を引用することが失礼に当たるか否かは
会社や個人により、捉え方が異なると思います。

返信のたびに全文引用を繰り返した場合
メールの文字量が無用に増えるため、
それを相手に対して失礼と捉えるケースは実際にあり

私の客先でも、相手のメール文は引用しない
と社内で徹底している会社があります。

ただ、このように引用しないケースより
引用しているケースの方が
実感としては多いです。

理由はT.Mさんの質問にあるように
相手から受信したメールの「この部分に対して回答しています」
ということが明確になり、分かりやすいからでしょう。

このように
相手のメール文を引用して返信する利点もあるので
「引用は失礼」とは一概に言えないと思っています。

私自身は、引用するかどうかは
相手のルールや習慣に合わせるようにしています。

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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 読者からの質問
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「…について」「…の件」という件名

<読者からの質問>————————————————

メールの件名(Subject)で、
「3月3日の打ち合わせの内容について」や
「3月3日の内容打ち合わせの件」のように、
「…について」、「…の件」
というものをしばしば見かけます。

メールの件名は、「短く」「わかり易く」「具体的に」すべきですが、
「について」「の件」は、
情報を持たない余計な(無駄な)文言にしか思えません。

そもそもメールの「件名」は、
「…について」を書くところなんですから。

メールに限らず、さまざまな文書でも、
「ここは、『…について』を書く箇所でしょ」
というところに「…について」と書かれてあるのを見ると
違和感(or 嫌悪感)を覚えます。

ところが、神垣様のメールマガジンのバックナンバーを含め、
ネットで検索しても
この話題について書かれたものは見つかりませんでした。

「について」などは、文をやわらかくするために必要なものなのか、
細かいことでどうでも良いことなのか、ずっと疑問に思っています。

神垣様のお考えをお聞かせください。
(読者 Y.Nさん)
——————————————————————

Y.Nさんの質問にあるように
メールの件名は
「短く」「わかり易く」「具体的に」書くことが原則ですが、

件名に具体的に書こうとして書ききれない場合に
「…について」や「…の件」を使うことが
私は多いです。

「…について」を使うのは
メールの内容がやや込み入っていて
件名でひと言でまとめられない場合。

例えば
メールのやりとりで
打ち合わせの日程変更を相手に伝えるという
内容であれば、

「3月30日の打ち合わせの日程変更のお願い」

という件名にしますが

打ち合わせの内容について
幾つかポイントがあり
ひと言で件名としてまとめられないような場合は

「3月30日の打ち合わせについて」

と件名に書いています。

また、頻繁にメールのやり取りをする相手で
具体的に細かく件名に書かなくても
何のことかだいたい察してもらえる場合は
件名に「…の件」を使います。

「3月30日の定例会議の件」
「4月号社内報の件」

このように、
簡略した件名でも相手に通じ、
分かってもらえるときによく用います。

逆に、初めてメール送信する相手に
「次回社内報の件」
だけでは、何のことか分からないので

「ABC社の社内報4月号 撮影日程について」
「ABC社の社内報4月号 撮影日程が変更になりました」

といった件名にします。

上記のように私が
メールの件名に「…について」や「…の件」を用いるのは

文をやわらかくするためではなく
具体的に書こうとして書ききれない場合に
大まかにまとめるためです。

状況に応じて
このように使うことがあってもよいのではないかと思うのですが
いかがでしょうか。

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今週は、社名や商品名、ことわざなど本来の表記についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法           < 正式な名称・表記(4)
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                          慣用句の略に注意

今週は、名称の正式な表記について
取り上げてきました。

慣用表現を略した言い回しに
「目からうろこ」「たなぼた」
などがあると、以前、メールマガジンで書いたことがあります。

略したまま使っている慣用語としては
ほかに

「怒り心頭」もあります。

× 先方の失礼な対応に怒り心頭でした。

「怒り心頭」で終わりではなく、
「怒り心頭に発する」まで書いて、
心の底から怒りの気持ちがわき上がってくることを
意味します。

○ 先方の失礼な対応に怒り心頭に発しました。

ちなみに「怒り心頭」の後に続くのは
「発する」であり、「達する」ではないので、
間違えないように注意を。

「顰蹙」を「買う」と言いますが、「売る」とは言いません。

不快なことに眉をひそめる様が「顰蹙(ひんしゅく)」で、
人が不快に思うことをして嫌がられることを
「顰蹙を買う」と言います。

× 彼の発言は顰蹙です。
○ 彼の発言は顰蹙を買っていました。

「溜飲」を「下げる」のであって、
「上げる」でも「晴らす」でもありません。

胃が消化不良を起こして、胃液がのどまで上がってくるような状態を
「溜飲(溜飲)」と言い、

それが下がれば、すっきりすることから
恨みや不快に思う気持ちを解消して、
気が晴れる様を「溜飲を下げる」と言います。

× 我慢せず言いたいことを言って溜飲を上げる。
○ 我慢せず言いたいことを言って溜飲を下げる。

このように慣用句は、
むやみに省略すると元の意味が分からなくなり
間違いのもとです。

意味を理解するためにも
通して記憶して使うことをお勧めします。

 

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