今週は、敬語に対する考え方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語の問題(3)
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                          観点、立場の違い

接客時の言葉遣いとして
「しますか」と「しましょうか」の
どちらが適切か、について2回にわたっては取り上げてきました。

▼「しますか」と「しましょうか」< 敬語の問題 >VOL.2814

▼「しましょうか」が適切な理由< 敬語の問題(2)>VOL.2815

私の考えは VOL.2815 に述べたのですが、
以前、接客業をしていたという読者の方から
次の意見をいただいたので、紹介します。

<読者からの意見>————————————————

基本的に質問者の方に同意ですが、
1点難しいところだな、と思うところがあります。

それは
その行為を販売員のものとするか
お客様のものとするか、で言い回しが変わるということです。

こればかりは、働く場所や人の考え方によると思います。

販売員の行為とする場合

1)(熨斗紙を)お掛けしますか?
→(熨斗紙を)お掛けいたしましょうか?

2)(熨斗紙に名前を入れるのは)いかがいたしますか?
→ いかがいたしましょうか?

3)(予備の手提げ袋を)ご用意しますか?
→ ご用意いたしましょうか?

販売員の行為はお客様に代わってしている、という観点の場合
これは、贈答品というシチュエーションなので、
お客様が先方に対してどうしたいか、という視点となります。

1)(熨斗紙を)お掛けになりますか?

2)(熨斗紙に名前を入れるのは)いかがなさいますか?

3)(予備の手提げ袋を)ご入り用でしょうか?

私は後者の接客を是としていました。
(読者 H.Mさん)
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上記の2通りの対応は、
いずれも相手に問いかける言い回しですが、
お客様に対してお店の人がどういう立場で対応するかで
言葉遣いが変わることを示していて
私自身も勉強になりました。

一方で、
「しますか」でも「しましょうか」でも
どちらでもいいのでは?
という意見もありました。

客として接客を受ける立場なら
そこまで気にしない、
という受けとめ方も当然あると思います。

ただ、店側の接客を改善・指導する立場であれば
「どちらでもいい」ではなく
「なぜ、この対応の方が適切か」を

販売員に説明し、
販売員全員が理解してお客様に接するよう
指導し、徹底させる必要があります
(販売員の対応がお店のイメージを左右するため)。

今回の質問
お店を指導する立場の方からだったので
私もその点を踏まえて回答しました。

立場によって、言葉の受けとめ方も対応も異なります。

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