今週は、読者の方からの質問に回答します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問(4)>
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「ご連絡」の「ご」

先輩の代理で返信< うっかり敬語(2)>VOL.2977
に対する質問をいただきました。

※印の文は、違いを分かりやすくするため、神垣が追記しました。

<読者からの質問>————————————————

昨日のうっかり敬語の例題の文章の「ご連絡」の「ご」に
多少の違和感を感じております。

昨日の例題において「ご連絡」と「連絡」の「ご」の有無については、
両方あり、片方あり(2種類)、両方なしの4つのパターンがあります。

相手に対して「ご連絡」している佐藤先輩、高橋さんの行為に
「ご」は必要ないとも考えるのですが、いかがでしょうか?

1) ※メルマガで示した文
———————————————-
佐藤に代わり、高橋がご連絡いたします。
先日、佐藤からご連絡しておりました作業ですが、
ただ今、完了いたしました。
———————————————-

2)※高橋「ご」あり 佐藤「ご」なし
———————————————-
佐藤に代わり、高橋がご連絡いたします。
先日、佐藤から連絡しておりました作業ですが、
ただ今、完了いたしました。
———————————————-

3)※高橋「ご」なし 佐藤「ご」あり
———————————————-
佐藤に代わり、高橋が連絡いたします。
先日、佐藤からご連絡しておりました作業ですが、
ただ今、完了いたしました。
———————————————-

4)※高橋「ご」なし 佐藤「ご」なし
———————————————-
佐藤に代わり、高橋が連絡いたします。
先日、佐藤から連絡しておりました作業ですが、
ただ今、完了いたしました。
———————————————-

ご教授のほどよろしくお願いいいたします。
(読者 S.Aさん)
——————————————————————

佐藤先輩に代わり、後輩の高橋さんが
客先にメールを送信する文例です。

VOL.2977では、
客先とやり取りしているのは
後輩の高橋さんです。

メールの送り手:高橋
メールの受け手:客先

したがって、主語は高橋さんで、
この場合使う敬語は
自分をへりくだり、相手を高める謙譲語です。

文を分解していくと……

1行目の
「佐藤に代わり、高橋がご連絡いたします」

・高橋→客先に「連絡する」
・主語は高橋、
・謙譲語「ご~いたす」を使い「ご連絡いたします」

2行目の
「先日、佐藤からご連絡しておりました作業ですが、」
・佐藤→客先に「連絡した」
・ここでの主語は佐藤
・謙譲語「ご~する」+「いる」の過去形「ご連絡しておりました」

2行目の過去の連絡は
佐藤先輩が客先に対して行っていますが
1行目と2行目の主語が変わっても
「連絡する」という行為が向かう先は客先で、
「立てる相手」であることは変わりません。

したがって、
1行目の
「佐藤に代わり、高橋がご連絡いたします」
2行目の
「先日、佐藤からご連絡しておりました作業ですが、」

のいずれも謙譲語の
「ご連絡いたします」
「ご連絡しておりました」
とし、「ご」は必要と考えました。

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