今週は、「ウチ」側・「ソト」側への敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 敬語の使い分け(3)
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「ウチ」の人同士は?

課長に部長の所在を聞かれて答える場合は
どうなるでしょうか。

社内の人を「ウチ」の人
社外の人を「ソト」の人
とした場合

課長も部長も同じ社内の人なので
「ウチ」の人です。

課長に「部長は本社にいません」と伝える場合は

「佐藤部長は本社におりません」

ではなく、「いる」の尊敬語「いらっしゃる」を使い

「佐藤部長は本社にいらっしゃいません」

と課長の上司である部長を立てる言い回しとなります。

では、
部長に課長の所在を聞かれた場合は、どうなるでしょうか。
この場合も

「田中課長は本社におりません」

ではなく、

「田中課長は本社にいらっしゃいません」

とします。
この場合は、自分にとっての上司である課長を立てるために
尊敬語「いらっしゃいます」を用います。

課長の上司が部長だからといって
「課長は本社におりません」
とするのはNGです。

「ウチ」の部長ではなく
「ソト」の部長、つまり、客先の相手に
同じことを伝える場合は

「(課長の)田中は本社におりません。
代わりに、ご用件を(私が)お聞きします」

のように、
「ウチ」の人である田中課長には敬語を使いません。

しかし、
「ソト」の人である客先の部長には
謙譲語の「お~する」を使い
「お聞きする」とへりくだる表現で相手を立てます。

「ソト」の人に対して
「ウチ」の人のことを伝える場合に敬語を用いますが

「ウチ」の人同士でも
上下関係に合わせて敬語を用います。

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今週は、「ウチ」側・「ソト」側への敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法          < 敬語の使い分け(2)
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                    「ソト」の人の行為に謙譲語?

敬語を使うときは
客先など、社外の相手=「ソト」の人
同じ会社内の人   =「ウチ」の人
と分けて考え

誰を「立てる」かを見極めたうえで
敬語を使い分けましょう
と、前回述べました。

混同しやすい間違いが
客先などの「ソト」の人の行為に「謙譲語」を使ってしまうパターンです。

「ソト」の人を立てるときに使うのは
「ソト」の人が主語となる「尊敬語」。

しかし、自分を主語にして、へりくだって相手を立てる「謙譲語」
を使ってしまう混同が見られます。

例えば、
「ソト」の人に対して
「営業担当者に聞いてください」と伝えるときは

「営業担当者にお聞き(になって)ください」や
「営業担当者にお尋ねください」

のように尊敬語「お~になる」「お~する」を用います。

「営業担当者にうかがってください」と
「聞く」の謙譲語「うかがう」を使うのは間違いです。

「ソト」の人に対して、「ウチ」の人が「聞いた」という場合は

「弊社の営業担当が御社でうかがったと申しております」

のように、主語は「ウチ」の人である営業担当者ですから、
「聞く」の謙譲語「うかがう」、「言う」の謙譲義「申す」
を用います。

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今週は、「ウチ」側・「ソト」側への敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法           < 敬語の使い分け
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「ソト」対「ウチ

敬語を使うときは
誰を「立てる」かによって
使い方が変わります。

客先など、社外の相手=「ソト」の人
同じ会社内の上司など=「ウチ」の人
と分けて考えてみましょう。

例えば
「本部長が言っていた」と
社内の他の社員に伝えるときは

「ウチ」の人同士のやりとりなので
立てる相手は「本部長」となり

高橋本部長おっしゃっていました」

と「言う」の尊敬語「おっしゃる」を使います。

しかし、
客先に対して、自社の「本部長が言っていた」と
伝えるときは

客先が「ソト」で
本部長は「ウチ」の人となるので

「本部長の高橋が申しておりました」

と、立てるのは客先となり、
「言う」の謙譲語「申す」を用います。

たとえ、自分の上司であっても
「ソト」の人である客先に対しては
「ウチ」の人になので、敬語は使いません

したがって
「ソト」の人に対して
「(弊社の)高橋本部長がおっしゃっていました」
とするのは
「ウチ」の人を立てた敬語となるのでNGです。

このように
「ソト」に対して、誰が「ウチ」になるかを
見極めたうえで敬語を使い分ける必要があります。

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今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 気になる敬語(4)
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                  「書籍を出させていただけないか

「出版社の佐藤さんにご相談させていただき、
書籍を出させていただけないかと企画を持ち込みました

上記の一文でまず、気になるのは
「させていただきます」の使い方です。

相談相手である佐藤さんを“立てる”ために
「相談する」「書籍を出す」という言葉に謙譲語を使い
「相談させていただく」「書籍を出せていただく」と
していますが、

一文に2度も「させていただく」が使われていて、
スッキリしません。

それに
「書籍を出させていただけないかと企画を持ち込みました」
という言い回しも丁寧な言葉とそうでない言葉が混在して
まとまりがありません。

上記の文で伝えたいのは
「出版社の佐藤さんに相談し、
本を出版してもらえるように企画を提案した」
ということです。

意図が伝わるように書き換えてみましょう。

「出版社の佐藤さんに相談し
書籍の出版を検討していただくための企画を提案しました

相談したのは自分(書き手)
企画を提案したのも自分なので
敬語を使う必要はありません。

この一文で敬語を使って
“立てる”対象は
佐藤さん(および、佐藤さんが所属する出版社)なので
出版を「検討してもらう」を「検討していただく」としました。

伝えたいことを最初にストレートに書いてから
敬意を示す対象がどこかを整理し
敬語に置き換える方が文意は伝わりやすくなります。

書きながら敬語を当てはめていくより
ひと手間かけて
文を整えるようにするといいですね。

▼この記事が「まぐまぐニュース」に紹介されました。

 

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今週は、注意したい敬語の使い方についてです。
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 仕 事 ‎の メ ー ル 作 法             < 気になる敬語(3)
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                     「お間違えないでしょうか?

「先生の発言について
 私は△△と解釈しましたが、お間違えないでしょうか?

ネット上で相手(=先生)が発言した内容について
自分(=私)は△△と解釈したが、
それで間違っていませんか?
と相手に問うているのが上記の一文です。

気になるのは最後の
「お間違えないでしょうか?」
の箇所。

「私の解釈は間違っていませんか?」
と相手に確認しているのに

「間違える」という自分の行為に
尊敬の接頭語「お」を付けてしまっています。

相手の間違いを確認するのであれば
「○○を△△とお間違えではないでしょうか?」
「○○を△△とお間違えではありませんか?」
という尋ね方をしますが

冒頭の文例の場合は、相手ではなく
自分の解釈が間違ってないかどうかの確認です。

したがって
尊敬の「お」は使わず
「間違いないでしょうか?」
とするのが適切です。

「先生の発言について
 私は△△と解釈しましたが、間違いないでしょうか?

この例のように
相手に対する敬意から
本来は自分の行為や動作に
敬語を使ってしまわないように
注意しましょう。

▼この記事が「まぐまぐニュース」に紹介されました。

 

 

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                      「お写真を拝見されて」


 「背景が変わっていることに
  お写真を拝見されて、気づかれましたか?」

 上記の一文は

 ネットにアップしている自分のプロフィール写真の
 背景が変わっていることに気づきましたか?

 と書き手が読み手に問うている文です。

 気になるのは
 「お写真を拝見されて」
 の箇所。

 書き手が読み手に対して敬語を使うつもりが
 尊敬語と謙譲語を混同して
 おかしな敬語になってしまっています。

 「(プロフィール)写真を見た」のは、読み手
 つまり、相手です。

 したがって
 相手の行為に使う敬語は
 尊敬語。

 「見る」の尊敬語は
 「ご覧になる」
 あるいは「見られる」です。

 しかし、上記の一文では
 「見る」の謙譲語「拝見する」を
 相手に対して使っています。

 さらには
 自分の写真のことなのに
 尊敬の接頭語「お」を付け
 「お写真」となっています。

 では、
 「お写真」→「写真」
 「拝見されて」→「ご覧になって」
 と直してみましょう。

 「背景が変わっていることに
  写真をご覧になって、気づかれましたか?」

 より伝わりやすくするために
 文の順番を変えて整えると……

 「写真をご覧になって、
  背景が変わっていることに気づかれましたか?」

 のようになります。
 (最後の箇所は「お気づきになりましたか?」にしてもよいでしょう)

 今回、取り上げた文例のように
 敬語を使う相手と行為を取り違え
 自分を主語とする「謙譲語」と
 相手を主語とする「尊敬語」が
 入れ替わっている間違いを見かけます。

 敬語を使い分けるときは
 その行為の主語は誰か
 を確認してみましょう。

▼この記事が「まぐまぐ:ニュース」に取り上げられました。

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