今週は、二重敬語と敬語連結について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法              < 敬語の問題
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          「ご覧になっていただきました」についてお詫びと訂正

9月19日に配信した
「ご覧になっていただきました」< 気になる敬語 >VOL.2939

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「ご覧になっていただく」は、
「見る」の尊敬語「ご覧になる」に謙譲語「いただく」が付き、
敬語がミックスされています。

伝えようとしているのは、
「来場者に展示を見てもらった」
ということです。

展示会の主催者側である自分たちを主語にするのであれば、
自分たちをへりくだり、相手を立てる謙譲語を使い
—————————————-
ご来場の皆様に展示を見ていただきました。
—————————————-
とします。
———————————————————-

と書いたところ、読者の方から

———————————————————-
「ご覧になっていただきました」は
「尊敬語+謙譲語」であっても問題のない言い方とされています。
下記の資料でご確認ください。

文化庁「敬語の指針」(文化審議会答申)

30ページ (3) 「敬語連結」とその適否
【許容される敬語連結の例】として
「お読みになっていただく」という言い方について解説されています。
—————————————————————*-
という指摘を頂きました。

「敬語の指針」には、
——————————————————————–
「お読みになっていただく」は、
「読んでもらう」の「読む」を尊敬語に、「もらう」を謙譲語Iにしたもの。
尊敬語と謙譲語Iの連結であるが、
立てる対象が一致しているので、意味的に不合理はなく、許容される。
——————————————————————–
とあります。

「~なっていただく」は二重敬語では?
と思い、VOL.2939のメールマガジンでもそう書いたのですが、
二重敬語ではなく「敬語連結」の間違いでした。

間違いをお詫びし、訂正いたします。

「敬語連結」について、私自身が十分に理解していなかったので、
今週は二重敬語と敬語連結について取りあげたいと思います。

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今週は、気になる敬語の使い方を取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 気になる敬語
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                   「ご覧になっていただきました」

——————————–
ご来場いただいた皆様に
展示をご覧になっていただきました。
——————————–

上記の文で気になるのは
「ご覧になっていただく」
という言い回しです。

「ご覧になっていただく」は、
「見る」の尊敬語「ご覧になる」に謙譲語「いただく」が付き、
敬語がミックスされています。

伝えようとしているのは、
「来場者に展示を見てもらった」
ということです。

展示会の主催者側である自分たちを主語にするのであれば、
自分たちをへりくだり、相手を立てる謙譲語を使い
—————————————-
ご来場の皆様に展示を見ていただきました。
—————————————-
とします。

「ご来場いただいた」の後、「見ていただきました」と
「いただく」が続くので、「ご来場の皆様に」としていますが、

この場合の主語は(例文には書いていませんが)
「主催者である私たち」です。

一方、相手、この場合は「来場者」が主語になる場合は
「見る」の尊敬語「ご覧になる」を用い、
———————————————–
ご来場いただいた皆様は展示をご覧になりました。
———————————————–
とします。

このように、
相手を主語にする場合は尊敬語「ご覧になる」
自分や自社を主語にする場合は「見ていただく」
と文が変わるので注意が必要です。

※上記は、二重敬語ではなく「敬語連結」の間違いでした。
 「ご覧になっていただきました」についてお詫びと訂正< 敬語の問題 >VOL.2953
 にて説明していますので、ご覧ください。

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【しごび】 の お 知 ら せ
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まぐまぐニュースに過去のメルマガ記事が紹介されました。

使い分けに注意が必要な言葉について取りあげています。

▼代金 or 料金? 紛らわしくてイライラする漢字の使い分け3選

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今週は、使い方が気になる敬語を取り上げます。
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 仕 事 ‎の メ ー ル 作 法             < 気になる敬語(4)>
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                                                            「有難う御座います」という表記

今週は、日ごろ気になる敬語について取りあげてきました。

読者の方から質問がありましたので、紹介します。

<読者からの質問>————————————————

最近の『気になるシリーズ』で取り上げていただきたい
テーマがございます。

『有難う御座います』
『申し訳御座いません』

といった表記についてです。

その他にも
『宜しくお願い致します』
『何卒』など、
何でも漢字変換する方がいますが、

手紙で毛筆で記載するのであればまだしも
メールという比較的簡易的なツールでの
こうした記載に違和感を覚えておりますが、
いかがでしょうか。
(読者 Oさん)
—————————————————————–

パソコンの漢字変換をそのまま使ってしまう
という人は一定数います。

それが習慣になっている
表記に特に頓着しない
社内で表記が統一されている……
など、理由はさまざま。

漢字表記の方が威厳がある
ように見えたりもします。

個人の好みと言ってしまえば、それまでですが、
メールの場合、文章に占める漢字の比率が高まるほど
文字が詰まって見えるだけでなく
漢字表記が多いほど、文章も堅苦しい印象を与えます。

Oさんが違和感を覚えるのも
そういった点ではないでしょうか。

当メールマガジンでは
使用頻度の高い表記ほど、意識して
仮名書きにすることをお勧めしています。

Oさんが質問で挙げている言葉はいずれも
日常的によく使うものなので、
下記のように漢字をひらいて表記する方が
読みやすくなると思います。

有難う御座います   → ありがとうございます
申し訳御座いません  → 申し訳ございません
宜しくお願い致します → よろしくお願いいたします
何卒         → 何とぞ

わたしは、メールで使用頻度の高い
「ありがとうございます」と
「よろしくお願いいたします」は、
この表記で辞書登録しています。

漢字表記で丁寧さや敬意が強まるというわけではないので
全体の文面を見て、漢字比率が多いと感じる場合は
調整すると、見た目にも読みやすくなります。

メールの漢字表記を仮名に開くと
文章の印象がどのように変わるかを紹介した
バックナンバーもありますので、参考になさってください。

▼仮名に開く < 漢字表記を読みやすく >VOL.2881

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【しごび】 の お す す め
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今週は、使い方が気になる敬語を取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 気になる敬語(3)
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「使用されてください」

今週は、日ごろ気になる敬語について取りあげています。

————————————
この項目は外して使用されてください。
————————————

「する」の尊敬語「される」を使ったのが
上記の「使用されてください」と思われます。

しかし、この場合
「される」ではなく「なさる」を使い
「使用なさってください」
とするのが適切です。

————————————
この項目は外して使用なさってください。
————————————

「する」をことさら敬語に変換しなくても
「使用してください」
「ご使用ください」
でも意味は通り、相手に失礼にもなりません。

同様に
「注意されてください」
という言い回しも

「注意なさってください」
「注意してください」
「ご注意ください」
とするのが適切です。

記事全文を読む

今週は、使い方が気になる敬語を取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 気になる敬語(2)
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「やらせていただいています」

今週は、日ごろ気になる敬語について取りあげています。

————————————————
昨年から社内で広報紙をやらせていただいています。
————————————————

「やる」という言葉は
日常会話でもよく使われますが、
「する」よりも俗でくだけた表現です。

「やる」を謙譲語に変換して
「やらせていただく」としても
敬語としてはちぐはぐな感じがします。

しかし、「する」を「させていただく」に変換しても
この場合、広報紙を担当することは
相手の許可を得てすることではないので
「広報紙をさせて~」という言い回しも
適切ではありません。

上記の文例を書き換えると……
————————————————
昨年から社内で広報紙の制作を担当しております。
————————————————

「担当しております」は「担当しています」でも
よいでしょう。

「広報紙をやっている」ではなく
口頭でも、メールで書く場合でも
「広報紙を担当している」
とする方がきりっとした言い回しになります。

そのほかにも
————————————————–
今日は主題歌をやらせていただいた映画の公開日です。
————————————————–
という文例も

—————————————-
今日は主題歌を担当した映画の公開日です。
—————————————-
とする方が適切です。

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今週は、相手がカチンとこない言い回し、依頼編です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 角の立たない言い回し(2)
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大事なのは「お願いする」姿勢

今週は「依頼する」場合の
角の立たない言い回しを紹介しています。

依頼の際は、命令調から問いかけに
「~してください」⇒「~していただけますか」
と変換することを前回述べました。

このほかに
「~してください」⇒「~をお願いします」
と変換する方法もあります。

例)
30日までに返信してください。

30日までに返信をお願いします。

打ち合わせの日程を変更してください。

打ち合わせの日程変更をお願いします。

※丁寧に書く場合は「お願いいたします」。

※文の前に「大変申し訳ないのですが、」を添えると
より丁寧な印象に。

特に、社外や目上の相手に
こちらの都合で変更を依頼するような場合は
事務的に「~してください」と処理せず
「~をお願いします」という言い回しを用いることを
お勧めします。

すでに決まっている予定を
変えてもらう手間を相手にかけるからです。

相手の時間や手間をかける可能性のある頼みごとは
聞き入れてもらって当たり前なのではなく
相手から時間や労力を奪っていることも念頭に置き
「お願いする」という姿勢を持ちましょう。

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【しごび】 の お 知 ら せ
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「まぐまぐ!ニュース」でこの記事が取り上げられました。

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