今週は、読者からの質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(2)
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                           くだけた文章

<読者からの質問>————————————————

メールに口語、俗語をどの程度含めてよいものでしょうか。
私は「○○ッつー話<という話>を聞いたけど、どうヨ」などと
若い女性に書いて、自分では喜んでいるのですが。

同様に、件名の特定もどの程度までが適当と思いますか?
例えば「この間話に出た本のこと」とするか、
「書籍発行計画(○年○月○日AA社BBさんご提案)の件」とするか。
後者の方が良いにきまっているけれど、いつもこれでは大仰で…。

(読者 K.I さん)
——————————————————————

メールのやりとりが頻繁であったり気心の知れた相手であれば、四角四面
な硬い文章より、多少は口語調の文章が入るのはよいのではないかと個人
的には思っています。

相手が客先の場合でも、基本的に丁寧語は使いますが、用件の終わりに
「今日のブログ、いつにも増して良い内容でしたね」とか
「体調は回復されましたか」といった相手を気遣う一文を意識的に添える
ようにしています。

書かなくても良いことではありますが、その一文を添えることで、直接対
面しない相手との人間関係を円滑にする助けになると思うからです。

件名も同様で、上記の例にある「この間話に出た本のこと」という件名で
通用する相手には、敢えてそうした件名でメールを送ることもあります。
例えば、その話が出た直後に出すメールや、電話でその用件について話し
た後、補足的にメールを送るような場合です。

▼ 相手に受け入れられる境界線を知る
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
懇意な客先の場合、常にかしこまった硬い文章のメールだと、却ってよそ
よそしいとか、打ち解けてないという印象をもたれることもあるので、そ
のときどきの状況に合わせ、相手がニコッとしてくれる程度のくだけた文
章や親しみを込めた表現は使っています。

逆に、自分の中で禁止しているのは、親しい間柄でも客先や仕事関係のメ
ールの文章は「です、ます」調で統一し、顔文字の類は使わないと決めて
います。

口語や俗語の使用も、件名の表現も、過ぎたるは及ばざるが如しですが、
相手との間柄から自分で「ここまでなら許容範囲」という線引きをし、
上手に活用すればよいのではないでしょうか。

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今週は、読者からの質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問
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ご便利

<読者からの質問>————————————————

「お」「ご」の事ですが、日ごろ電車のアナウンスできになっていること
があります。

「○○へは前の階段がご便利です。」

正しいのかなァ・・・と疑問です。「便利」は動作では無いから変に感
じたのでしょうか。「ご利用が便利です」なら良いと思うのです。
なにを調べたら解決するのかもわからず、悶々と毎日地下鉄を利用して
います。
(読者 M.C さん)
——————————————————————

国の文化審議会「敬語の指針」によれば、

「お」と「ご」を付けて敬語にする場合の「お」と「ご」の使い分けは
「お+和語」「ご(御)+漢語」が原則である

とあります(和語は漢字の訓読みに相当し、漢語は音読みに相当)。
この理屈でいうと「便利」は漢語にあたり、「ご便利」ということになり
ます。

しかし、上記の使い分けはあくまで原則。

美化語の「お料理」「お化粧」のように「お」が好まれるものや、尊敬語
の「お加減」「お元気」のように「お+漢語」のように変則的な使い方を
するものもあります。語によっては「お」「ご」がなじまないものもある
わけです。

この「ご便利」も実際に使われている例は多くあるのですが、言葉として
は読者のM.C さんが疑問に思ったように、言葉としてしっくりこない気が
します。

言い換えるとすれば

「○○へは前の階段をご利用になると便利です」

と名詞の「便利」を敬語にするより、「ご利用になる」という動詞の尊敬
語を持ってくるほうが収まりがよいように思います。

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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 読者からの質問(5)
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メールの開封確認

<読者からの質問>————————————————

“開封確認”の使用用途、マナーに関する質問です。

お取引先の営業パーソンから届くメールに、開封確認の設定がされている
ものがあります。
社内の場合でしたら、確認の請求は不自然に感じないのですが、社外から
のメールには違和感がありました。

社外へのメールに開封確認をするのは、メール作法としてはいかがなもの
なのでしょうか?
(読者 古賀さん)
——————————————————————

メールが普及し始めた当初は、この「開封確認」は今よりも多く行われてい
たと記憶します。

しかし、現在のように伝達ツールとしてメールが普及・浸透してからは、一
日にやりとりするメールの数も激増し、メールの「開封確認」を要求する行
為はそれほど必要なくなってきているように感じます。

メールを開封すると、いちいち開封確認が表示されるのは目障りでもあり、
返信を相手に強要するという印象を与えるので、却って対人関係にマイナス
に働くこともあるように感じます。

企業の中には、問い合わせや見積依頼のメールには一時間以内の返信をルー
ル化しているところもあり、メールの返信のスピードも上がっています。

よほど確実な返信を求める場合を除いて、通常のビジネスメールのやりとり
に「開封確認」の設定は必要ないのではないでしょうか。

開封確認要求の送信やそれに対する応答を無効にする設定もあるようです。
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/508oedispos/oedispos.html

相手が意識していないのに、PCが「開封確認」の表示が出る設定になってい
る場合も考えられますので、ひとこと
「メールの開封確認の設定は、お互いのメール・アドレス情報が必要以上に
やりとりされることになり、セキュリティの面で不安があります。
もし、差し支えなければ、開封確認の設定を解除していただくわけには
いかないでしょうか」
と打診してみるのもひとつの方法です。

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仕 事  の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(4)
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「こんばんは」の表記

<読者からの質問>————————————————

一日の挨拶で朝は「おはよう」昼は「こんにちは」
晩は「こんばんは」と言います。

この「こんにちは」と「こんばんは」の『は』について、
「こんにちは」の『は』は確かに『は』だと思いますが、
「こんばんは」の『は』は『わ』でもよいのではないかと思いますが、
いかがでしょうか?

(中略)

あらためて「こんばん*は*」と「こんばん*わ*」を比べてみても、
発音が同じで見た目だけの違いだけなので、どちらでもいいような
気もしますが、何か決まりでもあるのでしょうか。

(読者 亜麻乃 時夜句さん)
——————————————————————

「は」か「わ」か。
使い慣れた言葉ほど、ふと疑問に思うことがありますね。
そこで、調べてみました。

内閣告示・内閣訓令による「現代仮名遣い」の表記の基準というのがあり、
表記の慣習による特例として「助詞の『は』は,『は』と書く」文例に

こんにちは  こんばんは

が出ています。

本来、「今日は~」「今晩は~」と、後に文が続いていたものが省略され
「こんにちは」「こんばんは」と言われるようになったのが語源とか。

従って、もともと助詞として使われていた「は」であると理解すれば、
迷うことがなくなります。

とはいえ、1986(昭和61)年に内閣から新しい現代語仮名遣いが告示され
るまでは「こんにちわ」「こんばんわ」が正しい表記とされていたとのこ
と。ですから、年代によっては「は」ではなく「わ」が正しいと習い、使っ
ていた人たちもいるわけです。

どちらが正しいというより、現代の表記の基準は「こんにちは」「こんば
んは」であると覚えておくとよいのでしょうか。

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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 読者からの質問(3)
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「係」宛てのメール

新たに呼称について質問がありました。

<読者からの質問>————————————————

「 ●●株式会社 ○○係 」

とする場合、これもやはり「御中」でしょうか。あるいは「様」?
「係」は・・・・係の人なんだから、係だけで終わってもいいように
思ったり・・・・
(読者 Y.O 様)
——————————————————————

上記の質問には「実はメールではなくハガキで悩む場合が多いのですが…」
と書き添えてありました。

会社で言えば、新卒採用係とか庶務係など、学校では証明書発行係など、
「係」宛てのメールや手紙を出す機会があるものです。
懸賞でも「○○プレゼント係」「△△クイズ係」といった宛先が多いです
よね。

このような○○係宛てにメールや手紙を送るときも、団体を指しますので
「御中」を使います。
総務部とか教務課といった部署に宛てる場合も「御中」です。

たまに見かけるのが、「総務課宛てにメール(資料)を送ってください」
という一文を見て、「総務課 宛(て)」とそのまま書いて送信または郵
送しているケース。

このような場合も「総務課 御中」と書くか、担当者が分かっている場合は
「総務課 ○○様」と表記するのが適切です。

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                         役職のあとの「様」

こちらも呼称についてです。

<読者からの質問>————————————————

うちの職場内では、「様」をつけすぎていつも違和感を感じるのですが、
皆におかしいと気づいてもらえるなんらかの方法はないでしょうか。
役職のあとに「様」をつけてメールが送られてくるのです。

「○○課長補佐 様」とか「△△主査 様」とか。
なんだか「○○さまさま」と言っているみたいで、少々馬鹿にされた
気分になるのですが。

どうやったら、これはおかしい、と気づいてもらえるんでしょうか。
これはおかしいと分かっている人までが、周りに右へならえして
「△△主査 様」で送ってきます。困ったものです
(読者 I.U 様)
——————————————————————

職場内でのこうした傾向は、確かに困りますよね。
少人数の職場ならともかく、組織が大きくなると全員の意思統一を図るの
は難しいことでしょう。

もしI.Uさんが、部下や後輩に指導できる立場におられるのでしたら
「社内でのメールや通達の宛名では、役職名が敬称の役割をするから
『様』は不要」
ということを口頭や書いて示してあげると良いのではないでしょうか。
時間はかかると思いますが、地道に教えていけば浸透すると思います。

もしくは、職場内で「メールや通達の基本書式を作りませんか」と提案し、
ルールを決めるのも一つの方法です。
これも手はかかりますが、基本となるルールを決めてしまえば、書き方の
統一もできますし、職場にとってもメリットがあると思います。

以上、二つの方法は時間と労力を要しますが、一番手っ取り早くできるの
は、自分は他に倣わず、社内のメールや文書の宛て名は役職名の後に「様」
をつけない書き方を通すことかもしれません。

そうして、職場のどなたかに質問されたとき、「様」が不要な理由を教え
てさしあげれば、少しずつ理解も広まるのではないでしょうか。

※バックナンバー< 適切な呼称 >の関連記事はこちら

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