今週は、ぼかし言葉やバイト語についての考察です。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法               < 今どきの言葉
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                       ぼかし言葉とバイト語

自分でいけない、いけないと思いつつ、つい使ってしまう言葉に
「わたし的には」「話とかしてました」「というか、~みたいな」などが
あります。

若者の会話に登場するこれらの言葉、四十を過ぎたおばちゃんの私も、
つい若者ぶって使いたくなってしまうのです。

書き言葉では使わないように注意していますが、会話となるとタガが外れ
てしまい、仲間内でのおしゃべりでつい使っていることが多くあります。

「わたし的には」「会社的には」の「的」は、本来「わたしは」「会社と
しては」と表現していましたが、断定せずあいまいにぼやかす「~的」の
ような表現が増え、これらを総称してぼかし言葉といいます。

「話とかしてました」の「とか」、「というか、~みたいな」などもぼか
し言葉です。

▼ 本来の意味を知りる、使い分ける
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

似たような言葉としては「ご注文のほうはこれでよろしかったでしょうか」
など、ファーストフード店やファミリーレストランで多用される違和感を
覚える敬語の類があります。「バイト語」とか「バイト敬語」といわれま
す。

ぼかし言葉やバイト語というのは、よいとか悪いという前にすでに社会に
蔓延している感もあります。口をつくのも否めません。

ですが、本来の言い方を知っておいて損はないはず。大事なのは、その場
で使うのが適切かどうか判断し、使い分けることだと思うのです。

特にビジネスの場ではぼかし言葉やバイト語を使うと、誤解を生んだり
印象を悪くすることもなきにしもあらず。

今週はそんな「今どきの言葉」について取り上げていきたいと思います。

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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 間違いやすい慣用句(5)
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慣用句のトリビア

<間違いやすい慣用句>シリーズの最終回は、意外に知らない本来の意味
など、豆知識としてご紹介します。

▼漢字の取り違い

悪が強い性格 ⇒ あくが強い性格
「あく」とは、しぶとさ、しつこさを意味する

右へ習え ⇒ 右へ倣え
「習う」は教わる、「倣う」はまねるの意

▼意味の取り違い

里帰り
もともとは、嫁いだあと、初めて実家に帰る儀式を指していた言葉。
現在はそこまで形式ばらず、一時的に実家に帰る場合に使われます。
「国外に流出していた北斎の浮世絵が○○美術館に里帰りした」というの
は「一時的」に戻ることではないので、表現としては不適切。

本家帰り
正しくは「本卦還り」。還暦のことで、十干十二支が60年で一回りし、
生まれた年の干支に戻ることを指します。

還暦
数え年61歳の異称。再び生まれ年の干支に戻るという意味。
満60歳の誕生日に迎えるものではないので、「9月に還暦を迎えた」とは
言わず、「父は今年、還暦です」と表現するのが適切。

元旦
元旦の「旦」は、夜明け、朝という意味で、元旦とは元日の朝を指す。
「元旦の夜」とは言わない。

※参考「朝日新聞の用語の手引」

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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 間違いやすい慣用句(4)
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微妙な違いの語

押しも押されぬ

けんけんがくがく

上記の慣用句、うっかり使っていませんか? 正しくは次のように書きます。

押しも押されもせぬ

けんけんごうごう(喧喧囂囂) または
かんかんがくがく(侃々諤々)

「押しも押されもせぬ」は、争う余地のない、ゆるぎない、れっきとした
という意味。   例)押しも押されもせぬ人気

けんけんがくがくは「けんけんごうごう(=口やかましく言い立てる)」
と「かんかんがくがく(=正論をはいて屈しない)」が混用されたもの
です。

▼ 気づかぬまま使ってませんか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
次の慣用句も取り違えしやすいです。

おぜん立てがそろう ⇒ おぜん立てをする

満面に笑顔を浮かべた ⇒ 満面に笑みを浮かべた

もうすぐ敬老の日ですが、次の慣用句も注意しましょう。

寄る年には勝てぬ ⇒ 寄る年波には勝てぬ

老体にむち打つ ⇒ 老骨にむち打つ

微妙な違いでうっかり見過ごしやすい言葉をピックアップしてみました。

※参考「朝日新聞の用語の手引」

 
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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 間違いやすい慣用句(3)
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似て非なる用語

混同しやすい慣用句に次のようなものがあります。

いやが上にも

いやが応でも

意味の区別としては・・・

いやが上にも = ますます、いっそう
※もとは「弥が上にも」と表記

例)いやが上にも人気が高まっています。

いやが応でも = 有無を言わせず
「いや応なく」も同じ意味です。
※もとは「否が応でも」と表記

例)否が応でも要請があります。

もともと、違う漢字で表現された言葉だったのですね。

▼ 「異存」と「異議」の違い
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
漢字で混同しやすいのが
「異存」と「異議」です。

異存 = まだ心の中に「考え」がある状態
例)おっしゃることに異存はありません

異議 = 心の中にあった「考え」を発表した
例)会議で異議は出なかった
その発言に異議なし

「会議で異存は出なかった」というのは誤った使い方になります。

※参考 朝日新聞の用語の手引

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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法       < 間違いやすい慣用句(2)
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その他の誤用

昨日に引き続き、文化庁発表の2006年度「国語に関する世論調査」から、
慣用句などの誤用の実態調査にあった事例を紹介します。

次の例文に使われている慣用句の意味、あなたはどちらだと思いますか?

1)「その人は気が置けない人ですね。」の「気が置けない」
A)相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと
B)相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと

2)「彼はやおら立ち上がった」の「やおら」
A)急に、いきなり
B)ゆっくりと

本来の意味は

1)気が置けない = A)相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと

2)やおら = B)ゆっくりと

です。

調査の結果では、
「気が置けない」は48.2%の人が反対の意味のほうを(本来の意味で捉え
ていた人は 42.4%)、
「やおら」の意味も43.7%の人が反対のほうの意味(本来の意味で捉えて
いた人は 40.5%)で理解していたという数値が出ており、取り違えてい
た人がいずれの場合も若干多くなっています。

▼ 知っておいていい“本来の意味”
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
昨日、今日と例に挙げた慣用句は、日常生活、特にメールなどの書き言葉
で使うことは、実際のところあまりありません。

言葉は生き物、時代とともに意味や解釈も変わっていくという意見もあり
ますが、“本来の意味”は知っておいて損はないとも思います。

私自身もそうでしたが、意味を取り違えて使っていても、
「あれ? 本当はこういう意味なのか」と気づくきっかけがあれば、
言葉を見直し、意味を改めて調べることで語彙を増やすことができるので
はないでしょうか。言葉ってそうやって蓄積していくものように思います。

※参考 文化庁 平成18年度「国語に関する世論調査」の結果について
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h18/kekka.html

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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 間違いやすい慣用句
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                            誤用の実態

9月7日に文化庁から発表された2006年度「国語に関する世論調査」。
8日の新聞各紙で報道されていたので、目にしたかたも多いのではないで
しょうか。

今回の調査では、慣用句などの誤用の実態調査も報じられていました。
私も誤って使っていた慣用句があり、軽くショックを受けました。
その慣用句とは…

「役不足」「流れに掉さす」「ぞっとしない」の三つです。

次の例文に使われている慣用句の意味、あなたはどちらだと思いますか?

1)「彼には役不足の仕事だ」
A)本人の力量に対して役目が重すぎること
B)本人の力量に対して役目が軽すぎること

2)「その発言は流れに棹さすものだ」
A)傾向に逆らって,勢いを失わせる行為をすること
B)傾向に乗って、勢いを増す行為をすること

3)「今の映画は、余りぞっとしないものだった」
A)面白くない
B)恐ろしくない

▼ 感覚で捉えず調べて意味を知る
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
正しい使い方は

1)役不足 = B)本人の力量に対して役目が軽すぎること
2)流れに棹さす = B)傾向に乗って、勢いを増す行為をすること
3)ぞっとしない = A)面白くない

上記の三つの慣用句の意味を、私は完全に取り違えていました。

謙遜したつもりで「今回のご依頼は、私には役不足です」と発言し、
「流れに掉さすようなことはしないほうがいいでしょう」と止めに入り
「ぞっとしない」にいたっては「ぞっとする」の反対語と思い込んでいま
した。あ~恥ずかしい!

今週は、このように意味を取り違えやすい慣用句について取り上げてみた
いと思います。

※参考 文化庁 平成18年度「国語に関する世論調査」の結果について

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