今週は、読者の方からいただいた質問にお答えします
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(2)
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                           「了解しました」

昨日に引き続き、同じ方からいただいた質問に回答します。

<読者からの質問>————————————————

3)「了解しました」「了承しました」「かしこまりました」の違い

4)「お願い致します」「お願い申し上げます」の違い

(読者 A.Nさん)
——————————————————————

3) いずれも「分かりました」に代わる丁寧な表現ですが
注意が必要なのは「了解しました」です。

当メールマガジンでは
「了解しました」は、目上の人へは使わない
としています。

例えば、上司が部下からの連絡に対して
「了解しました」と返答するのはOKですが

上司からの連絡に部下が返答する場合は
「承知しました」の方が好ましいと考えます。

質問にある「了承しました」は
仕事のやり取りのメールでは
「承知しました」「承りました」
でもよいでしょう。

「かしこまりました」は
目上の人の言葉を謹んで承る、という意味なので
「承知しました」「承りました」よりも
さらに改まった表現です。
客先に対して使うことが多いです。

4) 「お願いいたします」の「いたす」は、「する」の謙譲語。
「お願い申しあげます」の「申しあげる」は、
「言う」の謙譲語ですが、
「申す」よりも一段と謙譲の度合が強い表現です。

通常、メールで目上の相手や客先に対して
敬意を表す表現として、どちらもよく使いますが

一段と敬意を示す(=へりくだる)必要がある相手に使うのが
「お願い申しあげます」
と考えます。

このように、言葉の意味を分解していくと
適切な使い方を判断しやすくなります。

今回も「致します」「申し上げる」は
やわらかい印象を与える平仮名を使っているため、
回答も平仮名表記としました。

 
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今週は、読者の方からいただいた質問にお答えします
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 仕 事 の メ ー ル 作 法               < 読者からの質問
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                         「させていただく」

<読者からの質問>————————————————

私がよく迷う言い回しですが、
どうもどれが正しいのかはっきりしないので、お教え頂けると幸いです。

1)○○の件に関しては確認して、後ほどご連絡させて頂きます。
=> ご連絡の「ご」はもしかして不要?

2)それでは○○とさせて頂きたく、宜しくお願い致します。
=> 少しくどい表現?
「○○させて頂く」という表現は正しいか否か

(読者 A.Nさん)
——————————————————————

1)の場合
「ご~いただく」と、謙譲語が後に続くので
「ご連絡」の「ご」は不要ではありません。

ただ、この場合、
連絡するのは、こちらの都合によるものなので
相手の許可を得て次のアクションを起こす際の表現である
「~させていただく」ではなく
「~する」の謙譲語「~いたします」を使うことをお勧めします。

したがって、1)の文は

「○○の件に関しては確認して、後ほどご連絡いたします

が適切と考えます。

2)の「~させていただく」は
相手に許可や了承を得るのであれば、差し支えない表現ですが

その場合は
「○○とさせていただきたいのですが、よろしいですか(でしょうか)
と相手に問いかけて確認する言い回しの方がよいでしょう。

「させていただきたく」と文をつなげたうえに
「よろしくお願いいたします」と結ぶと
文意としては、相手の意向を聞く格好を取りながら
最終的には「そうさせてもらいますので」という意味合いになります。

この場合、相手の意向を訪ねるのであれば
それでは、○○とさせていただきますが、よろしいですか

自分の意向を伝えるのであれば
それでは、○○にいたします。どうぞ、よろしくお願いします
と文意によって言い回しが変わります。

「○○にいたします」の文は、内容によっては
○○にて進めます」という書き換えもできます。

ちなみに、メールでよく使う言い回しである
「頂く」「宜しく」「致します」は
見た目にやわらかい印象を与えるので
わたしは平仮名で表記しています。
そのため、回答も平仮名表記としました。

 
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今週は、?なメールの敬語事例をもとに解説します。
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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法                    < 敬語レッスン(4)
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おうかがいのことと思います

—————————————————————-
部長から、すでにおうかがいのことと思いますが・・・
—————————————————————-

敬語の間違いに、
尊敬語と謙譲語を取り違えているケースがあります。

上記の文もその一例です。

相手に
「もう聞いていると思いますが…」
という意味合いのことを伝えるはずが

本来「聞く」の謙譲語である「うかがう」を
尊敬語として使っています。

自分が主語の時は
「私はそううかがっていますが…」
と使うことができるのですが

上記の文は、相手が主語となる文ですから
「聞く」の尊敬語「お聞きになる」を
使います。したがって

—————————————————————-
部長から、すでにお聞きになっているかと思いますが・・・
—————————————————————-

とするのが適切です。

同様に
—————————————————————-
部長からうかがっていらっしゃると思いますが・・・
—————————————————————-
という文も、謙譲語を尊敬語として使っているので
下記のように書き換えることができます。

—————————————————————-
部長からお聞きになっていると思いますが・・・
—————————————————————-

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今週は、?なメールの敬語事例をもとに解説します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 敬語レッスン(3)
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お知り合いになった

—————————————————————-
Facebookでお知り合いになったA田さんのお店へ行ってきました。
—————————————————————-

この「お知り合いになった」という言い回し
ネット上でよく見かけます。

これは、
「知り合いになった」相手(この場合は、A田さん)
に対して敬意を表したいという気持ちから

「お知り合いになった」という
敬語を使っています。

しかし、
A田さんと「知り合った」あるいは
「知り合いになった」のは、
自分。

上記の文章では表記されていませんが、
主語は「私」つまり、
A田さんと「知り合った」自分です。

ですから
「お知り合いになった」という尊敬語を
主語である自分に付けていることになります。

敬意の対象は、A田さんのつもりでも
文章では、自分自身に尊敬語を使ってしまっているのです。

このような場合
「知り合いになった」ことに敬語を使う必要はありません。

書き換えるとしたら…

—————————————————————-
Facebookで知り合ったA田さんのお店へうかがいました
—————————————————————-

自分が主語ですから
「知り合った」でよく

敬語を使うとしたら、文末の
「行ってきました」です。

「行ってきた」という自分の行為をへりくだることで
相手に敬意を示す謙譲語を使うのが適切。

「行く」の謙譲語「うかがう」を使う方が
敬語の使い方としてしっくりきます。

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今週は、?なメールの敬語事例をもとに解説します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法          < 敬語レッスン(2)
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「ご許可をいただきたく存じる次第」

—————————————————————-
当アカウントからのフォローのご許可をいただきたく存じる次第です。
—————————————————————-

上記は、SNSのメッセージにあった一文です。

「許可をもらいたいと思います」を
謙譲語に変換すれば、確かに
「ご許可をいただきたく存じる」
となるのですが……

「もらう」の謙譲語は「いただく」
「思う」の謙譲語は「存じる」

ここまで謙譲語を重ねて
時代劇のセリフのような言い回しにする必要があるのでしょうか。

—————————————————————-
当アカウントからのフォローを許可していただけますか
—————————————————————-

もっと簡潔に

——————————-
フォローさせていただけますか

フォローしていいですか
——————————-

という一文で、差し支えないと思うのですが
いかがでしょう?

見知らぬ相手から
「フォローしちゃってもいいですかぁ~」
といったくだけすぎたメッセージが来るのも抵抗がありますが

冒頭のように過剰な敬語のメッセージにも
引いてしまいます。

TPOに合わせた敬語づかいを心がけましょう。

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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 敬語レッスン
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社名や店名の「さん」

————————————————–
広島そごうさんにも○○屋 本店さんがあるそうです。
————————————————–

企業名や店名に美化語の「さん」を付ける風潮があります。
敬意を表す一環ではあるのでしょうが
上記のように「さん」が続くと、いささか滑稽。

「さん」がないからと言って
相手に失礼になるわけではなく

「さん」を付けたからと言って
相手に特別な敬意を示すわけでもありません。

相手が「○○屋」の関係者であれば
「○○屋 本店さん」
という書き方をすることもあるのでしょうが

上記の文例のように
第三者の立場で
社名、店名を挙げるのであれば

————————————————–
広島そごうにも○○屋 本店があるそうです。
————————————————–

として差し支えないと考えます。

ここでの「さん」は
「お店」の「お」や
「ごあいさつ」の「ご」のような
使い方をする美化語です。

相手に対して、少し丁寧な表現をする際に使うものなので
冒頭の文例のように多用する必要はありません。

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