今日は「仕事美人列伝」です。

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 仕 事 美 人 列 伝  < 前衛書家・山本てるみさん
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 毎週木曜日は「仕事美人列伝」と題し、リアルな“仕事美人”をご紹介し
 ます。第4回は、書家の山本てるみさんです。

 ▼ 骨の髄までアナログ派
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 最初っからわかっていたんです。メールやインターネットが苦手だってこ
 とは。

 メールも携帯も彼女からすぐに返答があれば、その日は私のラッキーデイ。
 一発でつながったためしがありません。

 電波や通信回線よりも、紙に一気に書いた筆文字の墨の乾きを気にする女、
 それが書家の山本てるみさんです。

 見事なまでに改行が不揃いのメールと
 時折届くたおやかな美しい文字で綴られたハガキ。
 そのギャップで一人で二度おいしい楽しみを提供してくれます。

 「明日の人間ドックでは美味しくバリウム飲んでみてくださいね!」
 「らっきょうの瓶を誤ってFAX上に引っくり返してしまい、使用不可と
  なりました」

 というまったくフォローの余地のない天然ぼけ100%のメールをよこして
 くるかと思いきや

 定期的に書の講師として通う小学校の書初め大会で、普段は塗り絵さえ先
 生の手を借りなければできない子どもが、大会に向けて書でお手紙を書い
 てくれたというちょっといい話を
 「こんなサプライズは神垣さんにお話ししたくなります」
 と鋼のハートをくすぐるようなメールを送ってくるのです。

 ▼ 読み取ってるな~
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 このメルマガのタイトル、当初は2案用意していました。
 「できる女のメール作法」と「仕事美人のメール術」です。

 タイトル自体は、結局、この2案を合体させた形になりましたが、決定す
 るまで何人かの知り合いにリサーチしたところ「できる女のメール作法」
 のタイトルを選んだのが彼女。その理由は

 「できる女」というポジティブ感にそそられ、「作法」という文字に謙虚
 さを感じるから。

 「できる女」というイケイケ感と、「作法」というきっちり感の対比が面
 白いのでは、という私の意図を汲むかのようなメールをもらい、さすが感
 性の人、読み取ってるな~と感心しました。本人は感じたままを書いてい
 るに過ぎないのでしょうが。彼女への親近感がぐ~っと増したものです。

 ▼ 気持ちを形にする訓練
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 思ったまま、感じたままを5行程度に綴った山本さんのメールには、いつ
 も寄り添いたくなるような体温を感じ、ほっとします。こちらの気持ち
 がとげとげしくなっている時ほど、その効果は絶大。

 時折、気持ちを直撃するはっとするようなメールをよこしてくるのは、心
 に感じたものを自分で消化し、表わす術を書という創作活動を通じて身に
 つけているからなのでしょう。

 メールというのは仕様はみな一緒。文字のみむき出しになった状態の道具
 です。同じゴシック文字で入力される言葉の向こうには、書き手の気持ち
 が透けて見えたりもします。メールでも、飾らない気持ちを素直に伝えら
 れるといいですね。

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┃★今日ご紹介した仕事美人┃
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 前衛書家 山本てるみさん

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┃神垣★チェック!┃
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 ついこの間まで金融機関の会社員だった山本さん。バリバリの正統派仕事
 美人として勤務する傍ら、ずっと書を続けてきた人です。ということは、
 実は私よりずっと「数字が読める女」かも…。私より少しお姉さんの彼女
 ですら、まだ“ぱしり”状態の書の世界。自由と小回りがきく今のうちに、
 面白いことを一緒に仕掛けたいと思っています。

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