今週は、堅苦しい表現の言い換えについてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法 < もっと易しく >
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お役所言葉の不思議
▼ 良く言えば格調高く、悪く言えば仰々しい
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市町村合併により、市勢要覧や町勢要覧も一新されます。仕事を請け負う
ことも多いのですが、お役所から提供される資料や元原稿のほとんどが独
特の言い回し。堅苦しい「お役所ことば」のオンパレードです。
もともと公用文自体が常体(文末が「だ」「である」で終わる文章の書き
方)で書かれているし、法令に基づく業務ということもあり、「供用」
「当該」といった官庁用語も頻繁に出てきます。「前向きに検討する」
「等」といったあいまいな表現、「行う」「実施」「推進」などの定番フ
レーズも得意とするところ。
お役所ことばに堅苦しさを感じるのは、文語や漢語調の表記が多いからで
す。文語とは古い時代の言葉。漢語とは中国起源の字音語(音で読まれる
語)。
文語・漢語調の文章は、良く言えば格調高く、悪く言えば仰々しく威圧的
な印象があります。私自身も、気の張る相手に改まった文章を書くときは、
文語・漢語調の表記をつい使っています。教養が高そうに見えるからです。
▼ 難しいことを易しく伝える方が難しい
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最近では、そんなお役所ことばを改善する動きもあり、自ら改善の手引な
どを作成する自治体も増えてきたようです。要覧の原稿制作でも、お役所
からは「分かりやすく言い換えてください」という指示がありました。
文語・漢語調の表現も部分的にさらっと取り入れれば、文章を引き立てる
スパイスになりますが、多用はケガのもと。命令調になってしまったり、
気取っている、偉そうだと、マイナスの印象を残したのではもともこもあ
りません。
ビジネスメールでも易しく、分かりやすい表現が一番です。難解な言葉を
多用し、言葉で格好つけるより、誰にもわかる平易な言い方で本意を伝え
ることのほうが実は難しいもの。
今週は、堅苦しいお役所ことばに喝を入れ、易しく言い換えてみましょう。
余談ですが…
【ニュースに見る「お役所の不思議」】 というメールマガジンをご存知
ですか? 今日のサブタイトルに似てなくもありませんが、こちらは、時
事ニュースからお役所の納得できない不思議な対応をメッタ斬り。お役所
ことばには触れてませんが、【しごび】の次にタメになります。