今週は“気になる言葉”をピックアップしてご紹介します。
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 仕 事 ‎の メ ー ル 作 法             < 気になる言葉(3)
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                         「あげる」「やる」

(例文-1)
これ以上、部下に助言してあげられません。
これ以上、部下に助言してやれません。

(例文-2)
観葉植物に水をあげました。
観葉植物に水をやりました。

あなたは上記の二つの例文のうち、それぞれ上の表現と下の表現では
どちらがしっくりきますか?

ここで押さえておきたいのが「あげる」と「やる」の違いです。
「あげる」はもともと、目下の者から目上の相手に何か与えるときに
使われていた謙譲語で、相手への敬意を表す言葉です。

それに対して、目上の者から目下の相手に物を与えるときに使うのが
「やる」です。

そうすると、上記の(例文-1)が上司の言葉であれば
「これ以上、部下に助言してやれません」になります。

(例文-2)で「あげる」を使うと、
人が観葉植物に敬意を表すことになるので、
本来は「観葉植物に水をやりました」になります。

ただ、「観葉植物に水をあげる」や「ペットにえさをあげる」に使われる
「あげる」は敬意を表す言葉ではなく、
美化語として使われる傾向にあります。

ですから、「あげる」を敬意を表す言葉(謙譲語)として捉えるか、
「やる」を丁寧に言い換えた美化語として捉えるか、
でその一文に対する感じ方が変わってきます。

個人的には、自分の子どもや動植物に「あげる」を使うことに
抵抗があるので、話すときも書くときも使わないようにしています。

けれど、一般的には美化語として使われているケースが増えているため、
場合によっては受け入れることも必要と感じています。

 
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