今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問(2)
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いただきまして? くださいまして?

今回の質問は、
同じ思いを抱かれているかたが多いのではないでしょうか。
2回に分けてそれぞれ解答します。

<読者からの質問>—————————————-

尊敬語の使い方で、お客様がする行為の表現で、どれが適切で、
皆さんはどのように使い分けていらっしゃるのか
教えていただければと思いメールをお送りした次第です。

1)例えば、お客様にサービスをご紹介するときの使い分け。

A: ご覧いただけます。
お召しあがりいただけます。
お使いいただけます。
お選びいただけます。

B: ご覧になれます。
お召しあがりになれます。
お使いになれます。
お選びになれます。

2) お礼をする前の動作に対する敬語

A’: ご予約いただきまして、ありがとうございます。

B’: ご予約くださいまして、ありがとうございます。

下記(※ 辞書にあった補助動詞「いただく」の解説)より、
“頂く”という言葉が使えないケースもあるのではないかと思い、
1)に関しては、できるだけ、Bの表現を、
2)に関しては、口語ではB’、表記はA’としております。

(読者 A.Wさん)
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A.Wさんが辞書で調べた補助動詞「いただく」の解説は
下記のとおりです。

ア)(動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて)

話し手または動作の受け手にとって、
恩恵となる行為を他者から受ける意を表す。

「これが先生にほめていただ・いた作品です」
「せっかく来ていただ・いたのですが、主人は今おりません」
「一言声をかけていただ・いたらよろしかったのに」

イ)(接頭語「お」または「御(ご)」に動詞の連用形または
サ変動詞の語幹を添えた形に付いて)上記ア)に同じ。

「これから先生にお話しいただ・きます」
「お読みいただ・きたい」
「御心配いただ・きまして」
「御審議いただ・きたい」

ウ)(動詞の未然形に使役の助動詞「せる」「させる」の連用形、
接続助詞「て」を添えた形に付いて)自己がある動作を
するのを、他人に許してもらう意を表す。
「させてもらう」の謙譲語。

「あとで読ませていただ・きます」
「本日は休業させていただ・きます」

——————

このように、「いただく」を使っていいものかどうか悩むケースが
私にもあります。
まず、2)のケースから先にお答えしますね。

「ご予約」に続くのが「いただきまして」か「くださいまして」の
どちらが適切かという問題。

いずれも敬語ですが、違いは
・「ご~いただく」 ⇒ 謙譲語(自分を低めて相手を敬う)
・「ご~くださる」 ⇒ 尊敬語(相手の行為を敬う)
です。

主語を考えると
・謙譲の「ご~いただく」の主語は、自分(自分にしていただく)
・尊敬の「ご~くださる」の主語は、相手(相手がしてくださる)
になります。

実際の会話や文章では、主語を省略して用いることが多く
一般的に、どちらを使ってもよい、
とされています。

厳密に使いわける場合は…
・相手にお願いしてそうなる場合は「ご~いただく」
・相手の意思でそうなった場合は「ご~くださる」
がひとつの目安になります。

ですから、2)の場合の「予約」は
お客様(相手)の意思によるものなので
尊敬の「ご~くださる」を使い

「ご予約くださいまして、ありがとうございます」
「ご予約くださり、ありがとうございます」

とします。

1)の質問の回答はこちら

 
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あ と が き
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3冊目の新刊が出ました。タイトルは
『考えすぎて書けない人のための1分間メール術』
です。

東京都内では20日、広島は連休明けの24日ごろ
書店店頭に並ぶということでしたが
20日の時点で広島の書店にも出ていて
とってもうれしく思っています。

今回は、まさに産みの苦しみを味わった
難産本でした。

ご存じのように、当メールマガジンでは
文例一式を挙げていることは稀なため
ストックがない!
だから、一から文例を考えるのに苦しみました。

今年の夏から秋にかけては、パソコンの前で
ずっとウンウン唸っていた感じです。

というのも、メールの文例集というのは
世の中にたくさんあるので、
一般的な文例よりも
本書のメインターゲットである20~30代の若手社会人が
「こういうとき、どう書いたらいい!?」
と困ったとき、役立つ文例を挙げたいと思ったからです。

「誤送信してしまったことを謝りたい」
「依頼や誘いをやんわりと断りたい」
「上司や先輩の間違いを知らせたい」
そんな、書きたいけど、悩んで書けない!
というときのお役に立つ文例をご紹介しています。

126の文例では、
●書く際の考え方を解説した「ここがPINT!」
●別の書き方を紹介した「書き換え例」
●覚えておきたい「注目フレーズ」
●注意したい「NGフレーズ」
を文例ごとにピックアップして紹介しています。

丸ごと使える文例集ですので
前著『メールは1分で返しなさい!』と合わせて
ご活用いただけるとうれしいです。

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