今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 読者からの質問(3)>
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いただけます? になれます?
前回からの続きです。
<読者からの質問>————————————————
尊敬語の使い方で、お客様がする行為の表現で、どれが適切で、
皆さんはどのように使い分けていらっしゃるのか
教えていただければと思いメールをお送りした次第です。
1)例えば、お客様にサービスをご紹介するときの使い分け。
A: ご覧いただけます。
お召しあがりいただけます。
お使いいただけます。
お選びいただけます。
B: ご覧になれます。
お召しあがりになれます。
お使いになれます。
お選びになれます。
2) お礼をする前の動作に対する敬語
A’: ご予約いただきまして、ありがとうございます。
B’: ご予約くださいまして、ありがとうございます。
“頂く”という言葉が使えないケーるもあるのではないかと思い、
1)に関しては、できるだけ、Bの表現を、
2)に関しては、口語ではB’、表記はA’としております。
(読者 A.Wさん)
▼A.Wさんが辞書で調べた補助動詞「いただく」の解説は
下記のとおりです。
ア)(動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて)
話し手または動作の受け手にとって、
恩恵となる行為を他者から受ける意を表す。
「これが先生にほめていただ・いた作品です」
「せっかく来ていただ・いたのですが、主人は今おりません」
「一言声をかけていただ・いたらよろしかったのに」
イ)(接頭語「お」または「御(ご)」に動詞の連用形または
サ変動詞の語幹を添えた形に付いて)上記ア)に同じ。
「これから先生にお話しいただ・きます」
「お読みいただ・きたい」
「御心配いただ・きまして」
「御審議いただ・きたい」
ウ)(動詞の未然形に使役の助動詞「せる」「させる」の連用形、
接続助詞「て」を添えた形に付いて)
自己がある動作をするのを、他人に許してもらう意を表す。
「させてもらう」の謙譲語。
「あとで読ませていただ・きます」
「本日は休業させていただ・きます」
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上記の2つの質問のうち、先に2)の方を回答したので、
今回は1)の回答です。
▼2)の質問に回答した前回の記事
このように、「いただく」を使ってよいものかどうか悩むケースが
私にもあります。
1)のケースは、主語を自分にするか、お客様にするか
で変わります。
自分(自社)主体でお客様に新サービスなどを「紹介」
(自分から相手にアピール、お願い)する場合は
謙譲語の「ご(お)~いただけます」。
A:ご覧いただけます。
お召しあがりいただけます。
お使いいただけます。
お選びいただけます。
お客様から問い合わせがあったり、
お客様自身にそのサービスを利用する意思があったりする場合は
尊敬語の「ご(お)~になれます」。
B:ご覧になれます。
お召しあがりになれます。
お使いになれます。
お選びになれます。
自分のことをへりくだって言う謙譲の「いただく」の方が
丁寧な表現と思われがちですが、
上記のポイントを押さえると、使い分けの判断ができます。
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