今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < メールの敬語(2)>
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「ご留意」
聞き覚えて、正しいと思い込んでいる敬語が
実は間違っていたということがあります。
間違いやすい敬語を今週は取り上げてご紹介します。
昨日配信したVOL.1719の記事
に関連する質問を読者のかたから頂いたので、紹介します。
<読者からの質問>————————————————
「留意」に【ご】をつけるかいなかについて
社内で話題になったのですが、
コレ!という回答がでず、気になっています。
「季節柄、寒暖の差に留意してお過ごしください」
という一文で
「留意」は敬語ではないため【ご】をつけて「ご留意」として下さい。
と指摘をうけたのですが
「ご留意」という言い方はあまり聞いたことがなく、
WEBサイトで調べてもいい回答が見つかりません。
今日配信のメルマガがちょうど「敬語」でしたので、
お知恵を頂けますと幸いです。
(読者 Sさん)
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「留意」自体は敬語ではありませんので
「ご留意」とするのは問題ないのですが
その後に続く言葉を尊敬表現にする必要があります。
この場合は「ご留意なさって」とするのが適切な敬語表現です。
「季節柄、寒暖の差にご留意なさってお過ごしください」
尊敬表現の「ご~になる」に相当する使い方です。
ただ、この場合、「ご留意なさって」というのは少々、
大仰な印象もあるので、尊敬表現を使わず、当初の一文
「季節柄、寒暖の差に留意してお過ごしください」
でもよいのではないでしょうか。
この一文も十分丁寧な言い回しです。
もしくは、次のように書き換えることもできます。
「季節柄、寒暖の差にはお気をつけになってください」
「お気をつけて」とよく使いますが
尊敬表現としては「お気をつけになって」が適切です。
「ご留意して」とすると、謙譲表現「ご~する」の用法となり、
間違いですので注意しましょう(この場合、主語は相手なので)。
結論としては
「季節柄、寒暖の差に留意してお過ごしください」
として差しつかえありません。