今週は、読者のかたからの質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 読者からの質問(4)>
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料理用語
<読者からの質問>————————————————
私は共同通信社の「記者ハンドブック」を持っているのですが、
料理用語で、よく正しい漢字を選ぶときに迷います。
以下、ハンドブックに挙がっている例をHBと略します。
たとえば、お肉が「かたい」「やわらかい」は、
「硬い」「軟らかい」でいいのか。
→→ HBの例では、「大根を軟らかく煮る」
クッキーとかパイとかの生地を「のばす」は、「延ばす」でいいのか。
→→ HBの例では、「手延べそうめん」
バターを「とかす」のは「溶かす」でいいのか。
→→ HBの例では、「砂糖を水に溶かす」でも、「雪解け」という
今思いつく例はこれくらいなのですが、上記の解釈は合っているでしょうか。
(読者 M.O さん)
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「記者ハンドブック」をお持ちとのことなので
講談社校閲局「日本語の正しい表記と用語の辞典」
で調べてみました(以下、講談社とします)。
> たとえば、お肉が「かたい」「やわらかい」は、
> 「硬い」「軟らかい」でい いのか。
> →→HBの例では、「大根を軟らかく煮る」
「硬い」「軟らかい」の表記でよいです。
講談社の文例に
石のようにしんがかたい様子を「硬い」という解説があり
文例としては「ご飯が軟らかい」とありました。
「硬い」の対語が「軟らかい」なので
この表現で問題ありません。
> クッキーとかパイとかの生地を「のばす」は、「延ばす」でいいのか。
> →→HBの例では、「手延べそうめん」
これは講談社には
明確な違いの記述がありませんでした。
「朝日新聞の用語の手引」には
用例に「クリームを伸ばして使う」とあり
「デジタル大辞泉」で意味を確認したところ
厚みのある物を、押し広げて薄く平たくする=「伸ばす」とあり
「餅を伸ばす」
という用例がありました。
ですから、
クッキーとかパイ生地は「伸ばす」が妥当かと思います。
> バターを「とかす」のは「溶かす」でいいのか。
> →→HBの例では、「砂糖を水に溶かす」でも、「雪解け」という
講談社には「とく」の用例として
「砂糖が水に溶ける」
とありました。
「朝日新聞の用語の手引」には
溶かす=とけ合う、固体が液体になる
解かす=とけてなくなる、ほどける
と意味の解説があります。
「固体が液体になる」状態なので
バターは「溶ける」という表記でOKです。
「雪解け」については、
雪がとけてなくなることを指すため
「解」を使います。
ただ、「雪を溶かして水にする」という用例もありました。
雪の状態により、漢字の使い分けが必要になりそうです。
※調べていくと、いろいろなことが分かってきて
M.O さんの質問は、私自身もとても勉強になりました。
参考までに、使用して用語集を挙げておきます。
<追記>
記者ハンドブックによると、
調理をする前の肉や果実などの食べ物は「柔らかい」、
調理の結果は「軟らかい」と表記を分けています。
ただ、どちらかはっきりしない場合も多いので
「やわらかい」と平仮名下記で良いとしています。
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