今週は、表現の変化の付け方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 表現のバリエーション(2)
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お断りします」に代わる言葉

今週は、メールの文章が一本調子や紋切り型にならなくて済む
表現のバリエーションを紹介しています。

相手の依頼や勧誘を断りたいとき
お断りします
と伝えたいところですが

メールに書くとストレートで
非常に強い拒絶感を与えます。

別の表現としては

ご協力いたしかねます

「協力はできません」と断る意向を伝えるときに
「~できません」という否定表現に代わる
「~いたしかねます」というフレーズが役に立ちます。
ほかにも
「ご要望には添いかねます」
といった使い方もします。

この度は見送らせてください

相手からの提案を断るとき、「お断りします」「無理です」
といった表現では強すぎるため
「見送ららせてください」という言い回しを使うと婉曲になります。
「この度は」「今回は」を添えることで
「今回は断るけれど、これに懲りず、また別の機会に」という
ニュアンスを伝えます。

「せっかくのお話ですが、遠慮させていただきます

受け入れがたい要望や勧誘に対して
相手を立てつつ、断るときの表現です。
「せっかくお誘い(ご案内、ご紹介)いただきましたが
わけあって応じることはできません」という意味合いを
辞退を意味する「遠慮する」と
謙譲語の「~させていただく」を使うことで
丁重に伝えます。

どうかご容赦願います

「~のため、お断りせざるを得ません」と
対応できない、応じられない理由を述べ
締めくくるときに使うフレーズが
「どうかご容赦願います」です。
「こちらとしても対応できない状況です」という断りを
拒否ではなく、相手に申し訳ないというお詫びの気持ちとして
伝える言い回しです。

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今週は、表現の変化の付け方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法           < 表現のバリエーション
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                   「分かりました」に代わる言葉

内容を理解した、という意味で使う
分かりました」。

それだけで意味は通じますが
同じ意味を表す他の表現も幾つかあるので
紹介しましょう。

承知しました
メールや口頭での応答に「了解しました」が使われているのを見たり聞いたりしますが、
これは目上の人から目下の者へのみ使うことができる言い回し
(目下の人が目上の人に「了解しました」を使うのは失礼になります)。

目下の人が目上の相手に「分かりました」と伝えるときは
「承知しました」を使うのが適切です。

承りました
「承知しました」と同じ意味ですが、
「分かりました」のほかに「引き受けます」という意味合いで
使われることも多い表現です。

かしこまりました
「承知しました」「承りました」と同じ意味ですが、
書き言葉より話し言葉で使われることが多い言い回し。
より改まった印象を与えます。

心得ました」「心得ております
相手からの要求や命令に対して「十分理解しています」という
意味合いで答えるときに使う言い回し。
「分かっているのでご心配なく」というニュアンスを含みます。

このように
同じ意味合いでも、表現のバリエーションを知っておくと
メールの文章が一本調子や紋切り型にならなくて済みます。

今週は、こうした表現の変化の付け方を紹介していきます。

 

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今週は、読者の方からの質問に回答します
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(5)
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                         「ご笑納ください

<読者からの質問>————————————————

「ご笑納ください」の使い方について、ご教示いただきたく、
メールを差し上げました。

弊社に見学や視察にいらっしゃった外部のお客様に、
その時の様子のお写真をお礼状と共にお送りするのですが、
「お写真を同封いたしました。ご笑納ください。」という使い方は適切ですか?

お客様ご本人が写っている写真なので
「笑納」ではおかしいと思うのすが、同僚はそう書いています。

私の周りに日本語の達人がおらずモヤモヤしております。
(読者 K.Sさん)
——————————————————————

「ご笑納ください」は
たいしたものではないので、どうぞ笑ってお納め(受け取って)ください
という意味合いで使う、一種の謙遜表現です。

客先や目上の相手に贈り物をするときの
へりくだった言い回しとして
よく使われますが

上記の質問では
粗品とか記念品ではなく
会社を訪れたお客様を写した写真なので

K.Sさんが書いている通り「ご笑納ください」
を使うのはふさわしくありません。

代わりの言い回しとしては
「お納めください」「お受け取りください」
が挙げられます。

「お写真を同封いたしました。ご来訪の記念にお納めください

という一文を添えてみてはいかがでしょうか。

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今週は、読者の方からの質問に回答します
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(4)
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                            社内の反応

昨日、取り上げた「敬語の向かう先」についての質問と回答に
質問者から次のような返信があったので、紹介します。

<読者からの返信>————————————————

このようなケースでは、やはりB社に対する敬語は不要ということですね。
とても腑に落ちました。

ただ悲しいのは、このような敬語はおかしいです、
むしろ提出先のお客様に対して失礼にもなります、と
社内で指摘しても受け入れられないことです。

私自身「敬語の向かう先」ということを
今回初めて意識したので偉そうなことは言えないのですが、
「社外の会社や人すべてに敬語は使うもの」という一元的な考えに
安住している人たちは耳を貸してくれませんでした。

「させていただきます」もいまだにかなり横行していて悲しく思う反面、
言葉は変化していくもの、多数派の勝ちなんだろうか、
今回の文書にしても、お客様も「社外全てに敬語は使う」派だったら
問題ないのだろうし……と、思い悩む毎日です。
(いえ、そんなに深くは悩んでいませんが^^;)

せめて自分が当事者として作成する文書では、
できる限り正しい日本語を使うよう、今後も努めてまいります。

(読者 M.Sさん)
——————————————————————

M.Sさんのように
「なんだか変だな」と気づき
調べたり、人に質問して
自分では納得できたのに

それを社内で指摘しても
「うちの社では昔からこうだから」と習慣化していたり
「今までこれで通用したんだから問題ない」とやり過ごされたりして
受け入れてもらえない

という声は、他の質問者からも何度となく聞いてきました。

メールの言葉遣いや言い回しが
本来の使い方とは違っていても
「多勢に無勢」「長いものには巻かれろ」
さらには
「言葉は生き物。変わっていくものだから」
と片付けられてしまうのは、切ない話です。

でも、M.Sさんが最後に書いている通り
「せめて自分が当事者として作成する文書では、
できる限り正しい日本語を使うよう、今後も努めてまいります」
という気持ちを忘れずに持ち続けてほしいと願っています。

小さな抵抗、わずかな力かもしれませんが
社内の理解は得られなくても
自分が直接指導する新人や後輩には
教える機会があるかもしれません。

言葉の本来の意味とか使い方、
正しい表現と誤った表現の違いを
知らずにいるより、知っておくことで
あなた自身の信頼が増し、好印象を与えると信じています。

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今週は、読者の方からの質問に回答します
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(3)
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                          敬語の向かう先

<読者からの質問>————————————————

VOL.2359 の「敬語の向かう先は」という視点は、

今まであまり考えたことがなかったので、はっとしました。
(自分と自分の身内以外には、全てに対して敬語を使うものと、
なんとなく思っていました)

この点で、ちょうど私の会社の文書で気になったものがあります。

文書の内容は、お客様A社に対する文書で、
弊社と弊社のパートナー会社であるB社の両者のミスにより
A社にご迷惑をおかけしてしまったことをお詫びする内容です。

宛先はA社、差出人は弊社のみ(B社との共同文書ではない)です。

その文書の中で、B社に対して一貫して敬語が使われているのです。
もちろん、弊社対B社という2者間の場合は
弊社からB社に対して敬語は使いますが、

このVOL.2359を読んだあとでは、
この文書の中では第3者であるB社に対して敬語を使っていることが
気になってきました。

この文書はA社と弊社の2者間のものなので、敬語の向かう先はA社であり、
B社に対しては敬語は不要なのではないかと思えてきました。

ただ、B社はA社も知っている会社で、
「見ずしらすの会社」でもなく「直接関係がない」わけでもありません。

このような場合の「敬語の向かう先」は
どこと定めれば良いのでしょうか。
(読者 M.Sさん)
——————————————————————

M.Sさんが書いている通り、このケースでは
敬語の向かう先はA社です。

したがって
B社はA社に対しては「こちら側(=M.Sさんの会社側)」の存在ですので
A社に対する文章では、B社に敬語は使いません。

例えばこんな感じです。

「このたびの件につきましては
弊社のパートナーであるB社様からご連絡をいただけず
対応が遅れたため、(貴社には)大変ご迷惑をおかけいたしました」

という書き方は
A社宛ての文章なのに
B社に対しても敬語が使われていてNGです。

下記のように、B社に関する記述には敬語を使わず
事実のみ述べるに留めます。

「このたびの件につきましては
弊社のパートナーであるB社からの連絡が滞り
対応が遅れたため、(貴社には)大変ご迷惑をおかけいたしました」

このようなケースでは
B社に敬語を使っていないからといって
B社に失礼になるわけではありません。

敬語の向かう先(=立てる相手)は基本的に
一つだということを
気に留めておいていただけたらと思います。

 
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仕 事 の メ ー ル 作 法                                < 読者からの質問(2)>
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「迷子のおじいちゃま」!?

<読者からの質問>————————————————

「受給を受ける」< 重言注意!(5)>VOL.2309

の重言「迷子の子ども」について、お尋ねしたいことがあります。

最近は携帯が普及しているので、
デパートや駅で迷子アナウンスをあまり耳にしませんが、
「迷子のお子さんを」と聞いた気がします。

迷子といえば子どもですが、
時代とともに「迷子のおじいちゃま」と区別し分かりやすくするには、
このような表現になってしまうかと思いますが
やはり重言なのでしょうか。

例えばデパート内で はぐれただけで「徘徊しているおじいちゃま」と
アナウンスするわけには いかないでしょうし、
知的障がい者は大人でもはぐれてしまう ことがあり得ます。

レジを待てずに好き勝手に動いてしまう「迷子のパパ」も、捜索対象。
「迷子のご家族」では仰々しく、短い言葉で表すのは難しいです。

(読者 Y.Kさん)
——————————————————————

「迷子」という言葉を、連れにはぐれた子どもという意味で使えば
「迷子の子ども」は重言です。

「迷子のお子さんを」という言い回しをそのまま使うのではなく
「迷子になっているのは、3歳くらいの男の子です」
「3歳くらいの男の子が迷子になっています」
とすれば、重言になるのを避けられます。

Y.Kさんの質問にある大人の迷子の場合は
「迷子」を連れにはぐれた人という意味で捉えれば、
「迷子のおじいちゃま」は成立すると思います。

ただ、「迷子のおじいちゃま」
とアナウンスするのは言う方も聞く方もしっくりきません。

子ども以外の迷子の場合も
「迷子」という言葉を使わず
「80歳の青い帽子と紺色のジャンパーを着た男性がご家族をお探しです」
といった具合に、
迷子になっている人の年齢とか服装の特徴を言えば、
探している人には見当がつきます。

「迷子の~」のようなくくり方ではなく
「〇歳くらいの〇〇を着た男の子(女の子)」
「身長〇センチの〇〇のカバンを持った男性(女性)」
のように
探されている人の見た目の特徴を分かりやすく挙げると、
探している人にはピンときます。

こうした具体的な表現にすれば
アナウンスする人も、アナウンスされる人も
抵抗なく言い、聞くことができるのではないでしょうか。

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