今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 気になる敬語 >
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「店主からのお気持ちとして」
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寒い中、ご来店いただくお客様へ
店主からのお気持ちとして、温かい飲み物をご用意しました。
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上記の一文で気になる敬語の使い方は
「店主からのお気持ちとして」の「お」です。
まず、この文章の主語を考えてみましょう。
上記の文例は
店主から、来店する客に対しての文なので、
主語は「店主」です。
したがって
来店する客に対して
「来店する」の尊敬語「ご来店いただく」を使い
「ご来店いただくお客様」としています。
来店客に対して
店側のサービスとして
温かい飲み物を「用意する」ので、
ここでも尊敬語「ご用意しております」を使います。
しかし、
来店客に寒い思いをさせないよう
温かい飲み物をふるまうサービスをするのは
この文の主語である店主です。
主語である「店主」の気持ちに
丁寧語の「お」を付け、
「店主からのお気持ちとして」
とするのは適切ではありません。
客に対して丁寧な言葉を使おうとして
自分の動作に丁寧語の「お」を付けてしまったのが
冒頭の例文です。
したがって、適切な文は下記のようになります。
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寒い中、ご来店いただくお客様へ
店主からの気持ちとして、温かい飲み物をご用意しました。
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これが、
店主が主語で、客の気持ちに丁寧語の「お」を付ける場合は
問題ありません。
例)お客様からのお気持ちがうれしくてたまりませんでした。
誰が主語で、誰に対して敬意を示すのかを
明らかにして敬語を使うようにすれば
上記のような間違いを防ぐことができます。
今週はこのように「おや?」と思う
気になる敬語を取り上げていきます。
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【しごび】 の お す す め
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神垣あゆみ企画室