今週は、読者の方からの質問にお答えします。
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仕 事 の メ ー ル 作 法        < 読者からの質問 >
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「多大なるご迷惑」

<読者からの質問>—————————————————

私、品質管理部で仕事をしており、営業マンなどの書いた報告書を
査読する機会が多いのですが、みな判で押したように(前例コピー)

『このたびは多大なるご迷惑をおかけし….』

と書いてくるのを見て違和感を抱いています。

何でもかんでも「多大なご迷惑」ではないと考えています。
「ご不便をおかけし」の場合もあれば、「ご期待に沿えず」もあると思います。

不具合・クレームなどの報告書の場合は、何でもかんでも
へりくだって「多大なご迷惑」と書くのが無難なのでしょうか。
使い分けの基準(よりどころ)ありますでしょうか?
(読者 H.Iさん)
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「このたびは多大なるご迷惑をおかけし」というフレーズが無難で便利なため、
多くの人が“判で押したように”使うのでしょう。

書く側は、定型文を使う方が楽で、収まりがつきますが、
読む側としては「またか」と辟易しますよね。
しかも、どのような「迷惑」だったか、一向に分かりません。

この場合、書き手(報告する側)が留意することは
「多大なるご迷惑」という便利で無難なフレーズに逃げず、
相手が被ったであろう「迷惑の内容」に目を向けることです。

ミスやアクシデントによって
相手に不便をかけた
相手の期待に応えられなかった
相手に不快な思いをさせた
など、その時々によって状況は異なるはず。

「発送が遅れ、ご迷惑をおかけしました」
「当方の不手際で、ご面倒をおけしました」
「お声がけいただいたにもかかわらず、ご期待に沿えず心苦しい限りです」
など、「多大なご迷惑」から一歩踏み込めば、具体的な状況を書くことができます。

結びのフレーズの「よろしくお願いいたします」も同様で
「よろしく」の部分を
「ご協力を」
「ご確認のうえ、ご連絡を」
「お手数ですが、至急ご返信を」
など、具体的に書くことで念押しになり、送る側の要望がより伝わります。

無難な定形フレーズは楽で、誰もが便利に使うからこそ、敢えて使わず
状況に即し具体的に伝えることを心がけると、
文章で差がつけることができます。

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【しごび】 の お 知 ら せ
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