メール対応や言葉について神垣が日々思うこと
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言 葉 コ ラ ム < 新年の挨拶に思う >
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年初に、企業などの年頭所感をチェックしてみました。
新聞や各社のWebサイトで冒頭の挨拶文を読み比べてみたのです。
当メールマガジンでは、2007年から
「新年明けましておめでとう」は
「新年」と「明けまして」が重複するので,
「新年おめでとう」あるいは「明けましておめでとう」
としましょう、と述べてきました。
ですから、各社の年頭所感にどの程度「新年明けまして」が
使われているかに興味があり、チェックしてみたくなったのです。
幾つか挙げてみましょう。
「2022年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます」
(KDDI株式会社)
「令和4年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます」
(生命保険協会)
「明けまして御目出度う御座います」
(SBIホールディングス)
比較的多かったのが
「謹んで新年のご挨拶を申し上げます」。
個人的に株を持っている某社の年頭所感も
「あけましておめでとうございます」
と、ごくシンプルでした。
ふむふむ。やはり上場企業のトップはわきまえている、と
感心していたのですが、意外な人の年頭所感が
「新年あけましておめでとうございます」
で、驚きを隠せませんでした。その人の名は……
岸田内閣総理大臣。
岸田内閣総理大臣 令和4年 年頭所感
自民党のサイトでも、岸田文雄総裁の年頭所感は
「新年あけましておめでとうございます」
で始まっていました。
同じ自民党でも、茂木敏充幹事長は
「あけましておめでとうございます」。
閣僚では萩生田光一経済産業大臣も
「令和4年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます」。
岸田さんだけが、重複表現と思われる「新年あけまして」を
使っているではありませんか。
これはぜひともメルマガネタにしなくては!
しめしめと一人ほくそえんでいたのですが……。
1月4日にメルマガ読者からのメールを読んで愕然。
そのメールにはこう書かれていました。
▼メルマガ読者 H.Iさんからのメール
年始からNHK TVで「新年あけましておめでとうございます」が乱発
されていて、これは重ね言葉の間違いでは? と思ったのですが、
NHKから『広く一般に使われているので、誤りとはいえないでしょう』
と公式ホームページに出ていて意外でした。
「新年あけましておめでとうございます」は重複表現?
確かに。
わたし自身も15年前に、メルマガに
「新年明けまして」と書いていたのを何人かの読者から指摘を受け、
改めた経緯があり、以来「新年明けまして」は重言だから、
気をつけましょうね、とメルマガで伝え続けてきたのですが、
完全な間違いではない、というNHKの見解。
え~っ、そうなの!? というのが正直な感想です。
わたしは長年、言葉の使い方について放送文化研究所(NHK文研)のサイトや
「NHK ことばのハンドブック 第2版」を参考にしてきたので、
上記のNHK文研の見解は意外でもあり、軽くショックでもありました。
年々、民放テレビやラジオなどで「新年明けまして」が頻繁に
使われていることを忌々しく思っていたのですが、
それでも問題ないとは……。
ただ、個人的には「新年明けまして」は意味が重なると思うので、
これからもわたし自身は使うのは避けるつもりです。
ちなみに、日本放送協会 前田晃伸会長の年頭所感の冒頭は
「あけましておめでとうございます」でした。
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