メール対応や言葉について神垣が日々思うこと
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言 葉 コ ラ ム NEW
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本日の配信で、当メールマガジン
4500号を迎えました。

初期から読んでくださっているかた、
最近から読んでくださっているかた、
すべての読者の方々に心からお礼を申し上げます。

2025年、創刊20周年を迎えるわけですが
創刊時は39歳だった私も来年は59歳。

メールもメールの使い方も
メールを取り巻く環境も
20年で変わりました。

個人的に
メールには絶対的なルールはない
と思っています。

ルールのようなものがあったとしても
20年前と現在では、ルール自体が変わってきています。

例えば、メールの開封確認。

20年前は
「メールの開封確認をすべきでしょうか」
という質問が当メルマガに複数寄せられていました。

でも、今は
開封確認を求めるメールを見かけません。

このように
20年前に通用したルールが
今は陳腐化しているケースも少なくありません。

メールをはじめとする
デジタルなコミュニケーションは
日進月歩で進化しているのですから。

ビジネスメールにおいて20年前は
お手本とする定型文や美文が求められていました。

でも、今は、形式より中身。

いかに、的確に、無駄なくスピーディーに
処理・対応できるメールであるか、
がポイントです。

例えば
メールの冒頭の定型文
「いつもお世話になっております」。

わたしは懇意な客先には
使わないことが増えてきました。

代わりに、

「早速、ご返答いただき、ありがとうございます」

「〇〇の件についてご連絡いただき、ありがとうございます」

といった一文を使うことが多いです。

形式的な「いつもお世話になっております」
は1通目のメールだけでよく、
後のメールのやり取りには不要
と思うからです。

というか、書いたところで意味をなしてなく
入力する時間がもったいないとさえ思います。

メールよりビジネスチャットの使用頻度が高い職場では、
もうとっくに
「いつもお世話になっております」は
使われなくなっているのではないでしょうか。

このように
コミュニケーションの進化に伴い
古いルールに縛られず、
自分と相手にとってより良いルールに最適化していくのが
「現在のメール作法」。

当メールマガジン
日々、アップデイトしながら
最適なコミュニケーションの方法をお届けしていきたいです。

これからも
【仕事のメール心得帖】
よろしくお願いいたします。

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言葉について徒然なるままに
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言 葉 コ ラ ム        < AIでできること、できないこと
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AIで生成されたイラストをよく見かけるようになりました。
同様に、文章もAIで生成できます。

いわゆる型通りの文章は、AIを使ってスピーディーに作成できますし、
状況に応じた指示をすれば、“伝わる”文章も作ってくれます。

▼参考記事
心の通ったメールも1分で完成!
ChatGPTを使って御礼や謝罪メールを作る方法

このように
イラストを「描く」ことも文章を「書く」ことも
AIが代替してくれ、それを人が利用するという流れは今後、
もっと増えていくでしょう。

文章に関して言えば、これまで仕事のやりとりで、どう書いてよいか悩み、
時間がかかっていたメールの文章も
AIに指示すれば、整った文をすぐに送信できるようになるでしょうし
すでに利用している人もいるかもしれません。

AIで文章を生成することで、
本来、自分がすべき業務に集中、注力できるならば、大いに活用すればよい、
と個人的には思っています
(ただ、AIで文章を生成するにもテクニックは必要)。

一方で、では、AIで下記のようなメールが書けるだろうか、とも思います。
▼【全文公開】孫正義のスカウトメールに学ぶ「人を動かす伝え方」

画像にある孫正義氏からのメール文。

冒頭は「嬉しく思ったよ」と口語文、
その後に「覚悟です」「出来ません」「幸運なことです」「期待しています」
という文が続き、最後も「がんばろう!」と呼びかける口語文。

「日本のブロードバンドの夜明けのために命をささげる覚悟です」の「ささげる」は
平仮名になっていますが、
AIが書いたら「捧げる」と漢字になっているでしょう。

孫さんのメール文にあって、
AIで生成した文章にないもの。

それは相手に伝えようとする「熱量」。

語りかける口語文と「ですます」調の文が入り混じって生まれる文章のリズム。
漢字変換されてない「ささげる」の文字からは、一気に入力したことが伺えます。

文章としては、ある意味、いびつでアンバランス。
だけど、会食した後、この文面が孫さんから送られてきて
心動かされない人はいないでしょう。

人の感情はきちっと整えることはできません。
天気だとか、会った人だとか、起きた出来事に影響を受けて
都度、揺らぎ、制御がきかいないこともある。

きちんと整ったお手本のような文章はAIで生成できますが
人が持つ熱量やパッションを言葉にすることまではAIにはできません。

学校でも社会でも
整えること、整うことを教えられ、求めらてきたわけですが

人に代わってAIが整えてくれることが増えれば
逆に人は、整わなくてもよいのでは?

例えば、整然と線を引くことはAIに任せ
ペンを持つ筆圧で変わる線の太さや細さ、
癖のある字といった整えようのないものが人が醸し出す“味”として
注目されるようになるかもしれません。

パソコンで打った活字が浸透しきった今
手書きの文字が新鮮に映るように。

文章も、
捉えどころがない感情をどのように表現するか
その人にしか書けない表現力とか、創造力が
一層求められていく気がします。

そのためには
感情を動かす体験をより多くし、
それを言葉にして伝える訓練を積むことが必要。

AIにやすやすと作られてしまうような
整った文章を書いている場合ではないのかもしれません。

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メール対応や言葉について神垣が日々思うこと
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言 葉 コ ラ ム               < 言葉の調べ方
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言葉の意味を調べるとき、あなたは
どのようにしていますか?

例えば、1月24日配信のVOL.4429あとがきで紹介した
「シキミ」の調べ方。

Googleで「シキミ」を検索すると
検索上位から順に
Wikipedia
仏壇店
葬儀社
みんなの趣味の園芸
東京都保健医療局
のページが表示されます。

このような検索結果が出ると私の場合、
まず、ページを開くのは
検索4位の「みんなの趣味の園芸」
検索5位の「東京都保健医療局」
です。

なぜなら、
「趣味の園芸」はNHKで長年放送している園芸番組、
東京都保健医療局のページは公的機関のページで、
いずれも情報の信頼性が高いからです。

次に「シキミ コトバンク」
「シキミ goo辞書」で検索します。

そして、「シキミとは」という観点で
コトバンク→goo辞書で情報を読み、
その後で「みんなの趣味の園芸」「東京都保健医療局」のページで
補足情報や画像を確認します。

検索する際の優先順位としては
まず、辞書サイトで言葉の意味を確認し、
信頼できる専門サイトで補足情報を得る
という流れです。

検索1~3位のWikipediaや仏壇店、葬儀社のページは
開かずに飛ばします。

情報自体は間違っていないと思いますが、
仏壇店や葬儀社のWebサイトへ誘導するためだったり、
仏壇や葬儀に寄せた情報が掲載されていたりして、
自分の判断の邪魔になる余分な情報が多いので、スルーすることにしています。

私は当初「シキミ」を「シキビ」と記憶していたので
「シキビ」と検索したところ
検索上位に挙がってきたのは
葬儀社、終活サイト、シキミの通販サイト、墓石店、仏壇店でした。

こうした商業系のサイトは、情報が似たり寄ったりのことが多く
調べたい言葉のアウトラインは把握できるのですが
メールマガジンに記事を書く場合は使いません。

私の場合、新聞記事から情報収集することもあります。

Googleで「シキミ」を検索する際
検索欄の下にある「ニュース」のボタンを押して検索すると
新聞で取り上げらられた「シキミ」の情報が挙がってきます。

新聞の情報も「シキミ」をどのような観点、切り口で取り上げられたかを
知るうえで参考になります。

自分がその言葉の何を調べたいかによって、検索の仕方も変わってきます。

言葉の意味なのか
使われ方なのか
取り上げられ方なのか

私はまず、宣伝用に加工された情報より
言葉の本来の意味をまず知りたいと思うので、辞書や専門サイトを優先しています。

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メールで相手先と日程調整をするとき
あなたは自分の都合を先に伝えますか?
それとも、
相手の都合を先に聞いてから調整しますか?

長らく私は、
後者の方法で日程調整をしていました。
このメールマガジンでも、
そう述べてきました。

昨年、あるIT企業の顧客対応メール文例集を制作する仕事をした際
メールで打ち合わせの日程調整を進める文例で
自分の都合を先に伝え、相手と調整を図る
という文面にしてほしい、と指示があり
時代は変わったなぁ、と感じました。

このメルマガを創刊した17年前から
優先すべきは相手の都合で、
それに自分の都合を合わせて調整するのがマナー
と信じて疑いませんでした。

先に自分の都合を伝えるのは、
相手に対して失礼ではないか、
と思っていたからです。

でも、打ち合わせをすることが決定事項なら
双方の都合の良い日程を
スピーディーに決めた方が良く
既に分かっている自分の予定や都合を
先に相手に伝え、調整していく方が
合理的かつ効率的。

もちろん、相手との関係性や状況にも
よるので、一概には言えませんが
ビジネスのメールのやりとりでは
効率とスピードが優先していることを
実感した出来事でした。

ただ、
自分の都合を先に伝える場合も
文面を工夫する必要はあります。

さらに、相手が
それを合理的と捉えるタイプか
不躾と捉えるタイプか
によっても文の運びは変わってきます。

相手に応じて文面を整えるテクニックは
まだ自分の経験が活かせる範疇ではあるのですが
「こうあるべき」という古い考えは
その都度、アップデイトしていかなくては
と考えさせられた次第です。

 
 

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       メール対応や言葉について神垣が日々思うこと
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 言 葉 コ ラ ム             < 新年の挨拶に思う >
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年初に、企業などの年頭所感をチェックしてみました。
新聞や各社のWebサイトで冒頭の挨拶文を読み比べてみたのです。

当メールマガジンでは、2007年から
「新年明けましておめでとう」は
「新年」と「明けまして」が重複するので,
「新年おめでとう」あるいは「明けましておめでとう」
としましょう、と述べてきました。

VOL.508 意味が重なる表現< まどろこしい表現 >

ですから、各社の年頭所感にどの程度「新年明けまして」が
使われているかに興味があり、チェックしてみたくなったのです。
幾つか挙げてみましょう。

「2022年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます」
(KDDI株式会社)

「令和4年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます」
(生命保険協会)

「明けまして御目出度う御座います」
(SBIホールディングス)

比較的多かったのが
「謹んで新年のご挨拶を申し上げます」。

個人的に株を持っている某社の年頭所感も
「あけましておめでとうございます」
と、ごくシンプルでした。

ふむふむ。やはり上場企業のトップはわきまえている、と
感心していたのですが、意外な人の年頭所感が
「新年あけましておめでとうございます」
で、驚きを隠せませんでした。その人の名は……

岸田内閣総理大臣。
岸田内閣総理大臣 令和4年 年頭所感

自民党のサイトでも、岸田文雄総裁の年頭所感
「新年あけましておめでとうございます」
で始まっていました。

同じ自民党でも、茂木敏充幹事長は
「あけましておめでとうございます」。

閣僚では萩生田光一経済産業大臣も
「令和4年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます」。

岸田さんだけが、重複表現と思われる「新年あけまして」を
使っているではありませんか。
これはぜひともメルマガネタにしなくては!
しめしめと一人ほくそえんでいたのですが……。

1月4日にメルマガ読者からのメールを読んで愕然。
そのメールにはこう書かれていました。

▼メルマガ読者 H.Iさんからのメール
年始からNHK TVで「新年あけましておめでとうございます」が乱発
されていて、これは重ね言葉の間違いでは? と思ったのですが、
NHKから『広く一般に使われているので、誤りとはいえないでしょう』
と公式ホームページに出ていて意外でした。

「新年あけましておめでとうございます」は重複表現?

確かに。
わたし自身も15年前に、メルマガに
「新年明けまして」と書いていたのを何人かの読者から指摘を受け、
改めた経緯があり、以来「新年明けまして」は重言だから、
気をつけましょうね、とメルマガで伝え続けてきたのですが、
完全な間違いではない、というNHKの見解。

え~っ、そうなの!? というのが正直な感想です。

わたしは長年、言葉の使い方について放送文化研究所(NHK文研)のサイトや
「NHK ことばのハンドブック 第2版」を参考にしてきたので、
上記のNHK文研の見解は意外でもあり、軽くショックでもありました。

放送文化研究所(NHK文研)

NHK ことばのハンドブック 第2版

年々、民放テレビやラジオなどで「新年明けまして」が頻繁に
使われていることを忌々しく思っていたのですが、
それでも問題ないとは……。

ただ、個人的には「新年明けまして」は意味が重なると思うので、
これからもわたし自身は使うのは避けるつもりです。

ちなみに、日本放送協会 前田晃伸会長の年頭所感の冒頭は
「あけましておめでとうございます」でした。

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今週は、なんとなく書いてしまいがちな曖昧な言葉についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 余分な言葉(2)
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                            「とか」

 「良いとか悪いとか議論している場合ではない」

 この一文に使われている「とか」は
 事がらや動作・状態などを例として並べて挙げるときに用いる助詞です。

 「~とか、~とか」のように
 列挙する事柄の後に付けますが、

 「寒いとかつらいなんて口に出せませんでした」
 のように「~とか、~とか」ではなく、
 最初の「とか」だけで、次の「とか」は省くケースもあります。

  寒いとかつらいとか ⇒ 寒いとかつらいなんて

 このように
 事項を列挙するときに用いるほかに

 「山田さんとかいう男性が訪ねてこられました」
 「去年から病気で療養中だとか
 のように
 人から伝え聞いたり、定かでないこと表したりするときにも
 「とか」を使います。

 一方で、

 「日本酒とか飲みます」
 「ゴルフとかします?」

 のように言葉の後に付けて
 断定的な言い方を避け、あいまいにするために
 用いられることも増えてきました。

 「とか」は、合いの手のように会話や文章に差し挟めるため
 「私とか、会社の帰りとかヨガとかに行ったりとかします」
 のように乱用してしまうことも……。

 意味のない「とか」の多用は
 文が冗長になるうえ、幼稚な印象を与えます。

 「私は会社の帰りにヨガに行っています」
 のように、「とか」に頼らず
 すっきりした表現で伝える習慣を付けましょう。

 

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 【しごび】 の お 知 ら せ
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 気になる敬語の言い回しについてとりあげた
 メルマガの過去の記事が
 「まぐまぐニュース」で紹介されました。

 ▼「お知らせさせていただきます」は間違い? 敬語の正しい使い方4選

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