今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問(4)
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気になる言葉

<読者からの質問>————————————————

私が気になっている「間違えやすい使われ方のことば」のなかのひとつに
「悩ましい」があります。

本来は「色っぽい」とか「そそる」とか、
女性に対して男性から発せられる、
そういう言葉だったように思うのですが、どうなんでしょう?

テレビや年輩の上司や雑誌などでも目や耳にするようになってきたので
意味が変わったのか、もともとそれで正しいのかよくわかりません。

もうひとつ「確信犯」は未だに浸透しませんね。

間違っていても、大勢が使うようになれば正しいことになって
しまうのでしょうか?
仕方ないのですが割り切れないところもあります。

読者 C.S 様
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以前、「間違いやすい慣用句」のテーマでこのメルマガを書いたときに
いただいた質問です。

三省堂「大辞林」第二版によると…
「悩ましい」の意味として次の3つが記されています。

1)感覚に性的な刺激を受けて、心が落ち着かない。
2)気持ちがはれない。悩みが多い。
3)病気などで気分が悪い。

昔、「気絶するほど悩ましい」(阿久悠の作詞)という歌がありましたが、
歌のタイトルの「悩ましい」はまさにC.Sさんが書かれているのと同様で
1)の意味合いですよね。

このほかに 2)のような思い悩む状況を表すときにも「悩ましい」が
使われているようです。

「確信犯」は「道徳的・宗教的・政治的な信念に基づき、自らの行為を
正しいと信じてなされる犯罪」が本来の意味ですが
一方で「悪いことと知りながら犯罪を行う人(もしくはその行為)」
「結果を予想した上で計略を巡らす人」
という意味で使われている傾向があります。

取り違えた意味のまま浸透していく言葉があるのも否めませんが、
「これでいいの?」と疑問を持ち、言葉を見直してみることも大切
と感じます。

調べたり、話題として人に投げかけて一緒に考え、言葉への興味を持ち
続けていきたいものです。

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今週は、カタカナ言葉についての考察です。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < カタカナ言葉(5)
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カタカナ徒然

カタカナ言葉に関するあれこれを今週はご紹介してきました。
テーマ最終回の今日はかたい話はぬきにして雑学を少々。

カタカナ語には微妙な表記の違いで意味が違ってくるものがあります。
例えば…
「アルミホイール」と「アルミホイル」。
アルミホイールは車輪の構成要素、アルミホイルは台所用品のことです。

印刷会社の人は「インキ」と言いますが、万年筆やプリンタで使うのは
「インク」。

駅の売店といえば「KIOSK」ですが、JR東日本の管内では2007年7月から
「キヨスク」が「キオスク」に呼称変更されました。

「バレー」はスポーツですが、「バレエ」は華麗な踊り。

球を転がすスポーツが「ボウリング」で、温泉を掘削するのは
「ボーリング」。

一語の違いで意味ががらりと変わるので表記する際は注意が必要です。

▼ へんてこだけど使ってる…
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
話変わって…。
カタカナ語が省略されて半ば定着している言葉があります。例えば…

アポ=アポイントメント(面会の予約、会う約束)
ネゴ=ネゴシエーション(根回し、事前の交渉、談判)
キャパ=キャパシティー(容量)

がそれに当たります。
日本人って略すのが好きですよね。

カタカナ語というか英語の日本語化というのもよくあるケースです。
「いちばんベスト」とか「ジャッジする」とか…。
「ノミュニケーション」というのもあります。

文法的には「?」と思いますが、結構使っています。

すでにご存知のかたも多いと思いますが、こうした職場でよく使われる
カタカナ略語や日本語化した英語を網羅し、解説しているのが
「オトナ語の謎。」。

まずは索引でチェックして、オトナ語検索してみてください。笑えます。

オトナ語の謎。
索引 http://dictionary.jword.jp/otonago_index.html#TOP
検索 http://www.1101.com/otona/

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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 間違いやすい慣用句(5)
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慣用句のトリビア

<間違いやすい慣用句>シリーズの最終回は、意外に知らない本来の意味
など、豆知識としてご紹介します。

▼漢字の取り違い

悪が強い性格 ⇒ あくが強い性格
「あく」とは、しぶとさ、しつこさを意味する

右へ習え ⇒ 右へ倣え
「習う」は教わる、「倣う」はまねるの意

▼意味の取り違い

里帰り
もともとは、嫁いだあと、初めて実家に帰る儀式を指していた言葉。
現在はそこまで形式ばらず、一時的に実家に帰る場合に使われます。
「国外に流出していた北斎の浮世絵が○○美術館に里帰りした」というの
は「一時的」に戻ることではないので、表現としては不適切。

本家帰り
正しくは「本卦還り」。還暦のことで、十干十二支が60年で一回りし、
生まれた年の干支に戻ることを指します。

還暦
数え年61歳の異称。再び生まれ年の干支に戻るという意味。
満60歳の誕生日に迎えるものではないので、「9月に還暦を迎えた」とは
言わず、「父は今年、還暦です」と表現するのが適切。

元旦
元旦の「旦」は、夜明け、朝という意味で、元旦とは元日の朝を指す。
「元旦の夜」とは言わない。

※参考「朝日新聞の用語の手引」

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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 間違いやすい慣用句(4)
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微妙な違いの語

押しも押されぬ

けんけんがくがく

上記の慣用句、うっかり使っていませんか? 正しくは次のように書きます。

押しも押されもせぬ

けんけんごうごう(喧喧囂囂) または
かんかんがくがく(侃々諤々)

「押しも押されもせぬ」は、争う余地のない、ゆるぎない、れっきとした
という意味。   例)押しも押されもせぬ人気

けんけんがくがくは「けんけんごうごう(=口やかましく言い立てる)」
と「かんかんがくがく(=正論をはいて屈しない)」が混用されたもの
です。

▼ 気づかぬまま使ってませんか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
次の慣用句も取り違えしやすいです。

おぜん立てがそろう ⇒ おぜん立てをする

満面に笑顔を浮かべた ⇒ 満面に笑みを浮かべた

もうすぐ敬老の日ですが、次の慣用句も注意しましょう。

寄る年には勝てぬ ⇒ 寄る年波には勝てぬ

老体にむち打つ ⇒ 老骨にむち打つ

微妙な違いでうっかり見過ごしやすい言葉をピックアップしてみました。

※参考「朝日新聞の用語の手引」

 
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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法   < 間違いやすい慣用句(3)
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似て非なる用語

混同しやすい慣用句に次のようなものがあります。

いやが上にも

いやが応でも

意味の区別としては・・・

いやが上にも = ますます、いっそう
※もとは「弥が上にも」と表記

例)いやが上にも人気が高まっています。

いやが応でも = 有無を言わせず
「いや応なく」も同じ意味です。
※もとは「否が応でも」と表記

例)否が応でも要請があります。

もともと、違う漢字で表現された言葉だったのですね。

▼ 「異存」と「異議」の違い
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
漢字で混同しやすいのが
「異存」と「異議」です。

異存 = まだ心の中に「考え」がある状態
例)おっしゃることに異存はありません

異議 = 心の中にあった「考え」を発表した
例)会議で異議は出なかった
その発言に異議なし

「会議で異存は出なかった」というのは誤った使い方になります。

※参考 朝日新聞の用語の手引

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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法       < 間違いやすい慣用句(2)
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その他の誤用

昨日に引き続き、文化庁発表の2006年度「国語に関する世論調査」から、
慣用句などの誤用の実態調査にあった事例を紹介します。

次の例文に使われている慣用句の意味、あなたはどちらだと思いますか?

1)「その人は気が置けない人ですね。」の「気が置けない」
A)相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと
B)相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと

2)「彼はやおら立ち上がった」の「やおら」
A)急に、いきなり
B)ゆっくりと

本来の意味は

1)気が置けない = A)相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと

2)やおら = B)ゆっくりと

です。

調査の結果では、
「気が置けない」は48.2%の人が反対の意味のほうを(本来の意味で捉え
ていた人は 42.4%)、
「やおら」の意味も43.7%の人が反対のほうの意味(本来の意味で捉えて
いた人は 40.5%)で理解していたという数値が出ており、取り違えてい
た人がいずれの場合も若干多くなっています。

▼ 知っておいていい“本来の意味”
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
昨日、今日と例に挙げた慣用句は、日常生活、特にメールなどの書き言葉
で使うことは、実際のところあまりありません。

言葉は生き物、時代とともに意味や解釈も変わっていくという意見もあり
ますが、“本来の意味”は知っておいて損はないとも思います。

私自身もそうでしたが、意味を取り違えて使っていても、
「あれ? 本当はこういう意味なのか」と気づくきっかけがあれば、
言葉を見直し、意味を改めて調べることで語彙を増やすことができるので
はないでしょうか。言葉ってそうやって蓄積していくものように思います。

※参考 文化庁 平成18年度「国語に関する世論調査」の結果について
http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/yoronchousa/h18/kekka.html

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