今週は、お詫びの際のメール作法についてです。

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仕事のメ ー ル 作 法                       < お詫びのメール
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             反省の意思を伝える表現の注意点

▼ 「謹告」の文面に見るお詫びの表現
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
昨日、兵庫県尼崎市でのJR福知山線の事故から55日ぶりに宝塚―尼崎間の
運転が再開されました。再開に伴い、昨日の朝刊各紙には、西日本旅客鉄
道株式会社の「謹告」が掲載されていました。

※JR宝塚線(福知山線)塚口~尼崎駅間における脱線事故に関するお詫
びとお知らせ

この事故におけるJR西日本の対応についてはさておき、この「謹告」の文
面を見て、何かお気づきになりましたか?

「お詫び申しあげます」「お約束いたします」「全力を注いでまいります」
「お誓い申しあげます」「覚悟いたしております」。

いずれも「~したい」「~と思います」ではなく「する」と現在形で言い
切っており、「~したいと思います」というあいまいな言葉はみられませ
ん。敢えて挙げるなら、最後の数行目にある「…お亡くなりになられた方
々の御霊に報いてまいりたいと考えております」という表現でしょうか。

▼ 「~したいと思います」ではなく「~します」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
二度と過ちを繰り返さない意思を伝えるには、今後どうするか、どうして
いくかを言い切ることが重要。

たとえば、「二度とこのようなことがないよう注意いたします」。「~注
意したいと思います」と比べると、言葉の重みの違いが分かります。

特に「~したいと思います」は日常的に何気なく使っている表現だけに要
注意。反省の意を表す時に使うと軽々しい印象を与えてしまうことに。

余談になりますが、こうした公の文面のほか、DMや商品に同封されている
「ごあいさつ文」を注意して読んでみてください。お詫びの表現以外にも
参考になる言葉づかいを見つけることができますよ。

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今週は、表記の際の留意点についてです。

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 仕 事 ‎の メ ー ル 作 法         < 基準を持つ(3)
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             同訓異字・同音異議語の使い分け例

▼ 同じ読みで表記が違う言葉
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「会う」と「合う」の違い、ご存じですか?

「会う」は、主に人と人とがあう場合に使い、「合う」は合致、調和、互い
に同じ動作をするときに使うと、「朝日新聞の用語の手引」にあります。

人にあう時は「会う」、人以外にあう時は「合う」と、私は覚えるようにし
ています。さらに、遭遇、偶然という意味での「遭う」もありますね。
このように、同じ読みでも漢字表記が異なる語が幾つもあります。

たとえば「制作」と「製作」。

「制作」は、主として芸術的、ソフト的なものをつくる時に使用し、「製作」
は主として具体的、実用的なもの、主に量産するものをつくる時に使用(共同
通信社の「記者ハンドブック」より)。例としては、絵画・工芸品の「制作」、
機械・器具の「製作」。

混同しやすい言葉ですが、明確な区別はなく、映画、新聞、放送など、内容に
よって使い分けられることが多いです。私の名刺は「印刷物・出版物の制作」
としています。

▼ 表記の基準を設ける
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「十分」と「充分」。

統一用語としては「十分」です。けれど、私が担当している社内報では、社長
が「充分」を好んで使うので、敢えて訂正せず、その社内報では「充分」に統
一して使用しています。

このように、「用字用語集」にがちがちに縛られるのではなく、同じ人が書く
メールや文書、同じ会社が出す印刷物などによって表記の基準を設け、統一し
て使用するようにしています。

 

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今週は、表記の際の留意点についてです。

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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法         < 基準を持つ
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        言葉を綴る際に気をつけたいことを紹介します。

▼ その変換、正しいですか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「表わす」と「表す」。「製作」と「制作」。「こんにちわ」と「こんにちは」。

送り仮名や同音異義語、「わ」「は」や「じ」「ぢ」の使い分けなど、時とし
て気になる言葉の表記。パソコンを使用していれば、あたりまえのように打っ
た文字が自動的に変換されるので、文字の確認を辞書で調べるという習慣が激
減しました。それだけに、変換ミスや表記を勘違いしたまま使っている文章も
多く目にします。

スピードも要求されるビジネスメールのやりとりにおいて、いちいち文字の正
しい表記や使い方を調べてなんていられない、という声も聞こえます。

ですが、知っておいて損もないでしょう。よく使う言葉ほど、もう一度使い方
を確認してみましょう。

▼ 文章を書く際の基準を持つ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私が文章を書くとき、常に手元においているのが、共同通信社の「記者ハンド
ブック」と「朝日新聞の用語の手引」です。

駆け出し時代、上司から真っ先に購入するよう言われたのがこの2冊。いずれも
新聞で表記される用字用語の使い方が挙げられています。

すべての文章をこの通りに書くということではなく、表記の際の基準に今でも
しています。

メールもメルマガも、一冊の本の編集を手がける時も、言葉の表記の基準を持
つことが重要。書き手の個性を大切にしながら、表記に一貫性があることも文
章を書くうえで意識しておきたいことです。

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「気になる言葉」の完結編です。
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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法       < 読者からのおたより
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読者の「気になる言葉」

■「~したいと思います」 ——————————————–

話し言葉ではないのですが、「自身」という言葉を、自分自身とは分離して使
う例が特にスポーツ関係のライターに目立ちます。これもそのうち定着してし
まうのだろうと諦めてます。

また、最近の事故等に関連して当事者が「~したいと思います」と言ってから
頭をいっせいに下げるシーが見受けられますが、これには抵抗を感じます。
「~します」と言えないものでしょうかね。
(読者 Y.W様)
———————————————————————-

「私自身」「彼自身」とせず、単独で「自身」。私もたまに単独で使っていた
ので、ドキッとしました。省略したり間違ったままの言葉の使い方が流行のよ
うになり、定着していくことがあります。気をつけなくては…。

「~したいと思います」は話し言葉に限らず、書き言葉にも見られます。つい
なんとなく使ってしまいがちですが、特に謝罪の際に「~したいと思います」
では悔い改め、二度と同じ過ちは繰り返さないという強い気持ちが伝わってき
ません。

「~します」と言い切ることが信頼の一歩。ちょっとした違いですが、私も仕
事のやりとりでは意識して「~します」を使うようにしています。

■「逆に言うとね」 ————————————————–

「逆に言うとね」ってよく言われるんですが、あんまり逆じゃないことが多い
んです。                        (読者 N.I様)
———————————————————————-

「要するに」「やっぱり」などと同様、本来の意味としてより、合の手のよう
に使われている言葉ですよね。実際に聞いてみたら、逆でもなんでもなかった
ということがよくあります。

意味としては「ですが」「しかし」に近く、相手の意見に異を唱える際に使う
言葉のひとつでしょう。無駄な合の手にならないよう、意味が通る使い方を心
がけたいですね。

私は会社員時代に「でも」「だって」が多い、と上司からよく注意されました。
反対意見を言うときは途中で否定せず、まず相手の話を最後まで聞き、「おっ
しゃるとおりですね」「なるほど」「確かに」と受け入れてから、「こういう
考えもあるのではないですか」「私はこのように考えたのですが…」と意見を
述べるよう教わりました。

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今週のテーマは、断る時のメール作法についてです。◆────────────────────────────◆
 メ ー ル 作 法                          < 断りのメール(2)
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                                  依頼や誘いを断る時のメールのポイントです。

▼ 断る理由をはっきりと
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
依頼や誘いのメールを断る時は、「申し訳ないのですが」「あいにく」
「せっかくですが」など緩衝材になるひと言を、と昨日お話ししましたね。

次に大切なことは、断る理由をはっきりと相手に伝えることです。

気まずくなるからとあいまいにしたり、先延ばしにするのは却って印象を
悪くするだけです。「NO]という感情をあらわにする前に、断り方を工夫
して、好印象を残したいですね。

▼ 謝意と婉曲な言い方を心にとめる
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
たとえば、自分の仕事で手いっぱいのときに他の仕事を依頼された場合。
内心「え~っ、そんなの無理! できない」という状態でも、その感情の
ままメールで断ったのでは、もともこもありません。

「申し訳ありません。現在、○○○の仕事に追われており、すぐにはご依
頼の件にとりかかれない状態です」と、状況説明を。外注先からの仕事の
依頼の場合は、「ありがとうございます。せっかくのお話なのですがあい
にく現在…」と、まず、仕事の依頼への謝意を示すことも忘れずに。

会合や会食に誘われた際、断る時もやはり最初に「お誘いいただき、あり
がとうございます」と声をかけてもらったことへの感謝の気持ちを表すと、
感じがいいですよね。

それから「今日はあいにく友人と約束があり、ご一緒することができず残
念です」「ご一緒したいのですが、今日は英会話教室へ出席の日で変更が
難しいのです」と、理由を述べます。

「すみません」より「申し訳ありません」、「できません」「行けません」
より「難しいです」「残念です」。丁寧に、あるいは直截的な言い方を婉
曲に言い換えるだけでも、印象は変わってくるものです。

明日は、断ったあとのフォローについてお話しします。

 

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お す す め メ ル マ ガ
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私が好きで読んでいるメールマガジン、おすすめしたいメールマガジンを
ここで順次紹介していきます。

製造技術ポータルサイト「@engineer(アットエンジニア)」が
発信するメールマガジンです。

全国から寄せられる「調達案件」や「最新技術」「製品」「技術系企業」
情報をタイムリーに知ることができます。

メンバー登録が必要ですが、登録は無料。

メルマガ以外にも、製造業に特化した企業・調達・技術情報を入手でき
るほか、製造技術系企業の検索なども行えますよ。
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製造技術者向けメールマガジン「Naviメール」
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「ものづくり支援サイト@engineer(アットエンジニア)」が発行する
製造業の話題を中心としたメールマガジンです。
全国から集まる「調達案件」や「最新技術・コスト削減事例」等の情報を
お届けします。

「Naviメール」

ものづくり支援サイト「@engineer」

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製造系企業や新製品・技術について情報収集におすすめです!

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今週のテーマは、自己中心的な「迷惑メール」です。

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 仕 事 の メ ー ル 作 法         < 迷惑なメール(3)
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今日は「愚痴、悪口」の迷惑メールについてです。

▼ 愚痴や悪口は自分の評価を落とす
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愚痴や人の悪口を綿々と書いたメール。かなり、迷惑です。

書いているほうはそれで気分が晴れるのかも知れませんが、受け取る側は
たまったものではありません。

そういうメールに限って文章量が多いのも常。それだけの労力、もっとほ
かに回したほうがいいのでは、と思ってしまいます。私の知らない第三者
のことが書かれている場合もありますが、同意のしようがありません。

マイナスの感情を回りに撒き散らしても、自分の評価を落とすだけで、そ
れがプラスに変わることはないのです。

▼ 勝負のポイントは別にある
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
なめられて腹が立つ、認められないのが悔しい。ないにこしたことはあり
ませんが、仕事をしているとそういう感情にとらわれることもあります。

初めての相手、しかも男性の多い職場では、未だにお子様扱いでなめた態
度をとられることが私にもあります。でも、そこで目くじら立てても仕方
ない。ニッコリ笑顔で聞き流し、仕事でかたをつければよいことです。

感情に感情で応酬してもヒートアップして収拾がつかなくなるだけ。目先
の感情に左右されず、勝負のポイントを別に置くほうが精神衛生にもずっ
と良いです。

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