今週は、言葉の思い違いや勘違いについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 嗚呼、勘違い(2)>
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「胸が熱くなる」

社内行事で、ある記念館を見学した3人の事例を挙げます。年齢も役職も異な
る3人の感想です。

「彼らが遺した言葉に胸が熱くなりました」
「子どもを持つ親として、胸が熱くなりました」
「手紙には家族に対する感謝と前向きな言葉が多く、胸が熱くなるものがあり
ました」

三者三様の感想文に、共通して使われている「胸が熱くなる」という言葉。じ
いんと感動がこみ上げてくることを指します。

戦地へと向かう若者たちが家族に宛てた遺書の展示を見学し、心を動かされた
様子を述べる際に、3人がそれぞれに使っているのですが、この場合は感動で
胸が高ぶる状態というより、悲壮な状況にありながら家族を思う遺書を目にし
て「胸が痛む」「胸に迫るものがあった」「言葉もない」といった表現の方が
しっくりくるように感じました。

「胸が熱くなる」を調べているうちに、「胸熱(むねあつ」という略語が【20
10年ネット流行語大賞】のトップテンにノミネートした若者言葉の一つとあり
ました。感動の程度を表す言葉として、別のニュアンスで使われていたことを
今さらながら知り、上記の感想文に「胸が熱くなる」が共通して使われていた
理由が理解できました。

人が心を動かされている状態を、とやかく言うのも野暮な話ではありますが、
感情を表す言葉にはプラスの方向・思考を表すものだけでなく、悲しみややる
せなさといったマイナスな感情もあります。

心動かされた状態を「胸が熱く」という言葉だけで片付けてしまうと、上記の
事例に挙げたような、別の人が書いているのに似たような感想になってしまう
ことを残念に思いました。

言葉の勘違いというテーマから外れるかもしれないですが、気になったので
書いておきます。

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今週は、読者の方からの質問にお答えします。
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    仕 事 の メ ー ル 作 法                                         < 読者からの質問(4)>
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                                                                                                         時間の表現

<読者からの質問>—————————————————-

質問です。
美容室に予約電話がかかってきた時に
間違いを防ぐため予約時間を言い変えて復唱すると思うのですが
(16時⇒午後4時)

10時、12時、17時の時間を表現するのに最適なのは、
どのような表現でしょうか。

10時を午前10時と表現すると、夜10時のはずないやろ! とツッコまれそうで
おかしいでしょうか。朝10時などのいい方がいいでしょうか

12時は12時とそのまま言うのがスッキリしている気がしますが
零時、正午、正午零時なども間違っていないでしょうか。
午後零時は二重表現にあたりますでしょうか。

午後5時も間違っていないとは思いますが
夕方5時の方が時間帯的にはより適切な気がします。

時間の適切な表現について教えていただきたいです。
(読者 S.Mさん)
———————————————————————-

電話のやり取りで、相手に正確に時間が伝わり、記憶に留めてもらうことを考
えると

10時 → 午前10時、朝10時
12時 → 正午、昼12時
17時 → 午後5時、夕方5時

とするのが良いように思います。

一般的な美容室では、時間としては10時から19時くらいの時間設定でしょうか
ら「10時」といえば、言う方も言われる方も午後ではなく「午前10時」を想定
・認識するとは思いますが、

時間の前に「午前」「午後」が付くだけで、時間の認識がしやすくなります。
「朝」「昼」「夕方」も同様で、言葉を添えることで、時間のイメージがしや
すくなると思いませんか。

ただ、「午前」「午後」を使うと少々堅苦しい感じもするので、懇意な相手や、
親しみやすい口調でやり取りしたい場合は「朝」「昼」「夕方」としてよいの
ではないでしょうか。

私が以前通っていた美容室は、予約があれば深夜営業もするところで、夜の11
時とか、終了が午前1時なんてこともあるということでした。そのような特種
な営業形態の場合は、「10時」だけでは朝か夜か分からないので、時間の前に
「午前」「午後」、あるいは「朝」「夜」を添えてやりとりする必要があります。

どの言い方が正しいとか適切というよりも、この場合は、相手に正確に時間が
伝わることが大切なので、店側、客側が双方とも取り違えず時間を認識できれ
ば、どのような言い方でも良いと考えます。

ちなみに新聞表記では
時刻は「午前」「午後」を使い、「午前10時」「午後5時」のように書きます。

昼の12時ちょうどは「正午」、昼の12時15分は「午後0時15分」、
夜の12時ちょうどは「午前0時」、夜の12時15分は「午前0時15分」
と表記します。

 
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              今週は、読者の方からの質問にお答えします。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(3)>
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                     「下さい」か「ください」か

<読者からの質問>—————————————————-

以前、「漢字表記かひらがな表記か」についての質問をメルマガで取り上げて
いただいた中で、「下さい」の表記についてのバックナンバーが載せてあり、
「ちょうだいしたい」という意を表す時は漢字の「下さい」、動詞の連用形に
補助動詞として付く場合は「ください」にするとのことでしたが、それを意識
しながら仕事をしている中で疑問に思ったことがありました。

「ご連絡ください」は、「連絡して」を敬語にするために「ご~ください」を
当てはめているので平仮名の「ください」になるかと思っているのですが、
親しい間柄の人などに「ご連絡下さいね」という場合は「連絡ちょうだい」
という意図で使うので漢字の「下さい」になるのかなと、判断に迷っています。

同じ「ごれんらくください」でも意図によって「ください」を漢字にする場合
と平仮名にする場合があるのでしょうか。

「ご報告ください。」「ご報告下さい。」も同じように迷っています。

                           (読者 Y.Nさん)
———————————————————————-

上記の「漢字表記かひらがな表記か」についての質問のバックナンバーはこちら

▼「いたします」か「致します」か< 漢字か、平仮名か > VOL.3078

「下さい」と「ください」について整理すると……

・漢字の「下さい」は、動詞「くれ」の尊敬・丁寧表現

・かなの「ください」は補助動詞として、何かをお願いするときや、
 敬意を表すときの尊敬・丁寧表現

「下さい」「ください」ともに敬語として使うことができます。

相手に、連絡を「ちょうだい」という意で伝えるときは
「連絡を下さい」
ですが、敬語にする場合は「連絡」の前に「ご」を付けて
「ご連絡を下さい」。

※ここでのポイントは、いずれも「下さい」の前に「を」を入れること。

ただ、敬語で伝えるなら「ご連絡を下さい」より
「ご連絡をいただけますか」
と言い換える方が丁寧で収まりが良いと思います。

一方、「連絡してほしい」という意を伝えるときは
「連絡してください」
「ご連絡ください」

この場合の「ご連絡ください」が敬語として機能します。

表記をもとに違いを挙げれば、上記のようになりますが、そこまで厳密に表記
の違いにこだわる必要はないと思いますので、
目上の相手には「ご連絡ください」
そうでない相手には「連絡してください」
と使い分ければよいのではないでしょうか。

「報告」の場合も表記の違いに基づくと
「報告をちょうだい」という意を伝えるなら「報告を下さい」
報告を求める場合は「報告してください」「ご報告ください」
ですが、

敬語で使うなら「ご報告ください」
そうでない場合は「報告してください」
とすればよいと思います。

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今週は、読者の方からの質問にお答えします。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(2)>
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                          メールの終わり方

メールの終わり方(完結の仕方)についての読者からのメールです。

<読者からの質問>—————————————————-

受信で始まったメールには、
返信で「承知しました」の旨を伝え、必ず自分返信で「完結」するよう心がけ
ています。

自分発信に関しても返信が来た場合は、先方の言い方にもよるのですが、それ
に対し「それでは宜しくお願いします」的な旨を記述、再返信し、自分の中で
「完結」としています。

随分前ですが、未読のまますっぽかされた苦い経験があり、自然とこのような
習慣が身につきました。

ただ、往来が増えると先方にも煙たがられるのでは? と気になるのも当然です。
メーラーによりけりですが、開封済みが自動返信されれば読まれたと判断できる
ので、不要な往来は防げます。

決まったルールは無いので、気を使う人間ばかり労力が増えるのはやむを得ま
せんが、神垣さんはどのように処理されているのでしょうか?
持論がおありでしたら、参考までにいただけると助かります。
(読者 H.Tさん)
———————————————————————-

持論と言えるかどうか分かりませんが、当メールマガジンでも自著でも
下記のパターンを基本スタイルとしてきました。

1)自分からメールを送った場合は「一往復半」

(1)自分から送信    自分→相手
(2)相手から返信    相手→自分
(3)自分から再度送信  自分→相手  … 終了

2)相手からメールが送られてきた場合は「一往復」

(1)相手から送信    相手→自分
(2)自分から返信    自分→相手  … 終了

詳しくはこちら

ただ、状況の変化に伴い、対応も変わりつつあります。

H.Tさんが書いておられるとおり、決まったルールはありません。
その時の状況、相手に合わせて最適な方法をとることがポイントだと思いって
います。

 
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              今週は、読者の方からの質問にお答えします。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問 >
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                      「申し訳ございません」?

<読者からの質問>—————————————————-

「申し訳ございません」という表現についてお尋ねします。
「申し訳ない」という、形容詞で覚えています。
ですので、「ない」の部分を「ございません」に変えるのは、気持ちが悪い
印象です。
しかし、最近では申し訳ございませんの方が認知されているように思えて、
少し自信をなくしそうです。

同じことを、「滅相もない」「とんでもない」にも思います。
(「とんでもございません」というのを聞くと、とても気持ちが悪いです)
すっきりした解説をお願いいたします。
                           (読者 T.Sさん)
———————————————————————-

T.Sさんがおっしゃるとおり、「申し訳ない」は「~ない」までを含めて一つ
の言葉です。

この「ない」は、「できない」「自信がない」のような否定や打ち消しの「な
い」ではなく、本来なら「申し訳ないことです」という使い方をします。

しかし、一般には「申し訳ない」の「~ない」を「~ございません」「~あり
ません」と言い換えた「申し訳ございません」「申し訳ありません」という使
い方が広まっているのが現状です。

残念ながら、「申し訳ないことです」を後押しするすっきりした解説が私にも
できません。そこで、国立国語研究所の下記の記事を参考にしてください。

▼よくある「ことば」の質問 「申し訳ございません」

▼謝罪の言葉< 表現のバリエーション(2)> VOL.1933

「とんでもない」「めっそうもない」の関連記事はこちら

▼とんでもございません< 読者からの質問(2)> VOL.641

▼「めっそうもない」< 便利な言い回し(4)> VOL.1428

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今週は、メールとLINEの伝達方法の違いについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < メールとLINEの間(4)
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                         シナリオとアドリブ

即時対応なLINEのやり取りを見ていて感じるのは、「考えてから書く」のでは
なく「書きながら考えている」ことです。

伝達内容を事前に整理し、まとめてから書くのではなく、やりとりしながら、
そのときのノリやなりゆきで判断していく感覚。そこに「書き言葉」「話し言
葉」の区別はなく、文字を打っていますが、内容はほぼ会話に近いやり取りで
す。

スマホと直結したLINEのやりとりで特徴的なのが、「ながら打ち」できること。

電車やバスで移動しながら、何かの作業をしながらその合間に、といった具合
に、スマホを手にしている状態であれば、いつでもどこからでも伝達できるの
で、別の行動・動作をしながら同時進行で連絡できてしまうのはLINEの便利さ
でもあり、弊害でもあるでしょう。

細切れのやり取りが生まれるのも、ながら打ちできるから。

「書きながら考える」LINE的コミュニケーションは、即決即行ができます。集
中してぱぱっと物事を進めていくのに便利。

一方「考えてから書く」メール的コミュニケーションでは、全体を把握した
上でポイントを抽出し、要点をまとめて伝達するため、準備やまとめる時間を
要しますが、その分、情報の精度は上がります。

シナリオや設計図を事前に用意して組み立てるのがメール的コミュニケーショ
ンとすれば、その場のノリや状況に合わせてアドリブで対処するのがLINE的コ
ミュニケーションと言えそうです。

ただ、優れたアドリブはシナリオを事前に読み込んで準備しているから可能な
のであって、何もベースがないまま出たとこ勝負で演じるアドリブは、誰にも
通じず場を白けさせる危険もあります。

 

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