今日は、「国語に関する世論調査」について取り上げます。
◆────────────────────────────◆
秋 の 特 別 編    < 2020年度の調査結果(3)>
◆────────────────────────────◆
「見れる」か「見られる」か?

先週の9月24日に文化庁から発表された、
2020年度「国語に関する世論調査」をもとに
言葉の意味や用法を紹介します。

前回同様、調査と同じ質問に回答してみてください。

下記にそれぞれに挙げた二つの言い方のうち、
あなたが普通使うものはどちらですか。

(1)
(ア)こんなにたくさんは食べられない。
(イ)こんなにたくさんは食べれない。

(2)
(ア)朝5時に来られますか。
(イ)朝5時に来れますか。

(3)
(ア)彼が来るなんて考えられない。
(イ)彼が来るなんて考えれない。

(4)
(ア)今年は初日の出が見られた。
(イ)今年は初日の出が見れた。

(5)
(ア)早く出られる?
(イ)早く出れる?

本来の使い方は、
(ア)の「食べられない」「来られますか」「考えられない」
「見られた」「出られる?」です。
いずれも、動詞の未然形+可能の助動詞「られる」。

調査の結果では、
(2)の「来れますか」、(4)の「見れた」を使う人が
過半数を占めました。

「見れる」「出れる」「来れる」などの形は、
五段活用動詞(「読む」「書く」など)から生じる下一段活用の
可能動詞(「読める」「書ける」など)の影響があるようです。

▼令和2年度「国語に関する世論調査」の結果について

バックナンバーに関連記事があるので、参考にしてください。

▼見分ける練習<「ら」抜き言葉に注意(4)>VOL.1786

▼「ら」抜き言葉が主流に?<「ら」抜き言葉に注意(5)>VOL.1787


 
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   今日は、「国語に関する世論調査」について取り上げます。
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 秋 の 特 別 編    < 2020年度の調査結果(2)>
◆────────────────────────────◆
         「寸暇を惜しまず」か「寸暇を惜しんで」か

先週の9月24日に文化庁から発表された、
2020年度「国語に関する世論調査」をもとに
言葉の意味や用法を紹介します。

前回に続き、調査と同じ質問に回答してみてください。

下記に挙げた(1)から(3)の内容を表現するとき、
それぞれ(ア)と(イ)のどちらの言い方を使いますか。

(1)知られていなかったことが、世間に知られること
(ア)明るみになる
(イ)明るみに出る

(2)僅かの時間も無駄にしない様子
(ア)寸暇を惜しまず
(イ)寸暇を惜しんで

(3)快く承諾すること
(ア) 一つ返事
(イ)二つ返事

本来の言い方は下記のとおりです。
(1)知られていなかったことが、世間に知られること
(イ)明るみに出る

(2)僅かの時間も無駄にしない様子
(イ)寸暇を惜しんで

(3)快く承諾すること
(イ)二つ返事

それぞれの言葉の由来や使い方について、
過去の記事で紹介しているので、参考にしてください。

▼「明るみに出る」について
< 間違えやすい言葉(4)>VOL.902

▼「寸暇を惜しんで 」について
< 間違えやすい慣用句(4)>VOL.1984

▼「二つ返事」について
< 気になる言葉(5)>VOL.1806

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今日は、「国語に関する世論調査」について取り上げます。
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 秋 の 特 別 編           < 2020年度の調査結果 >
◆────────────────────────────◆
            「がぜん」「破天荒」等の言葉の意味

先週の9月24日に、文化庁から2020年度の「国語に関する世論調査」
が発表されました。

そこで、今日から5回にわたり、文化庁世論調査の結果をもとに
言葉の意味や用法を紹介します。

まずは、調査と同じ質問に回答してみてください。

下記に挙げた(1)から(3)の言葉は、それぞれ(ア)と(イ)の
どちらだと思いますか。

(1)がぜん
(ア)とても、断然
(イ)急に、突然

(2)破天荒
(ア)だれも成し得なかったことをすること
(イ)豪快で大胆な様子

(3)すべからく
(ア)すべて、皆
(イ)当然、是非とも

いかがでしたか? 本来の意味は下記のとおりです。
(1)がぜん
(イ)急に、突然

(2)破天荒
(ア)だれも成し得なかったことをすること

(3)すべからく
(イ)当然、是非とも

(1)がぜん の質問は、2020年度の調査で初出ですが
(2)破天荒 は2008(平成20)年度に
(3)すべからく は2010(平成22)年度にも調査されています。

恥ずかしながら、私はこれまで
「がぜん」を「とても、断然」という意味で使っていました。

文化庁による解説が新聞にありましたので、紹介します。

・「がぜん」は、漢字で書けば「俄然」。
「俄(にわか)雨のように、急な様子を表す。この漢字を使う
ことが少なく、音が似ている「断然」と意味が混同しやすい。
昭和初期に「とても」の意味で使うのが流行した時期があり、
その影響が残っているとの見方がある。

・「破天荒」は、中国の官吏登用試験だった科挙で、合格者が
なかった地域(天荒)から初めて合格者が出たことに由来する
故事成語。
「破」「荒」の漢字のイメージから、大胆という使われ方が
広まったと推測される。

「すべからく」については過去のメルマガ記事で紹介しているので
参考にしてください。

▼「すべからく」< 好感度アップの表現法(4)>VOL.1717

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今日は、読者のかたからの質問にお答えします。
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読 者 か ら の 質 問 NEW   「イエローカードをもらう」
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<読者からの質問>—————————————-

息子がサッカー中継を見ていたら、解説者が
「前半のこの早い段階でイエローカードをもらってしまうと…」
と。

「もらう」っていうのは
ありがたいものをいただいたときに使うような印象があり、
イエローカードを出されてしまう時に使うのは
違和感がありました。

代わりに 何と言えば良いのでしょう?
(読者 H.Iさん)
———————————————————-

「もらう」の意味を辞書で調べてみると
「贈り物を受ける」のほかに
「自分が望まないものを与えられる」という意味があります。

ですから、実況での「イエローカードをもらってしまう」
という表現は、あながち間違いではないのかもしれません。

ただ、イエローカードは審判が選手のプレイを反則と判断して
「示す」カードですから、
選手が「もらう」と言うのであれば、まだ分かりますが
第三者である解説者が「もらう」と言うのは意味が違う
気がします。

では、どのように伝えればよいか─。

「イエローカードを(が)提示されると」
「イエローカードを(が)出されると」
「イエローカードを(が)受けると」
「イローカードを与えられると」

などが考えられます。

書き言葉としては
「前半のこの早い段階でイエローカードを提示されると…」
とすると収まりがよく

話し言葉としては
「前半のこの早い段階でイエローカードを出されてしまうと…」
とすれば、自然ではないでしょうか。

上記の表現は4つとも、ニュース記事を参考にしました。
「イエローカード」で検索し、「ニュース」のタブで
記事を抽出すると、上記の表現が使われているのを
知ることができます。

見たり聞いたりした言い回しで
「今の表現、ちょっとひっかかるな」と感じた時は
このような方法で調べてみるのも一つです。

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        今日は、読者のかたからの質問にお答えします。
◆────────────────────────────◆
 読 者 か ら の 質 問       どこまで返信するか
◆────────────────────────────◆

<読者からの質問>————————————

 メールが苦手な私です。
 神垣さんのメールマガジンを読んで参考にしています。

 教えていただきたい事があります。
 会食などのやりとりや社外の相手先等のメールのやりとり、
 どこまで返信して、どこで終わりにしたらいいいのか、
 マナーやルールを教えてください。
 よろしくお願いいたします。
                  (読者 Y.Sさん)
——————————————————

客先や目上の相手へのお礼メールに
相手から「お礼のお礼」が返ってくることがあります。

そんなとき、「お礼のお礼」にまたお礼で返すべきか否か
迷うことがありますよね。

状況や相手との関係によっても対応は異なると思いますが
私だったら、という観点で回答するので、参考にしてください。

まず、1つ目。会食の後のメールのやりとりの終わり方
についてです。

私の場合は、会食直後に
「今日はありがとうございました」と相手に直接お礼を言った翌日
午前中の早いタイミングで
「昨日は、ありがとうございました。
 〇〇さんといろいろお話できて楽しかったです」
といったお礼のメールを送ります。

自分からのお礼メールに対して、多くの場合
相手から返信があると思いますが、
そのメールに返信はせずに、やりとりは終了とします。

なぜなら、自分から相手へのお礼を伝える
というメールの目的は達成しているからです。

自分からのお礼メールに、相手から返信があった場合
相手の配慮に感謝はしますが、目的は達成されているので
それ以上の返信はしません。

相手から返信がなくても、自分の目的は果たしているので
それでOK。

ただし、仕事などの用件がある場合は
まず、会食のお礼を伝えた後、用件に入り
やりとりを続けます。

次に、社外の相手とのメールのやりとりの終わり方についてです。

これは2通りあります。
 A)自分から連絡する場合
 B)相手からの連絡を受ける場合
です。

A)自分から連絡する場合
 1)自分から送信

 2)相手からの返信

 3)自分から送信して終了

3)の返信は「承知しました」程度の短い連絡でよいと思います。
相手のメールを読みました、理解しました、という連絡だからです。

B)相手からの連絡を受ける場合
 1)相手からの連絡

 2)自分から相手に返信

基本的にはこれで終了ですが、
2)以降も相手からお礼や了解の連絡があった場合
用件についてのやり取りが完了しているのであれば
返信はする必要はないと考えます。

最初のメールの目的が達成されていたり、用件が処理できていたり
していれば、それ以上のやり取りは不要ですよね。

儀礼的なメールの返信を続けるのは
お互いに時間と労力のムダになります。

返信を続けるべきかどうか迷うときには
そのメールの本来の目的を考えると
どの時点で終了すべきか、判断できるのではないでしょうか。

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今日は、読者からの質問にお答えします。
◆────────────────────────────◆
読 者 か ら の 質 問           続・間違いやすい? 間違えやすい?
◆────────────────────────────◆

昨日、配信した記事で

——————————————————-
「間違う」「間違える」と動詞としては2種あるのですが、
「やすい」はご指摘の通り、動詞の連用形に付くので、
いずれの場合も「間違えやすい」と表記するのが妥当です。
——————————————————-

という記述について
読者のかたから

「間違う」は、ワ行五段活用で、
連用形は「間違い」となるので
「間違いやすい」で良いのでは?

というメールをいただきました。

私が混同してしまっていた面があるので
整理して訂正します。

「間違う」「間違える」と動詞としては2種あるのですが、
「やすい」は、動詞の連用形に付きます。

「間違う」は、ワ行五段活用で連用形は「間違い」。
「間違える」は、ア行下一段活用で連用形は「間違え」。

したがって、それぞれの連用形の後に「やすい」を付けると
「間違う」は「間違いやすい」、
「間違える」は「間違えやすい」
ということになります。

では、「間違う」と「間違える」の意味の違いは……

もともと「間違う」は自動詞、「間違える」は他動詞という違いが
ありましたが、現在はその区別なく使われていることが多いようです。

意味としては、
「間違う」が正しくない状態を指すのに対し、
「間違える」は取り違える、
という違いがみられます。

当メールマガジンでは、
取り違えることの多い言葉を紹介しているので、
間違えることの多い言葉ということで
「間違えやすい」で表記を統一したいと思います。

昨日の記事を改めました。参考にしてください。



 
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