今週は、読者の方からの質問に回答します
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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(5)
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                         「ご笑納ください

<読者からの質問>————————————————

「ご笑納ください」の使い方について、ご教示いただきたく、
メールを差し上げました。

弊社に見学や視察にいらっしゃった外部のお客様に、
その時の様子のお写真をお礼状と共にお送りするのですが、
「お写真を同封いたしました。ご笑納ください。」という使い方は適切ですか?

お客様ご本人が写っている写真なので
「笑納」ではおかしいと思うのすが、同僚はそう書いています。

私の周りに日本語の達人がおらずモヤモヤしております。
(読者 K.Sさん)
——————————————————————

「ご笑納ください」は
たいしたものではないので、どうぞ笑ってお納め(受け取って)ください
という意味合いで使う、一種の謙遜表現です。

客先や目上の相手に贈り物をするときの
へりくだった言い回しとして
よく使われますが

上記の質問では
粗品とか記念品ではなく
会社を訪れたお客様を写した写真なので

K.Sさんが書いている通り「ご笑納ください」
を使うのはふさわしくありません。

代わりの言い回しとしては
「お納めください」「お受け取りください」
が挙げられます。

「お写真を同封いたしました。ご来訪の記念にお納めください

という一文を添えてみてはいかがでしょうか。

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今週は、読者の方からの質問に回答します
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(4)
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                            社内の反応

昨日、取り上げた「敬語の向かう先」についての質問と回答に
質問者から次のような返信があったので、紹介します。

<読者からの返信>————————————————

このようなケースでは、やはりB社に対する敬語は不要ということですね。
とても腑に落ちました。

ただ悲しいのは、このような敬語はおかしいです、
むしろ提出先のお客様に対して失礼にもなります、と
社内で指摘しても受け入れられないことです。

私自身「敬語の向かう先」ということを
今回初めて意識したので偉そうなことは言えないのですが、
「社外の会社や人すべてに敬語は使うもの」という一元的な考えに
安住している人たちは耳を貸してくれませんでした。

「させていただきます」もいまだにかなり横行していて悲しく思う反面、
言葉は変化していくもの、多数派の勝ちなんだろうか、
今回の文書にしても、お客様も「社外全てに敬語は使う」派だったら
問題ないのだろうし……と、思い悩む毎日です。
(いえ、そんなに深くは悩んでいませんが^^;)

せめて自分が当事者として作成する文書では、
できる限り正しい日本語を使うよう、今後も努めてまいります。

(読者 M.Sさん)
——————————————————————

M.Sさんのように
「なんだか変だな」と気づき
調べたり、人に質問して
自分では納得できたのに

それを社内で指摘しても
「うちの社では昔からこうだから」と習慣化していたり
「今までこれで通用したんだから問題ない」とやり過ごされたりして
受け入れてもらえない

という声は、他の質問者からも何度となく聞いてきました。

メールの言葉遣いや言い回しが
本来の使い方とは違っていても
「多勢に無勢」「長いものには巻かれろ」
さらには
「言葉は生き物。変わっていくものだから」
と片付けられてしまうのは、切ない話です。

でも、M.Sさんが最後に書いている通り
「せめて自分が当事者として作成する文書では、
できる限り正しい日本語を使うよう、今後も努めてまいります」
という気持ちを忘れずに持ち続けてほしいと願っています。

小さな抵抗、わずかな力かもしれませんが
社内の理解は得られなくても
自分が直接指導する新人や後輩には
教える機会があるかもしれません。

言葉の本来の意味とか使い方、
正しい表現と誤った表現の違いを
知らずにいるより、知っておくことで
あなた自身の信頼が増し、好印象を与えると信じています。

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 仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(3)
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                          敬語の向かう先

<読者からの質問>————————————————

VOL.2359 の「敬語の向かう先は」という視点は、

今まであまり考えたことがなかったので、はっとしました。
(自分と自分の身内以外には、全てに対して敬語を使うものと、
なんとなく思っていました)

この点で、ちょうど私の会社の文書で気になったものがあります。

文書の内容は、お客様A社に対する文書で、
弊社と弊社のパートナー会社であるB社の両者のミスにより
A社にご迷惑をおかけしてしまったことをお詫びする内容です。

宛先はA社、差出人は弊社のみ(B社との共同文書ではない)です。

その文書の中で、B社に対して一貫して敬語が使われているのです。
もちろん、弊社対B社という2者間の場合は
弊社からB社に対して敬語は使いますが、

このVOL.2359を読んだあとでは、
この文書の中では第3者であるB社に対して敬語を使っていることが
気になってきました。

この文書はA社と弊社の2者間のものなので、敬語の向かう先はA社であり、
B社に対しては敬語は不要なのではないかと思えてきました。

ただ、B社はA社も知っている会社で、
「見ずしらすの会社」でもなく「直接関係がない」わけでもありません。

このような場合の「敬語の向かう先」は
どこと定めれば良いのでしょうか。
(読者 M.Sさん)
——————————————————————

M.Sさんが書いている通り、このケースでは
敬語の向かう先はA社です。

したがって
B社はA社に対しては「こちら側(=M.Sさんの会社側)」の存在ですので
A社に対する文章では、B社に敬語は使いません。

例えばこんな感じです。

「このたびの件につきましては
弊社のパートナーであるB社様からご連絡をいただけず
対応が遅れたため、(貴社には)大変ご迷惑をおかけいたしました」

という書き方は
A社宛ての文章なのに
B社に対しても敬語が使われていてNGです。

下記のように、B社に関する記述には敬語を使わず
事実のみ述べるに留めます。

「このたびの件につきましては
弊社のパートナーであるB社からの連絡が滞り
対応が遅れたため、(貴社には)大変ご迷惑をおかけいたしました」

このようなケースでは
B社に敬語を使っていないからといって
B社に失礼になるわけではありません。

敬語の向かう先(=立てる相手)は基本的に
一つだということを
気に留めておいていただけたらと思います。

 
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仕 事 の メ ー ル 作 法                                < 読者からの質問(2)>
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「迷子のおじいちゃま」!?

<読者からの質問>————————————————

「受給を受ける」< 重言注意!(5)>VOL.2309

の重言「迷子の子ども」について、お尋ねしたいことがあります。

最近は携帯が普及しているので、
デパートや駅で迷子アナウンスをあまり耳にしませんが、
「迷子のお子さんを」と聞いた気がします。

迷子といえば子どもですが、
時代とともに「迷子のおじいちゃま」と区別し分かりやすくするには、
このような表現になってしまうかと思いますが
やはり重言なのでしょうか。

例えばデパート内で はぐれただけで「徘徊しているおじいちゃま」と
アナウンスするわけには いかないでしょうし、
知的障がい者は大人でもはぐれてしまう ことがあり得ます。

レジを待てずに好き勝手に動いてしまう「迷子のパパ」も、捜索対象。
「迷子のご家族」では仰々しく、短い言葉で表すのは難しいです。

(読者 Y.Kさん)
——————————————————————

「迷子」という言葉を、連れにはぐれた子どもという意味で使えば
「迷子の子ども」は重言です。

「迷子のお子さんを」という言い回しをそのまま使うのではなく
「迷子になっているのは、3歳くらいの男の子です」
「3歳くらいの男の子が迷子になっています」
とすれば、重言になるのを避けられます。

Y.Kさんの質問にある大人の迷子の場合は
「迷子」を連れにはぐれた人という意味で捉えれば、
「迷子のおじいちゃま」は成立すると思います。

ただ、「迷子のおじいちゃま」
とアナウンスするのは言う方も聞く方もしっくりきません。

子ども以外の迷子の場合も
「迷子」という言葉を使わず
「80歳の青い帽子と紺色のジャンパーを着た男性がご家族をお探しです」
といった具合に、
迷子になっている人の年齢とか服装の特徴を言えば、
探している人には見当がつきます。

「迷子の~」のようなくくり方ではなく
「〇歳くらいの〇〇を着た男の子(女の子)」
「身長〇センチの〇〇のカバンを持った男性(女性)」
のように
探されている人の見た目の特徴を分かりやすく挙げると、
探している人にはピンときます。

こうした具体的な表現にすれば
アナウンスする人も、アナウンスされる人も
抵抗なく言い、聞くことができるのではないでしょうか。

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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問
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                  「改めて連絡します」に対する返信

<読者からの質問>————————————————

◆メールの返信の有無、方法を教えてくださいませ。

私は、業務上他社様のトップ経営陣の秘書の方々と
頻繁にメールでの連絡をするのですが、
アポイントの依頼メールを送信した後、相手様より
「上司の○○に確認し、改めて連絡いたします。」
というようなメールをよく頂戴します。

この、「改めて連絡します」のような内容のメールに、
返信をすべきかどうか、または必要なのかどうかについて
悩んでおります。

返信をする場合は、
「ご返事をお待ち申しあげております。」
のような返信でよろしいのでしょうか。

あまり内容の少ない(意味を持たない)メールを、
お忙しい秘書の方に送信するのも、印象を悪くしそうで
不安なのですが、いかがでしょうか。
(読者 A.Kさん)
——————————————————————

私の場合は
先方から「改めて連絡します」という連絡があった場合は
特に返信せず、連絡を待つようにしています。

ただ、このような対応をした場合
稀に先方が「改めて連絡」することを忘れていることがあるので
1週間ほどしても連絡がないときは

後日、ご連絡をいただけるとのことでした
○○の件については、いかがなりましたでしょうか?

という確認をすることになります。

こうした状況を避けるためにも
A.Kさんが書かれているような返信をする方が
確実かもしれません。

その際は

承知しました。
 それでは、ご返事をお待ち申しあげております

のように「承知しました」にひと言添えると
返信として収まりが良いと思います。

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今週は、それらしく見える間違った言い回しを取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法      < 変な言い回し(5)
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続けれない

今週は、うろ覚えのまま、なんとなく使ってしまいがちな
言い回しの間違いを取り上げてきました。

「簡単には諦めれないです」
「社員として認めれないですね」
「普通は1年も続けれないです」

これらの言い回しに足りないもの
それは「ら」。

上記に挙げた
「諦めれない」「認めれない」「続けれない」は、

本来、動詞の可能形「~られる」に否定の「ない」を付けた
諦められない」「認められない」「続けられない
とするのが正しい使い方です。

動詞の可能形「~られる」+否定の「ない」以外に
下記のような「ら」抜き言葉も見かけます。

「諦めれません」→「諦められません」
「認めれたら」 →「認められたら」
「続けれました」→「続けられました」

「書き表せれません」
というのも「ら」抜き言葉です。

正しくは
「書き表せられません」
「書き表すことはできません」
です。

可能の「~られる」を使わずに
「書き表せません」
とすることもできます。

「ら」抜き言葉は
口で言うときにその方が楽、言いやすい
という理由で使われがちで

そのまま書き言葉にも流用され
広まりつつあります。

言葉に限らず、
物事を楽な方へ楽な方へと流してしまいそうになりますが

話すときも書くときも
「ら」抜きが癖にならないよう
注意する気持ちを忘れずにいましょう。

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【しごび】 の お す す め
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お願い事をするときには「お差し支えなければ

誘いを断らざるをえないときには「よんどころない事情で」

いつも気に留めてくれる相手には「お心にかけていただき

といった具合に、大和言葉を使うと
言い回しがやわらかくなり
相手の心にすっと届きます。

そんな大和言葉の言い回しを集めた本がこちら

——————————————
 ★『 一目置かれる大和言葉の言いまわし 』★
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(本書の編集のお手伝いを神垣がしています)

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