今週は、誤った敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 敬語レッスン(3)
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                        敬語の向かう先は?

「この著者の本は何冊か拝読したのですが」

この一文に使われている
「拝読する」は「読む」の謙譲語です。

その本の著者に宛てたメールであれば
あなた(○○さん)の著書を拝読したのですが」
と使えるのですが、

上記の一文は、自分とは関わりのない(直接知らない)人の
著書を読んだことを示しているので
「拝読する(した)」という謙譲語を
使う必要はありません。

「この著者の本は何冊か読んだのですが」

として問題ないのです。

「店頭に並んでいる方をお見かけしました

「お見かけする」は「見る」の謙譲語ですが
この場合も、自分が知っている目上の人であれば

「店頭に並んでいらっしゃる佐藤さんをお見かけしました

のように使うことはできますが
店の前にずらっと並んだ人を見た、というだけであれば
「お見かけする」という謙譲語を使う必要はなく
「見かけました」と書けばよいことです。

今回、例に挙げた
「拝読する」「お見かけする」といった謙譲語は
誰を立てるのか
敬意の向かう先を定めてから
使うことが大切です。

「読みました」「見かけました」
という丁寧語ですむのに

必要以上に丁寧に書こうとするあまり
直接関係のない人を指す文にまで
敬語を使わないよう注意しましょう。

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今週は、誤った敬語の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 敬語レッスン(2)
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                          「確認ください

ご確認してくださいますようお願い申しあげます」

一見、問題ないように感じる上記の一文ですが
尊敬語と謙譲語が混同されています。

目上の相手に「確認」をお願いする一文ですが
ここでは尊敬語「ご~くださる」を使い

ご確認くださいますようお願い申しあげます」

とします。

「お客様ご自身でパスワードを確認ください

という一文も敬語としては中途半端です。

「お客様ご自身でパスワードをご確認ください

「お客様ご自身でパスワード確認なさってください」

とします。

「確認ください」のままでは敬語として不十分で
前に「ご」を付けるか
前に「ご」がなければ、後に「して」を付けます。

例えば
どうぞ活用ください。 → どうぞご活用ください
             どうぞ活用してください

書類を送付いただきました。 → 書類をご送付いただきました
                書類を送付していただきました

という具合です。

 
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今週は、誤った敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法               < 敬語レッスン
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再送ください

「添付ファイルがなかったので、再送ください

必要なデータがメールに添付されていなかったので
もう一度、送信してくださいという意味の上記の一文。

でも、「再送ください」という表現は
敬語としては正しくありません。

元の言葉は「再送する」。

尊敬語の「くださる」は
「再送する」という行為を丁寧に表現するために
付くので

「再送ください」の「ください」の前に
「して」が付いて
「再送してください」とするのが適切な表現です。

ところが上記の文では
「して」が省略されています。

「添付ファイルがなかったので、再送してください

とするのが正しい使い方です。

「○○の詳細をメールください

という一文も「ください」の前の
「して」が省略されています。

「○○の詳細をメールしてください

もっと丁寧に書く場合は
「○○の詳細をメールでお知らせください」
「○○の詳細な内容をメールで送ってください」

とします。

ダウンロードいただき、詳細をご覧ください」

という一文も、同様に「いただき」の前の「して」が
省略されています。正しくは

ダウンロードしていただき、詳細をご覧ください」

とするのが適切です。

<追記>

「して」が欠けていることを示すために
「○○してください」という文例を挙げましたが
それが命令調に感じられる場合は
「○○していただけますか」
とすると表現が和らぎます。

「添付ファイルがなかったので、再送していただけますか

「○○の詳細をメールしていただけますか

「ダウンロードして、詳細をご覧いただけますか

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今週は、メールに書かない方がよいひと言についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 余計なひと言(5)
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~するわけではありませんが

今週は、相手に嫌な感じを残すひと言を
取り上げてきました。

「言い訳するわけではありませんが」
「自慢するわけではありませんが」
「反対するわけではありませんが」

このほかにもあると思います
「~するわけではありませんが」
という前置き。

言い訳するわけではない、と書いておきながら
言い訳を

自慢するわけではない、と書きながら
自慢を

反対ではない、と書きつつも
反対意見を

結局は書いているというケース
きっと、山ほどあることでしょう。

自分で否定しておきながら
結局は語っているというのが
非常に回りくどく、もったいぶっていて
よろしくありません。

自分の中で
「これは言い訳(自慢、反対)だな」
という意識があるからこそ
あらかじめ否定して、打ち消そうとするのでしょうが
そんな余計なことを書き添えるくらいなら

「言い訳だとは十分わかっています」
「言い訳になりますが」
のように、自ら認めて
言い訳を書く方が潔いと思います。
少なくとも、相手に不快感は与えません。

自慢話なら
「手前味噌ですが」という便利な言い回しもありますし
「自慢話ですが」と言い切ってしまう方が
わたしは気持ちいいなと感じます。

反論する場合も
「こういう見方もあるのではないですか?」
と問いかける方法で衝突を回避できます。

ストレートすぎる表現も軋轢を生みますが
婉曲過ぎる表現も嫌味に取れたり、嫌な感じを
残したりもするものです。

メールの場合は
相手がどのように受け止めるか
を一度考えてから、書くようにすると
「余計なひと言」で失敗することも減っていくのではないでしょうか。

 

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今週は、メールに書かない方がよいひと言についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 余計なひと言(4)
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ご存じないかもしれませんが

今週は、相手に嫌な感じを残すひと言を
取り上げています。

ご存じないかもしれませんが
という前置きで始まる一文。

用件に入る前から
相手はそのことについて知らないはず、専門外だから
と決めつけているのは感じのよいものではありません。

「○○についてご存じないかもしれませんが」と
丁寧な言い回しをしてはいても、実際は
「どうせ、○○のことなんて知らないのだろうから」
と書いているのと同じです。

このようなときは

「○○についてご存じですか(ご存じでしょうか)?

「○○についてお聞きに(ご覧に)なったことはありますか?

「○○をお使いになった(ご利用になった)ことはありますか?

と相手に確認するところから始めれば
角が立ちません。

「○○についてご存じのこととは思いますが
という言い回しも、否定形にしていないだけで
相手が知っているか否か、推測の状態なので
相手が知らない場合は気まずいことになります。

敢えて使うとしたら
「○○について、すでにご存じかもしれませんが」
という言い回しでしょうか。

「多分、そうであろう」という推測だけで
相手に確認せず、話を進めるのは
双方にとってすっきりしないものです。

一度に用件を伝えようとすると
「相手は知らないだろうから」とか
「相手は知っているだろうから」という
伝える側の都合で勝手に判断して書き進めてしまいがち。

決めつけずに、まずは
相手に確認するところから始めましょう。

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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 余計なひと言(3)
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本当は言いたくないけど

今週は、相手に嫌な感じを残すひと言を
取り上げています。

本当はこんなことを言いたくないんですが
で始まる、ひと言多いメール。

「本当に言いたくない」のであれば
言わなければよい話。
「言いたくない」と前置きしている時点で
言いたくて仕方ないことが見え見えです。

こういった回りくどい言い回しを使う人ほど
「本当にあなたのことを思って、敢えて苦言を呈す」
という恩の押し売りを仕掛けてきたり

「自分にここまで言わせる君はいかがなものか」という
ゆるやかな責め口調になっていたりするのです。

「本当はこんなことを言いたくないんですが」と
もったいぶって送られてくる
メールの助言や指摘は
受け取る側には不快なだけで
素直に受け入れることはできないでしょう。

間違いを指摘したり、改善を求める場合は

「お客様に失礼になるので、○○を△△に直しましょう」

「Aでは分かりにくいので、Bに変更したほうがいいですね」

のように
きちんと理由を挙げ、具体的な方法を伝える方が
相手も腑に落ち、次の行動に移れます。

ものは言いよう。

自分は良い人ぶって遠回しな言い方をするより
相手と良い結果を共有できるように
誰もが納得できる的確なアドバイスを心がけたいですね。

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「まぐまぐ大賞 2016」キャリアアップ部門で
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