似た言葉の意味や使い方の違いについて
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 間 違 え や す い 言 葉 < 使い分け、できてる?>
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◎「あとあし」

「後足」と「後脚」。

どちらも「あとあし」と読み、「前足」の対義語ですが、
使い方は異なります。

比喩的に使うのが「後足」。
それまでの恩を忘れ、別れ際に迷惑をかけることの例えを
「後足で砂を掛ける」
と言いますが、このときに使うのが「後足」です。

「うしろあし」と書く場合は「後ろ足」とし、送り仮名の「ろ」が入るので
「後足」と読みも書き方も区別します。

「後脚」は動物の後ろ側の足のこと。

 例)後脚で立つ、後脚にけがをした猫

では、「後継ぎ」と「跡継ぎ」の違いは?

前任者の地位や仕事を受け継ぐ人が「後継ぎ」。
字の通りで、後継者のことです。

 例)社長の後継ぎを決める

対して、家督を継ぐ人が「跡継ぎ」です。
跡取り、とも言います。

 例)家の跡継ぎを決める。

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使い分けに注意が必要な言葉を取り上げます。
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間 違 え や す い 言 葉                    < 間違いやすい言葉(3)>
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「回り」と「周り」

似ているけれど使い分けに注意が必要な言葉を取り上げます。

「建物のまわりをまわる」という一文。
「まわりをまわる」を漢字で書くと
どうなるでしょうか。

「まわり」には
「回り」と「周り」の2つの漢字があります。

「回り」は、巡回や回転、ものの働き具合を指します。

例)近所をひと回りする。

首回りのサイズ 身の回りの世話 水回り

「周り」は、周辺、とりまいていることを指します。

例)池の周り 周りの住人

周りを気にする。

したがって
「建物のまわりをまわる」は
「建物の周りを回る」と書きます。

「回り」は名詞として使うほかに
「回る」という動詞もありますが

「周り」は名詞としてしか用いない
という違いがあります。

「グラウンドをひと回りする」と
「グラウンドを1周する」は同じ意味ですが、
「ひとまわり」は「ひと回り」と書きます。

※参考
「記者ハンドブック」第14版新聞用字用語集

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使い分けに注意が必要な言葉を取り上げます。
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間 違 え や す い 言 葉                   < 間違いやすい言葉(3)>
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「ひとり」の表記

似ているけれど
使い分けに注意が必要な言葉を取り上げます。

「1人」と「一人」と「独り」。

いずれも「ひとり」と読みますが、
それぞれに使い方が異なります。

人数を示す場合は「1人」。

例)3人のうち1人が有資格者です。

「一人」は成句、慣用句、決まり文句で用います。

例)一人息子、一人天下

「独り」は孤独、独断、独占、単独の意味合いで使います。

例)独り言、独り占め、独り身、
独り善がり、独り立ちできる収入

上記は新聞の統一表記によるものです。
「一人」か「独り」か迷う場合は、
「一人」とします。

「ひとりあるき」は2種類の表記があり、
「一人歩き」は文字通り、一人で歩くこと。

例)夜道の一人歩き

「独り歩き」は、独立、あるいは物事が勝手に進むことを指します。

例)言葉の独り歩き

「ひとりぐらし」も2種類の表記があります。
一般用語としては「1人暮らし」。

例)親元を離れ、1人暮らしをする。

孤独を強調する場合は「独り人暮らし」。

例)身寄りのない独り暮らし

この場合も、「1人」か「独り」か
使い分け迷う場合は、
「1人暮らし」とします。

※参考
「記者ハンドブック」第14版 新聞用字用語集

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似ているけれど使い分けに注意が必要な言葉を取り上げます。

「代金」と「料金」。

どちらも、支払うお金のことですが
メールなどで文章を書くときに
どちらを使うべきか
迷ったことはありませんか?

そこで、意味の違いを調べてみました。

「代金」は、
買った品物の代わりに支払うお金のこと。

 例)代金の先払い、代金引換

「料金」は、
何かを利用・使用したときに支払うお金
のこと。

例)電気料金、料金別納

品物の売買に用いるのが「代金」で、
利用料や使用料を指すのが「料金」と
使い分ければよさそうです。

「代金」に類似する言葉に
「代価」があります。

これも、品物の値段を指しますが
一般的には「代価」より「代金」を使う
ことが多いです。

同じ文面で「代金」と「料金」、
「代金」と「代価」を
混同して使わないように注意しましょう。


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今週は、言葉の表記の区別の仕方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法               < 言葉の書き分け >
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                   「とめる」「やめる」の書き分け

——————————–
その計画はすぐに止めるべきです。
——————————–

という一文に使われている
「止める」。

「とめる」とも「やめる」とも読むことができ、
どちらの読みでも意味は通ります。

このように
漢字で表記すると、二通りの読み・意味にとれてしまう
言葉があります。

自分では「とめる」のつもりで入力しても
「止める」と漢字変換されると
読む側は「やめる」と読んでしまう
という可能性があります。

新聞の統一表記では
「とまる・とめる」の場合は
「停止」の「止」を用いた漢字表記とし、、

「やめる」の場合は平仮名表記
と区別し、統一しています。

したがって上記の文例は

継続している計画を停止する(とめる)場合は
——————————–
その計画はすぐに止めるべきです。
——————————–

計画自体を終わりにする場合は
——————————–
その計画はすぐにやめるべきです。
——————————–

と書き分けます。

「止める・止まる」と表記するのはほかにも

交通が止まる、通行止め
差し止める、流れを止める

などがあり、
「やめる」と表記するのは

会議を取りやめる、作業をやめる

のように使います。

細かいことのようですが
使い分けの基準を持っておくと
入力時の意図と異なる文字や意味で伝わることを避けることができます。

今週はこのような
言葉の表記の区別について取り上げます。

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今週は、社名や商品名、ことわざなど本来の表記についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法           < 正式な名称・表記(4)
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                          慣用句の略に注意

今週は、名称の正式な表記について
取り上げてきました。

慣用表現を略した言い回しに
「目からうろこ」「たなぼた」
などがあると、以前、メールマガジンで書いたことがあります。

略したまま使っている慣用語としては
ほかに

「怒り心頭」もあります。

× 先方の失礼な対応に怒り心頭でした。

「怒り心頭」で終わりではなく、
「怒り心頭に発する」まで書いて、
心の底から怒りの気持ちがわき上がってくることを
意味します。

○ 先方の失礼な対応に怒り心頭に発しました。

ちなみに「怒り心頭」の後に続くのは
「発する」であり、「達する」ではないので、
間違えないように注意を。

「顰蹙」を「買う」と言いますが、「売る」とは言いません。

不快なことに眉をひそめる様が「顰蹙(ひんしゅく)」で、
人が不快に思うことをして嫌がられることを
「顰蹙を買う」と言います。

× 彼の発言は顰蹙です。
○ 彼の発言は顰蹙を買っていました。

「溜飲」を「下げる」のであって、
「上げる」でも「晴らす」でもありません。

胃が消化不良を起こして、胃液がのどまで上がってくるような状態を
「溜飲(溜飲)」と言い、

それが下がれば、すっきりすることから
恨みや不快に思う気持ちを解消して、
気が晴れる様を「溜飲を下げる」と言います。

× 我慢せず言いたいことを言って溜飲を上げる。
○ 我慢せず言いたいことを言って溜飲を下げる。

このように慣用句は、
むやみに省略すると元の意味が分からなくなり
間違いのもとです。

意味を理解するためにも
通して記憶して使うことをお勧めします。

 

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