今週は、あれ?と思う敬語の使い方を取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 気になる敬語(4)>
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「年末のあいさつとさせていただきます」
今週は、こうしたらもっとしっくりくるのでは?
という敬語の使い方について取りあげてきました。
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健やかに新年をお迎えになられますよう
お祈り申し上げるとともに、
これをもって年末のあいさつとさせていただきます。
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前回に続き、これも年末のあいさつメールです。
1行目の「お迎えになられます」と
3行目の「あいさつとさせていただきます」の
敬語の使い方が気になります。
「迎える」の尊敬語は
「お迎えになる」。
「お迎えになられます」には、
「お迎えになる」に尊敬の「られる」が付け足されています。
「挨拶とさせていただきます」の言い回しですが
年末のあいさつは、自分から相手に
感謝の意を伝えるために行うもので
相手の許可や了承を得て行うものではありません。
したがって
「~させていただきます」ではなく
「する」の謙譲語「いたします」とします。
しかし、上記の文例ではそこまで書かなくても
あいさつと分かるので
次のようにまとめました。
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健やかに新年をお迎えになりますよう
心よりお祈り申し上げます。
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3行目の「これをもって年末のあいさつとさせていただきます」を取り
「心よりお祈り申し上げます」で結び、
簡潔な一文としました。
敬語で飾り立てた文章はぎょうぎょうしくなるばかりで、
本来伝えたい感謝の気持ちが今ひとつ伝わりません。
敬語を的確に使った簡潔な文で
印象付けることを心がけましょう。