今週は、読者の方からの質問に答えます。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 読者からの質問(3)
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                       「大丈夫そうですか?」

<読者からの質問>—————————————————-

質問ですが、日常会話や電話でのやり取りに気になる言葉があります。

(1)「大丈夫そうですか?」
これは相手を気遣う言葉だと思うのですが、「そう」をつけることに
違和感があります。

(2)「○○だったりしますか?」
使い方としては、「時間とれたりします?」という感じで使われています。
「時間とれますか?」または「時間とれそうですか?」で伝わると思うのです
が……。

どちらも違和感があり、お客さまや取引先の方との会話にはNGではないかと思
います。
最近は、若い方たちで新語のような使い方をされることも多く、いろんな言葉
が飛び交い、どれが正しくてどれが間違っているのかがわからなくなることが
多々あります。

違和感があった時点で注意をするのが良いとは思いますが、自分に自信がない
と言いそびれてしまいます。
ぜひご意見をお聞かせいただきたいです。
(読者 M.Hさん)
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人に尋ねたり、確認したりするとき
「大丈夫ですか?」ではなく「大丈夫そうですか?」
「○○ですか?」ではなく「○○だったりしますか?」
とふんわりとぼやかした言い方、書き方が増えています。

確かに、相手の都合を気遣っての言い回しなのかもしれませんが、
下記のように書き換え・言い換えができます。

(1) 大丈夫そうですか?

「大丈夫ですか?」という尋ね方もありますが、口語的なので、
「差し支えないですか?」「差し支えありませんか?」とすると、
書き言葉としても使えます。

例)30日の提出で差し支えないですか?
  打ち合わせの日時はこれで差し支えありませんか?

ほかに「問題ありませんか?」「問題ないですか?」と言い換えることもできます。

(2) 時間とれたりしますか?

M.Hさんが書いているように
「時間とれますか?」「時間とれそうですか?」
とするのがよいと思います。

「時間」の後に「は」を入れて
「時間はとれますか?」「時間はとれそうですか?」
とすると、書き言葉としても収まりがよいでしょう。

「~たりしますか?」という尋ね方は、実際は「~してほしい」けど、
無理強いはできないので「できたら」でいいですよ、という
控えめな依頼という気がします。
口語的で、今どきの言い回しですが、仕事のやりとりでは

「お時間いただけますか?」
「お時間を頂戴できますか?」

という書き方をお勧めします。
曖昧な尋ね方では、相手からの返答も曖昧になる可能性が高いと思うからです。

 
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今週は、表記の違いについて取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 漢字か、平仮名か(2)>
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副詞の表記

動詞や形容詞を修飾する副詞も、文章でよく用います。
副詞は平仮名で書くもの、漢字・平仮名どちらでもよいもの、漢字で書く
ものの3種があります。

例えば
「通常より更に割引されます」の「更に」
「是非、ご検討ください」の「是非」
「先ずはお礼まで」の「先ず」

上記に挙げた副詞はパソコンの変換候補で漢字表記でも挙がってきますが、
新聞表記では平仮名表記で統一されています。

更に→さらに
是非→ぜひ
先ず→まず

一方、漢字で表記が統一されている副詞は
「全て確認済みです」の「全て」
「特に注意が必要です」の「特に」
などがあります。

同じ副詞でも、漢字表記でも平仮名表記でもどちらでもよいとされるものも
あります。

既に・すでに
全く・まったく

副詞も文章で使う頻度が高いので、漢字表記に統一されているもの以外は平
仮名表記を意識して使うと文面が読みやすくなります。

「全て」と「全く」は同じ「全」の字を使い混同しやすいので、
「全て」「まったく」と表記を分けるほうがよいかもしれません。

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今週は、同じ意味の言葉の繰り返しについてです。
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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法        < ありがちな重言(4)>
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捺印を押す

今週は、うっかり使ってしまいがちな「重言」を紹介しています。

「ここに捺印を押してください」

上記の「捺印」は、押印のこと。
判を押すことを意味するので、「押す」と一緒に使うと意味が重なります。

「ここに捺印(または押印)をお願いします」
とするのが適切です。

同様に
「ここに判を押捺してください」
も意味が重なっています。

「押捺」は押印、印を押すという意味なので
「ここに判を押してください」または
「ここに押捺をお願いします」とします。

ちなみに、新聞表記では
「捺印」「押捺」は「押印」に統一されています。

「ここに押印を押してください」
「ここに判を押印してください」
も重言になるので

「ここに押印をお願いします」
「ここに判を押してください」
とします。

バックナンバーでもその他の重言を取り上げているので、
参考にしてください。

▼「刷新」の重言< ありがちな重言 > VOL.1585

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今週は、メールで使える気の利いた言い回しを紹介します。
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仕 事 ‎の メ ー ル 作 法            < 仕事に使える大和言葉
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                        伝えそびれたときに
「遅ればせ」

遅れて馳せ参じること。「遅ればせながら」は、肝心なときに人より遅れ
て駆けつけることを意味します。

最も良いタイミングは逃してしまったけれど、相手に気持ちを伝えたいと
きに用いるとよい言い回しです。

例えば、年賀状を出しそびれた相手に今年最初のメールを送るとき
————————————————
遅ればせながら、新年のごあいさつを申しあげます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
————————————————
といった具合に使います。

お祝いを相手に直接言うタイミングを逃してしまったときも、メールでやり
とりする際に
————————————–
このたびはご結婚おめでとうございます。
遅ればせながら、お祝い申しあげます。
————————————–
と、ひと言添えておくこともできます。

お礼を伝えそびれた場合も、相手への感謝の意をメールやはがきに書き、
結びに「遅ればせながらお礼まで」として送れば、たとえ短い文でも相手に
伝わります。

今週はこのように、
仕事に使える気の利いた言い回しを
大和言葉を元に紹介していきたいと思います。

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2018年1月に7冊目の著書

「仕事で差がつく言葉の選び方」

がフォレスト出版から刊行されます。

見本が届いたのが12月22日。
編集者から「紀伊国屋と丸善で先行出版されます」
というメモが添えられていました。

Amazon では2018年1月7日の発売になっていたので
先行といっても1月3日くらいかなぁと思っていたら……。

大分県にある
紀伊國屋書店アミュプラザおおいた店では 12月25日に店頭に並んでいるではありませんか。

著者も先行発売日を知らなかったというのに
ありがたい限りです。

そんなわけで
紀伊国屋と丸善のみ先行し、
「仕事で差がつく言葉の選び方」
店頭でご購入いただけます。

年が明けてから、告知するつもりでいましたが
先行販売してくださっている書店があるので
号外にてお知らせする次第です。

どのような内容の本かと申しますと……

ビジネスメールや電話のやりとりで
「気の利いた言い回しを使いたい」
というときに役立つ

大和言葉をベースにした言葉を
文例とともに紹介しています。

NHK学園講師の山岸弘子さんに監修をしていただいています。

中には
広島、大阪、東京、名古屋で開催した
「人づきあいのたおやか大和言葉講座」で取りあげた
大和言葉も。

【仕事‎Beginのメール作法】3000号記念 読者アンケートでも
「ビジネスに使える大和言葉」を興味のあるテーマとして挙げてくださる
読者はとても多いので、タイムリーな内容かと思っています。

もし、お近くに
紀伊國屋書店や丸善書店がありましたら
「仕事で差がつく言葉の選び方」
を探してみてください。

ちなみに、神垣のこれまでの著書はこちら

★8冊目の著書「迷わず書けるメール術」5月20日発売!

読んだら旅に出たくなる本「空飛ぶ野菜ソムリエ 世界の旅ごはん」5月13日刊行
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7冊目の著書「仕事で差がつく言葉の選び方」刊行。
ビジネスに使える大和言葉を紹介しています。

書けるいい女になりましょう。大和言葉で書く一筆箋講座「行書コース」開講

2005年創刊! ビジネスメールを書くときに役立つ無料メールマガジン配信中
「まぐまぐ大賞 2017」ジャンル別賞の知識・ノウハウ部門で5位に入賞しました!

iPhone/iPad向けアプリ【 ビジネスメール文例辞典 】

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今週は、気をつけたいメールの敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                                       < うっかり敬語 >
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                       「研修させていただく」

現場で実地研修を受けた
新入社員の研修レポートに

「○○○で研修させていただきました」
という一文がありました。

○○○はその会社が管理している施設名です。

自社の研修を、会社が管理する施設で受けたことを
丁寧に言おうとして
「研修させていただく」を使っていますが、

研修は会社が新人教育のために行うもので
社員が研修を受けるのは当然のことでもあり、
会社に提出するレポートで
自分をへりくだって言う必要はありません。

レポートに書くとしたら

「○○○で研修がありました」
「○○○の研修を受けました」

と、事実を述べる文にして
問題ありません。

入社早々の新人からすると
自分が会社の一員であるという認識より
会社を自分より一段上に見てしまうために
不要な敬語を使ってしまったのかもしれません。

今週はこのように
うっかり間違えて使いやすい敬語について
取り上げていきます。

<追記>2024.06.11

新人に限らず
企業の社内報で似たような事例を見かけます。

社内行事への参加者に求めたコメントに
「ゴルフコンペに参加させていただきました」
新任管理者のコメントに
「同僚や後輩からも多くのことを教えていただきました」
という一文がありました。

自分が勤務する会社の人に向かって
「~させていただく」を使わなくても

「創立記念ゴルフコンペに参加しました」
「同僚や後輩からも多くのことを教えられました」

として差し支えないのに
社内に向けても謙譲語を使っています。

こうした職場の中での敬語の混乱
増えていませんか?

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