今週は、気をつけたい敬語表現についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 敬語レッスン
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読者の投稿から

今週は、おかしな使い方をしている敬語の文例を挙げつつ、
正しい敬語表現について紹介します。

まずは、読者のかたからいただいた
「おかしな敬語」事例をご紹介します。

<読者のお便りから>———————————————-

先日とある家具メーカーに修理の依頼をして
その日程確認の電話を受けた時のことです。

「・・・おうかがいしていたご携帯の番号を
間違わせていただいておりまして・・・・」

ご携帯? 間違わせていただく!?

「ご自宅」とか「お電話」「ご住所」という言い方があるので
「ご携帯」もおかしくないのでしょうか?

でも「間違わせていただく」にはぶっ飛んだので、
神垣さんのネタになるかと思ってメールしてみました。
(読者 M.M さん)
——————————————————————

M.M さん
ネタ提供、ありがとうございます。

「ご携帯」も「間違わせていただく」も
行き過ぎた敬語表現もまっています。

「ご携帯の番号」の前に「おうかがいしていた」と敬語を使っているので
「携帯の番号」として差し支えありません。

客である相手に対して、丁寧な表現にするのなら
「ご携帯」ではなく、「ご」の代わりに「お客様の」とする方が
適切です。

ちなみに
「おうかがいしていた」という表現は定着した二重敬語の一つ。

「うかがう」は「聞く」の謙譲語なので
「うかがう」に謙譲の「お~する」を添えると二重敬語になるのですが
「おうかがいする」は習慣・慣例として使われるようになり
敬語として定着したものです。

ただ、上記の文例では「うかがっていた」の方がすっきりします。

「間違わせていただく」は
自分の行為である「間違う」に謙譲の「~いただく」を使っているのですが
そこまでへりくだる必要はなく
「間違って(間違えて)おりまして」
とします。

したがって、上記の文は

「・・・うかがっていた携帯の番号を間違えておりまして・・・・」

と言い換えることができます。

「間違えて」は「誤って」としてもよいでしょう。

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今週は、言葉の本来の意味について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法         < 本来の意味(5)
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「けりをつける」

今週は、実は知らずに使っていることの多い
言葉の本来の意味を紹介してきました。

けりをつける
けりがつく

という表現があります。

自分で物事の決着をつけるのが「けりをつける」
決着がついたことを述べるとき「けりがつく」
といいます。

「けり」とは
和歌や俳句などで、助動詞「けり」で終わるものが多いことから転じ
物事の終わり、結末、決着
を指す言葉として使われるようになりました。

ちょっと意外ですね。

簡単には解決しそうにない
込み入った事柄を解決し、終わらせるという意味合いで
使うのが
「けりをつける」「けりがつく」。

「仕事のけりをつけて、後で参加します」
「当社のチームの追い上げで試合にけりがついた」

のように
試合結果とか、日常的な流れで行う事柄が終わるときに
使うのはふさわしくありません。

仕事のけりをつけて → 仕事を終わらせて
試合にけりがついた → 勝負がついた

のように書き換えるのが適切でしょう。

「けり」は、下記のような使い方をします。

「先代から続く負の遺産にけりをつけ、新体制で臨みます」
「長らく悩まされたごみ問題にけりがついた

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今週は、言葉の本来の意味について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法         < 本来の意味(4)
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「悲喜こもごも」

今週は、実は知らずに使っていることの多い
言葉の本来の意味を紹介しています。

「悲喜交々」と書いて「ひきこもごも」
(一般に「交々」は平仮名で「悲喜こもごも」と書かれることが多い)。

意味は、悲しみと喜びが一度に押し寄せる
あるいは、代わる代わるに味わうこと

を指します。

これは、1人の人の心の状態を表す言葉
喜ぶ人、悲しむ人が入り交じった状況を表す場合には適しません。

したがって
「合格発表の会場で、受験生たちの表情は悲喜こもごもでした」
「最終試合の結果にファンは悲喜こもごもだった」
というのは誤った使い方になります。

このよう状況を伝える際に
「悲喜こもごも」に代わる表現をするとしたら…

「合格発表を見て、歓声をあげる人、うつむく人、
受験生の表情はさまざまでした」

「満面の笑顔あり、悔し涙あり。ファンの明暗を分けた最終試合」

といったところでしょうか(キレイにまとめすぎてますが…)。

複数の人のさまざな感情や心境を言い表すときは
「喜ぶ人、悲しむ人が入り交じった」
「喜び、悲しみの感情が交錯した」
のような表現が適切です。

うれしいけど、ちょっと悲しいとか
悲しいはずなのに、笑いがこみあげてくる
ことがあります。「泣き笑い」という言葉もあります。

1人の人の心の中の動きを表すのが
「悲喜こもごも」
です。

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今週は、言葉の本来の意味について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法         < 本来の意味(3)
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 「対談」

今週は、実は知らずに使っていることの多い
言葉の本来の意味を紹介しています。

「対談」とは
ある事柄について2人で話し合うこと

誰もが知っている言葉でもあり
何を今さら、と思うかもしれません。

では、3人がある事柄について話し合うときは?

「対談」は文字通り
「対(つい)」つまり、2人で1組となって話をすることなので
3人で談じるときには「対談」とは言いません。

この場合
鼎談(ていだん)
という言葉を使います。

鼎(かなえ)とは、
古代中国で使われていた3本の脚が付いた器のこと。

そこから転じて
鼎の足のように3人が向かい合って話し合うことを
「鼎談」と言います。

そういえば、文芸誌のタイトルで
目にすることがある言葉です。

広報誌や社内報の企画で
あるテーマで2人が話をするのが「対談」、
3人だと「鼎談」、
4人以上になると「座談会」
と使い分けます。

ちなみに
1人をクローズアップして話を聞く場合は
「インタビュー」になります。

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今週は、言葉の本来の意味について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法         < 本来の意味(2)
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「世間擦れ」

今週は、実は知らずに使っていることの多い
言葉の本来の意味を紹介しています。

「世間擦れ」と書いて「せけんずれ」と読みます。

「彼は世間擦れしているから」

という一文を
あなたはどのような意味で受けとりますか?

「せけんずれ」の「擦れ」は
こすれて、痛んだり減ったりすること。

「世間擦れ」とは、文字通り
世間にもまれ、さまざまな経験や人と接するうちに
初々しさや純真さが失われ、ずる賢くなっている
こと
を指します。

しかし、語感からは
「擦れ」より「ズレ」
というイメージがあり

一般の感覚からずれている、世情に疎い
つまり、「あの人は天然だから」という
どちらかというと好意的なニュアンスで使っている
ケースも。

しかし、本来の意味は、
世俗の経験を積んで悪くなっている
という言葉のため、

「彼は、まだ随分若いのに世間擦れしている」
のように、マイナスな意味合いで使われることが多く
褒め言葉には適しません。

褒め言葉として使う場合は
「経験豊富な」
「その道に熟達した」
という表現の方が好ましいでしょう。

ちなみに、「世間擦れ」の類似語は
「老獪(ろうかい)」「すれっからし」。

反対語は「世間知らず」
です。

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仕 事 の メ ー ル 作 法                < 本来の意味
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 「姥桜」

「姥桜」と書いて「うばざくら」と読みます。

「私は社内でもすでに姥桜ですから」

という一文では
「自分は古株、お局ですから」という
やや自虐を含む謙遜の意で「姥桜」という言葉を使っています。

文字のイメージから
「姥桜」→老いた桜の木→年配の女性
と想定されるからです。

しかし、
「姥桜」とは、
女盛りを過ぎても、なお美しさや色気が残っている女性
というのが本来の意味。

そうすると、上記の例文は
謙遜どころか、自慢になってしまいます。

本来の意味からすれば
自ら使うのではなく
相手に対する褒め言葉として使うのが適切な言葉です。

ただ、本来の意味を知っていても
「姥」という文字が与えるインパクトが強く
少々、人に対して使うには勇気がいる言葉ではあります。

今週はこのように、
実は知らずに使っていることの多い
言葉の本来の意味を紹介していきたいと思います。

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