今週は、読者の方からの質問に回答します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問(3)>
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「五月雨式」

続けてなにかすること< 言葉の言い換え(3)>VOL.2992
に関連して、下記の感想をいただきました

<読者からの質問>————————————————

本日のメルマガを読んで思い出したことがあり
メールいたしました。

以前、何度も続けて連絡を受けた際、
「五月雨式に申し訳ありません。」
という表現のメールをもらったことがあります。

10数年働いていて数えるほどしかありませんが、逆に印象に残りました。
実際に使われたバリエーションのひとつとしてお知らせまで。

(読者 R.Iさん)
——————————————————————

「五月雨式」という言葉、
私は仕事でよく使います。

一度にまとめて原稿を送れず
できあがったものから分けて送るとき
「五月雨式に送信していいですか?」
のように使います。

「五月雨式」とは、
一度で終わらず、とぎれながらも何度か続けて行うやり方
のこと。

陰暦5月頃(今の6月頃)に降る雨を
「五月雨(さみだれ)」と言うことから、

この時期の雨のように
途中、途切れながらも長く物事が続くこと
を「五月雨式」と言います。

新聞表記では
「五月雨」と漢字表記しますが
「式」が後に付く場合は
「さみだれ式」と平仮名書きにして
区別しています。

「さみだれ式」を言い換えるとしたら
「小分けにして」「小出しにして」
といったところでしょうか。

「さみだれ式」は日本ならではの表現ですが、
業種や職種によって使用頻度が異なる言葉かもしれません。

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今週は、よく使う言葉の改まった言い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 改まった言い方(4)>
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「ちょっと」の言い換え

今週は、くだけた普段着の表現を
改まった書き言葉に変換する例を紹介しています。

量や度合いが少ないことを
「ちょっと」「ちょこっと」「少し」
と言いますが

改まった言い方では
「わずか」「ささやか」「いささか」
とします。

「ほんのちょっとですが」は
「わずかですが」とか
「ささやかですが」に。

会話でも
「ちょっとお待ちください」を
「少々お待ちください」と言い換えると
丁寧さが増します。

誘いを断るときに
「予定があるのでちょっと……」
と最後まで言わずに
「ちょっと」で言葉を濁して
うやむやにするケースがありますが

そのようなときは
「あいにく予定があり、参加できません」
「残念ながら、今回は不参加とさせてください」
のように、きちんと断りを入れるほうが好ましいです。

「少しでもお役に立てれば」と伝えたいときは
「いささか」を使って
「いささかなりともお役に立てれば」
とします。

また、「いささか」を打ち消した
「いささかならず」
という言葉もあります。

少しでない、つまり、とても
という意味で
「面倒をかけるばかりで、いささかならず気が引けます」
のように用います。

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今週は、読者の方からの質問に答えます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法 < 読者からの質問(5)
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「~してございます」

<読者からの質問>————————————————

メール作法とは少し違うのですが、
気になっていたことを述べさせていただきます。

東日本大震災の頃、東京電力の会見で会社の偉い人たちが、
口を揃えて言っていた言い回しがあります。

それは「~となって『ございます』」という言い回しです。

直近では加計問題で、文部科学省高等教育局長が
「と思ってございます」と国会で言っていました。

「動詞+助詞+ございます」という口語表現です。

なぜ「~と思っています」とか、
「~です」と言わないのでしょう。

私はいつも、この口語表現を聞くたびに違和感を覚えるのです。
その内、文章語になってしまったら、気持ち悪いですねえ。

神垣様はこの点について、どうお考えですか。
(読者 K.Iさん)
——————————————————————

「ございます」には、2通りの使い方があり

1つは、「ある」の丁寧語として、「あります」より丁寧な言い方で使われます。
例)商品はこちらにございます。
何もございませんが、どうぞ。

もう1つは、補助動詞「ある」の丁寧語としての使い方です。
例)先方にお願いしてございます。
山田様にご紹介いただいた佐藤でございます。

「~となってございます」や「~と思ってございます」は
使い方としては間違いで、

この場合は「いる」の丁寧語「~おります」を用いて
「~となっております」や「~と思っております」
とするのが適切と考えます。

「~となってございます」や「~と思ってございます」という言いまわしは
「ございます」を付けておけば、丁寧に聞こえるからと
意味をなさないのに、とりあえず使っている印象を受けます。

また、「ございます」付けることで
断定するのを避けているようにも感じます。

文章にするとおかしな言いまわしと分かりますが
話し言葉だと、勢いに任せて
言う方は平気で使ってしまうのでしょう。
でも、聞く方には違和感が残ります。

こうした話し言葉(口語)は伝播力が強く、
間違っていても すぐに広がり、定着していきます。

「~させていただきます」の誤用が
その一例といえるでしょう。

でも、使い方がおかしいと違和感を覚える言葉遣いは
人が使っているからと、なんとなく流用するのではなく

疑問や違和感のまま終わらせず
調べ、考え、「自分は使わない」という選択肢を持つことが
必要と、私は思っています。

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今週は、メールを書くときのひと工夫についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                 < 気になる敬語
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                      「おっしゃられていました」

—————————————————-
山田部長が会議は15日でよいとおっしゃられていました。
—————————————————-

上記の文例は
「おっしゃっていました」とすればよいのに
尊敬の「~られる」を付け加えてしまっています。

「言う」の尊敬語は「おっしゃる」。
その過去形は「おっしゃった」です。

このように、既に敬語に変換されている言葉に、
さらに尊敬の「~られる」を付けると
二重敬語になります。

上記の文例は
—————————————————-
山田部長が会議は15日でよいとおっしゃっていました。
—————————————————-
とするのが適切です。

「おっしゃられる」のほかに
「いらっしゃられる」も同様の間違いです。

「いる」や「来る」の尊敬語として
「いらっしゃる」を使いますが、
それに尊敬の「~られる」を付け加える必要はありません。

過去形にする場合も
「部長は会議室にいらっしゃいました」
「昨日、社長が本社へいらっしゃいました」
のように「いらっしゃった」「いらっしゃいました」とするのが
適切です。

今週はこのように
気になる敬語の使い方について
例を挙げて取りあげていきます。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                                           < 気になる敬語(5)
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お分かりにくい説明

今週は、日常目にする
気になる敬語の使い方について取り上げてきました。

—————————————
お分かりにくい説明で、失礼しました。
—————————————

上記の文例では
「分かりにくい」ことを敬語で
「お分かりにくい」としています。

しかし、「分かりにくい」は
これ1語で形容詞なのではなく、
動詞「分かる」に「にくい」が付いたものです。

敬語を使うとしたら、動詞の「分かる」の部分で、
「分かる」の尊敬語が「お分かりになる」となることから、
「お分かりになりにくい」
とします。

—————————————–
お分かりになりにくい説明で、失礼しました。
—————————————–

ただ、「お分かりになりにくい」は
尊敬語としては正しいのですが
一文が長くなると思いませんか?

このように
却って“分かりにくい”文になるような場合は
無理やり尊敬語にせず、
「分かりにくい」としても
相手に失礼な文にはなりません。

—————————————
分かりにくい説明で、失礼しました。
—————————————

このように、敬語に変換することで
文が冗長になるような場合は
敬語に変換しない、という選択もあります。

☆  ☆  ☆

★先週に引き続き、回答お待ちしています。

迷惑をこうむったメールの経験談や
あなた自身が客先や相手にマイナスの印象を与えないために
メール対応で気をつけていることなど、
ぜひ、教えてください。

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今週は、気になる敬語の使い方についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法           < 気になる敬語(4)
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                    「おっしゃっておられました」

今週は、日常目にする
気になる敬語の使い方について取り上げています。

—————————————
部長はA案とおっしゃっておられましたが、
B案で進めて問題ありませんか?
—————————————

上記の文例で気になるのが
1行目の「おっしゃっておられました」です。

「部長は言った」を敬語に変換する場合
主語である相手(部長)を敬う「尊敬語」を使います。

「言う」の尊敬語は「おっしゃる」。

それを過去形にし、
「おっしゃっていました」
とすればよいのですが、

上記の文例では
「おっしゃっている」の「いる」まで
尊敬語「おられる」に変換して
「おっしゃっておられる」
としています。

これは敬語の使い過ぎ。

上記の文例は
———————————–
部長はA案とおっしゃっていましたが、
B案で進めて問題ありませんか?
———————————–
とするのが適切です。

敬語の使い過ぎは、しらじらしくなるばかりで
却って相手への敬意を軽減してしまいます。

的確に敬語を使って
相手への敬意がきちんと伝わる文章を
心がけましょう。

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