今週は、上司や目上の相手への言葉遣いについてです。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法   < 上司への言葉づかい
◆─────────────────────────────────◆
ほめるときの表現

上司や目上の相手に対する言葉遣いには気を遣うものです。
丁寧かつ、敬意を示す表現を…と意識するほど、
敬語を使いすぎたり、言葉足らずで失敗したりすることも
少なくありません。

例えば、上司の言動をたたえるとき。
過剰に褒めると“ごますり”をしているような印象を与えますし、
かといって、同僚と同じような感覚で褒め言葉を使うと、
失礼になることもあります。
次の一文はどうでしょうか?

「さすが、課長。ゴルフがお上手ですね」

他意はなく、120%上司を褒めているつもりの一文ですが、
NG表現があります。「さすが」と「お上手ですね」です。

上司のゴルフの腕前に感心して発した、
「さすが」や「お上手ですね」という表現は、
部下から上司に対して使うと相手を見下したような印象を
与えてしまいます。

目下の者が目上の相手を「褒める」こと自体が、
相手を評価していることになるので注意が必要です。

このような場合は腕前の良しあしを褒めるのではなく、
結果や成果に対する感想を述べるとよいでしょう。例えば…

「課長はいつも安定したスコアですね」

「今回も快調ですね」

また、次の一文のように秘訣やコツを尋ねるようにしても
良いと思います。

「お忙しいのに、いつ練習なさっているのですか?」

<追記> 2021.07.13
「さすが、課長。ゴルフがお上手ですね」の「ゴルフ」を
「英語」や「プレゼン」に置き換えてみてください。

上司側からすると
経験や実績があることを部下から「上手ですね」と言わても
うれしさより、返答に困るのです。

ライターに「文章がお上手ですね」と言われても
プロならそれが当たり前なわけですから、そこを褒められても……
といつも返答に困ります。

その良し悪しを感じたまま褒めるより
結果や成果に焦点を当てるようにすると、
相手に響くのではないでしょうか。

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】
記事全文を読む


今週は、相手によっては失礼になる言葉の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
  仕 事 の メ ー ル 作 法             < 気になる言葉(5)
◆─────────────────────────────────◆
                    目上の相手に失礼になる表現

「助かります」「助かりました」について、4回にわたり考察してきました。
このほかにも、目下の人から目上の人に使うと失礼にあたる言葉に
「ご苦労さま」があります。

「お疲れさま」は、その使い方について解釈がいろいろあり
以前、当メルマガで取りあげたことがあります。

▼「お疲れさまです」を考える(5)

目下の人が目上の人を「誉める」表現も注意が必要です。

「部長はゴルフがお上手ですね」
「課長は営業のことをよくご存じですね」

などの表現は、部下が上司を評価することになり、適切ではありません。
「さすがですね」や「感心しました」という表現も同様です。

「部長とゴルフをご一緒できて、楽しかったです」
「課長にアドバイスをいただき、大変勉強になりました」
のように、自分の感想や感謝の意を伝える表現に言い換えてみましょう。

ほかにも、
目上の相手には「お久しぶりです」より「ご無沙汰しています」
が適切な表現です。

お祝いの表書きも「寸志」「薄謝」は目上の相手にはNG。
年賀状の「賀正」「初春」「迎春」といった二文字の賀詞は、
目上から目下に使う言葉なので、目下の者から送る年賀状では
控える方がよいでしょう。

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】
記事全文を読む
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

ビジネスメールを書くときのコツを7000人以上が愛読。
2005年から配信してい る無料メールマガジン
【仕事のメール心得帖】登録はこちらから

今週は、社内・社外での上司に対する敬語表現についてです。
◆─────────────────────────────────◆
仕 事 の メ ー ル 作 法           < 上司への敬語(2)
◆─────────────────────────────────◆
                        教え方のうまい上司

仕事を分かりやすく教えてくれた上司に対し、その上司の教え方はうまい!
という意味のことを伝えたいとき、どのように表現しますか?
——————————————————————

1)中田課長は教え方がお上手ですね。

2)分かりやすく教えていただき、ありがとうございました。

——————————————————————

この場合、部下である自分は上司から教えを受ける立場にあります。
そのような状況で、部下から上司を「褒める」のは不適切。上司に対して
部下がその能力や技量を「評価する」ことになってしまうからです。

「褒める」という行為は、相手の専門的な能力や技術について評価するこ
とにつながります。上司が部下に対して「田中さんは後輩への教え方がう
まいね」という言い方はしても、部下から上司に対して「中田課長は教え
方がお上手ですね」というのは失礼。

上司に対して部下は、教えを請うことはあっても評価する立場にはないか
らです。

この場合、1)のように「褒める」のではなく、2)のように上司の行為
そのものに対して「感謝」の気持ち伝える方が感じがよいです。

「お上手ですね」は上司に媚びて持ち上げている印象がありますが、素直
に「ありがとうございます」と伝えれば、言われた方もうれしいものです。

「中田課長に教えていただき、要領がつかめました。ありがとうございます」
といった表現もあります。

立場の違いを踏まえた表現を心に留めておきましょう。

「敬語の指針」より

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

記事全文を読む