今週は、気になる敬語の使い方について取り上げます。
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仕 事 の メ ー ル 作 法          < 気になる敬語(5)
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過剰な敬語

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この度、貴詩メールマガジンを拝見いたしまして、
弊社商品をメールマガジン内にて
アフィリエイトでご紹介いただけないかと思い、
不躾ながら連絡をさせていただいた次第です。
———————————————

というメール文。
間違いは、幾つあるでしょう。

1)貴詩メールマガジン → 貴紙 または 貴メールマガジン
「貴詩」は打ち間違い。

2)拝見いたしまして → 拝見し

「見る」の謙譲語が「拝見」。
「拝」に謙譲の意が込められているので、
「する」の謙譲語「いたす」は不要。

3)メールマガジン内にて → 上の行に「メールマガジン」とあるので削除

4)ご紹介いただけないかと思い → ご紹介をお願いしたく

「~ない」といった否定的な言い回しは避ける

5)連絡をさせていただいた次第です。→ ご連絡いたしました。

目的があって「連絡する」のであり、
相手の許可を得て「連絡する」わけではないので、
「~させていただく」という言い回しは不適切。

書き換えると
——————————————–
この度、貴メールマガジンを拝見し、
アフィリエイトで弊社商品の紹介をお願いしたく
ご連絡いたしました。
———————————————

最初に挙げた文例は
一文の中で繰り返し同じ言葉を使っていたり、
例)メールマガジン、いただく

余計な言いまわしがあったりして
例)いたしまして、不躾ながら

詰め込み過ぎているので、不要な言葉を省き、
スッキリ整えました。

相手に伝えたいこと、
この場合は「アフィリエイトで商品を紹介してほしい」を
まず、はっきりさせ、最低限の敬語を使って文章を作ることが重要です。

余計な言葉で飾り立てるより、
読み返して誤字がないか、
意図が伝わる文章になっているかを
チェックしましょう。

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今週は、気になる敬語表現についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法              < 変な敬語(5)
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                     「請求させていただかない」

今週は、気になる敬語の使い方をとりあげてきました。

読者のかたからいただいた「?」な敬語をご紹介しましょう。
社外からの通知のメールにあった一文だそうです

————————————————————

さて、このたび弊社は、
日本国外からオンラインで提供される電子商品等につきまして、
○○社が定める価格相当部分の消費税を
加算して請求させていただかないことにいたしますので、
以下の通り、ご案内申し上げます。

————————————————————

読者が疑問に思ったのは、下から2行目の
「加算して請求させていただかないことにいたします」の一文。

この文で、最も伝えたいのは
「請求時に消費税は加算しません」
ということなので
「加算しません」に焦点当てて述べればよく
「請求させていただかない」というのは余計な表現のように感じます。
そこで…

「消費税を加算して請求させていただかないことにいたしますので」

「消費税は加算いたしませんことを」
とすれば、すっきりと伝わるのではないかと考えます。
それでは言葉足らずということであれば

「消費税は加算せずに請求いたしますことを」
「消費税は請求時に加算いたしませんことを」

という言い回しも考えられます。

伝えるべき用件は何かをまず考え
それに対して敬語を添えることが肝要です。

 
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今週は、誤った敬語の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法           < おかしな敬語(3)
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                      「お話をさせていただく」

丁寧な表現を意識するあまり、
過剰になったり、間違ったまま使っていたりする
“おかしな”敬語の事例を紹介しています。

(例文)
× 今まで人前でお話をさせていただく機会は何度かありましたが、
経営者の方々の前でお話をさせていただくのは初めてなもので
緊張しています。

当メールマガジンで繰り返し取り上げている「~させていただく」の濫用。
しつこいと思われるかもしれませんが、大事なことなので何度でも取り上げます。

このように、一文に二度も「~させていただく」が使われている例は
少なくありません。

上記の文例では、人前で話をすることを丁寧に言おうとして
「~させていただく」を使っていますが、
本来「~させていただく」は、相手に許可を願い出る必要がある時に
使う言葉。それによって、相手に対するへりくだった意を表すものです。

上記の文例の場合、セミナーなどで人前で話をすることは
ことさら、相手に「話してもいいですか?」と許可を得て事に及ぶものでは
ありません。

最初の「人前でお話をさせていただく機会」は
「人前で話をする」という一般的な事柄を指すので、
不特定多数の“人”にへりくだった表現を使う必要はなく、
「人前で話す」として問題ありません。

後の「経営者の方々の前でお話をさせていただく」も、
対象が経営者に変わるだけで
「話す」という行為をことさらへりくだって表現する必要はないため
次のように書き換えます。

○ 今まで人前で話す機会は何度かありましたが、
経営者の方々を前に話をするのは初めてなもので、緊張しています。

「経営者の方々を前に話をするのは」では落ち着かないという場合は
「経営者の方々を前にお話しするのは」としてもよいでしょう。

 

 
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今週は、気になる言い回しや表現について取りあげます。
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  仕 事 の メ ー ル 作 法                                    < 気になる言葉遣い(5)
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                            敬意の伝え方

「年末年始は、実家でゆっくりさせていただきました」
「早朝から来てもらい、ありがとうございます」

上記の2つの文は、敬語表現がちぐはぐな使われ方をしている例
です。

「実家でゆっくりさせていただきました」の方は、
自分の実家でゆっくり過ごすことを丁寧に表そうとして
「~させていただく」を使っているのですが、

この場合、相手にお伺い(許可や了承)を立てる必要のない行為
です。ですから
「ゆっくりしました」
「ゆっくり過ごしました」
として差し支えありません。したがって

「年末年始は、実家でゆっくりしました」
「年末年始は、実家でゆっくり過ごしました」
とします。

「早朝から来てもらい」の方は、
早朝から足を運んでくれた相手への敬意を表すには
「来てもらい」だけでは言葉足らずです。
「来てくださり」あるいは
「お越しいただき」とするのが適切です。したがって

「早朝から来てくださり、ありがとうございます」
「早朝からお越しいただき、ありがとうございます」

このように、不要なのに敬語が使われていたり、
敬意を表すべきところに敬語が使われてなかったり
というケースが見られます。

相手に対する敬意の使い方の区別に注意したいところです。
<追記> 
 敬語の「させていただく」の使い方については
 バックナンバーでも取り上げています。

 
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今週は、注意したい敬語表現についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法                < 気になる敬語 >
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                           「いただく」

確かに敬語を使っているのだけれど
結果的に、おかしな文章になっていることがあります。

例えば、「いただく」の使い方。
芸能人のブログコメントで見かけた例を挙げてみましょう。

「○○さんと親しくさせていただくこととなりました」

この場合、○○さんと親しくすることに
相手の許可や同意を得る必要はないと思うのですが…。

「○○さんと(親しく)お付き合いしています」
「○○さんと親しくなりました」

と言い切った方が、このかたの好感度はもっと上がったのでは?
と余計な心配をしてしまった次第。

もうひとつ、芸能人ブログで見つけたのが
下記のコメントです。

「何だかお話が具体化してきてしまっているので、
説明を足させて頂きますと・・・」

この「説明を足させて頂きますと」は
「説明を補足いたしますと」
の方が文章として自然ではないでしょうか。

また、補助動詞として「いただく」を使う場合は
上記のように漢字にするより、ひらがなで表記したいところです。

せっかく敬語を使っても
その使い方がちぐはぐだったり、的を射ていないと
“残念な”文章になってしまいます。

今週は、こうした気になる敬語の使い方
について取り上げていきたいと思います。

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「日経ビジネスアソシエ」2010年6月15日号 
特集・最新ビジネス作法

22-23ページに、メールマナーについて
取材を受けた記事が掲載されています。
ぜひ、ご一読ください!

 

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今週は、敬語について取り上げます
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 仕 事 の メ ー ル 作 法              < メールの敬語(4)
◆─────────────────────────────────◆
                           過剰な丁寧さ

<例文-1>——————————————————–
はじめてご連絡させていただいております。
○○株式会社 △△と申します。

今回、ネット上で貴サイトを拝見し 、
メールにて恐縮ですが、ご連絡させていただいております。
—————————————————————-

<例文-2>——————————————————–
取り急ぎ用件のみ返信させていただきます。
このたびはお忙しい中、ご対応いただきありがとうございます。

内容を確認次第、連絡させていただきます。
別途、お送りいただいた資料も参考とさせていただきます。
—————————————————————-

上記の例文で気になったことはありませんか?

<例文-1>では「させていただいております」
<例文-2>では「させていただきます」
が繰り返し使われています。

相手に失礼のない、丁寧なメールを書こうとする気持ちは分るのですが、
このように同じフレーズが繰り返し使われていると
慇懃無礼な印象を与えてしまうのです。

メールを書く本人は、少しでも丁寧な言葉づかいを…
と配慮して書いているのかもしれませんが

言葉尻に同じ言葉を
まるで公式に当てはめるように繰り返し使っているため
読み手はくどく感じてしまうのです。

<例文-1>——————————————————–
はじめてご連絡いたします。
私は、○○株式会社 △△と申します。

今回、ネット上で貴サイトを拝見し 、
お尋ねしたいことがあり、ご連絡した次第です。
—————————————————————-

「ご連絡させていただいております」は「ご連絡いたします」に
書き換えます。

「メールにて恐縮ですが」を省き、「お尋ねしたいことがあり」とすると
メールした理由が伝わります。

「ご連絡させていただいております」も「ご連絡した次第です」と結べば
すっきりします。

<例文-2>——————————————————–
取り急ぎ用件のみ返信いたします。
このたびはお忙しい中、ご対応いただきありがとうございます。

別途、お送りいただいた資料も拝見しました。
内容を確認次第、ご連絡いたします。
—————————————————————-

「用件のみ返信させていただきます」を「用件のみ返信いたします」に。
後半の文章は順番を入れ替えることで、収まりよくまとまります。

過剰な丁寧さよりも、すっきりした丁寧さを目指したいですね。

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