今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(5)
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                       「役不足」の書き換え

<読者からの質問>————————————————

会議・会合の準備をするにあたって、単なる上司の手伝いをすればいい
という対応では秘書として役不足です。

この一文で「役不足」という言葉の意味を取り違えて使っていました。
「役不足」の代りにどのような言葉を使って訂正すればよいでしょうか。

                           読者 F.Y 様
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「役不足」とは、能力に対して役目が軽すぎることを意味します。

しかし、「荷が重い、能力が足りない」と意味を取り違えて使いやすい
言葉でもあります。本人は謙遜のつもりで「私には役不足です」と書い
ても、相手には不遜と受け止められてしまうことも…。

一般的に「役不足」は「力不足」と書き換えることが多いようです。
上記の一文にある「役不足」を書き換えるとしたら…そのまま言葉を
置き換えてもいいのですが、下記のような書き換え方もできます。

会議・会合の準備をするにあたって、単なる上司の手伝いをすれば
いいという対応では秘書として十分とはいえません。

会議・会合の準備をするにあたって、単なる上司の手伝いをすれば
いいという対応では秘書として不十分です。

「だめです」「いただけません」という強い打ち消しの表現ではなく、
やんわりいさめつつ改善策につなげられる表現になると思います。

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今週は、読者のかたからいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法   < 読者からの質問(4)
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気になる言葉

<読者からの質問>————————————————

私が気になっている「間違えやすい使われ方のことば」のなかのひとつに
「悩ましい」があります。

本来は「色っぽい」とか「そそる」とか、
女性に対して男性から発せられる、
そういう言葉だったように思うのですが、どうなんでしょう?

テレビや年輩の上司や雑誌などでも目や耳にするようになってきたので
意味が変わったのか、もともとそれで正しいのかよくわかりません。

もうひとつ「確信犯」は未だに浸透しませんね。

間違っていても、大勢が使うようになれば正しいことになって
しまうのでしょうか?
仕方ないのですが割り切れないところもあります。

読者 C.S 様
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以前、「間違いやすい慣用句」のテーマでこのメルマガを書いたときに
いただいた質問です。

三省堂「大辞林」第二版によると…
「悩ましい」の意味として次の3つが記されています。

1)感覚に性的な刺激を受けて、心が落ち着かない。
2)気持ちがはれない。悩みが多い。
3)病気などで気分が悪い。

昔、「気絶するほど悩ましい」(阿久悠の作詞)という歌がありましたが、
歌のタイトルの「悩ましい」はまさにC.Sさんが書かれているのと同様で
1)の意味合いですよね。

このほかに 2)のような思い悩む状況を表すときにも「悩ましい」が
使われているようです。

「確信犯」は「道徳的・宗教的・政治的な信念に基づき、自らの行為を
正しいと信じてなされる犯罪」が本来の意味ですが
一方で「悪いことと知りながら犯罪を行う人(もしくはその行為)」
「結果を予想した上で計略を巡らす人」
という意味で使われている傾向があります。

取り違えた意味のまま浸透していく言葉があるのも否めませんが、
「これでいいの?」と疑問を持ち、言葉を見直してみることも大切
と感じます。

調べたり、話題として人に投げかけて一緒に考え、言葉への興味を持ち
続けていきたいものです。

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今週は、慣用句の誤用についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 間違いやすい慣用句
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                            誤用の実態

9月7日に文化庁から発表された2006年度「国語に関する世論調査」。
8日の新聞各紙で報道されていたので、目にしたかたも多いのではないで
しょうか。

今回の調査では、慣用句などの誤用の実態調査も報じられていました。
私も誤って使っていた慣用句があり、軽くショックを受けました。
その慣用句とは…

「役不足」「流れに掉さす」「ぞっとしない」の三つです。

次の例文に使われている慣用句の意味、あなたはどちらだと思いますか?

1)「彼には役不足の仕事だ」
A)本人の力量に対して役目が重すぎること
B)本人の力量に対して役目が軽すぎること

2)「その発言は流れに棹さすものだ」
A)傾向に逆らって,勢いを失わせる行為をすること
B)傾向に乗って、勢いを増す行為をすること

3)「今の映画は、余りぞっとしないものだった」
A)面白くない
B)恐ろしくない

▼ 感覚で捉えず調べて意味を知る
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正しい使い方は

1)役不足 = B)本人の力量に対して役目が軽すぎること
2)流れに棹さす = B)傾向に乗って、勢いを増す行為をすること
3)ぞっとしない = A)面白くない

上記の三つの慣用句の意味を、私は完全に取り違えていました。

謙遜したつもりで「今回のご依頼は、私には役不足です」と発言し、
「流れに掉さすようなことはしないほうがいいでしょう」と止めに入り
「ぞっとしない」にいたっては「ぞっとする」の反対語と思い込んでいま
した。あ~恥ずかしい!

今週は、このように意味を取り違えやすい慣用句について取り上げてみた
いと思います。

※参考 文化庁 平成18年度「国語に関する世論調査」の結果について

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