今週は、「?」と思う言葉の使い方についてです。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法             < 疑問な言葉(4)
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                         お体ご自愛ください

暑中見舞いや残暑見舞いの最後に添える一文に

「お体ご自愛ください」

とありますが、「自愛」というのは「自分自身を大切にする」こと。
つまり、「ご自愛ください」だけで「お体に気をつけてくださいね」
という意味合いが含まれています。

ですから「お体」の代わりに
「暑さの折、ご自愛ください」
「くれぐれもご自愛ください」

とするか、「ご自愛」を使わず
「暑さの折、お体を大切に」
と結ぶこともできます。

これに関連して、うっかり書いてしまいがちなのが
「連日暑い日が続きますが」です。

この一文は「連日」と「暑い日」の「日」、
「連日」と「続きますが」という同じ意味の言葉が重なっていますね。

「暑い日が続きますが」
「連日暑いですが」
に「ご自愛ください」が続くと、結びの文として収まりがいいです。

もう一つ。メールや手紙、文書関連でよく目にするのが
「各位殿」「各位様」。

当メルマガでも何度か取りあげましたが、
「各位」で敬称を表すので、「殿」や「様」は不要です。
「関係者様各位」としなくても「関係者各位」で敬称を表します。

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今週は、読者からの質問にお答えします
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問
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                      敬称について

久々に読者のかたからの質問にお答えします。すでに回答をお送りしたか
た、誌上で回答させていただくかた、いろいろです。「メールで使用する
際の表現」という観点でお答えしています。まずはお一人目の質問です。

<質問:殿と様の使い分け>———————————-

以前、仕事上で、かなり年輩の人に、
「殿」は目下の人に対して使うものだと言われたことがあります。

それ以来、殿は使ったことがありません。
(そのとき怒られたのでトラウマ‥‥)

殿と様ってどう使い分ければいいんでしょうか?

——————————— 読者 K.W 様からの質問

先週の「メールの書き出し(2)」で社内の目上の人へのメールの書き出し
の記事の時にいただいた質問です。

殿を使うべきか、様を使うべきか、迷うところですよね。敬称については
読者のかたから質問を多くいただきます。

▼ 目上の人への私信には使わない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「殿」に関しては、公私での使い分けがあるようです。
・公式な場合や組織内では、上下の区別なく「殿」を使う。
・私的な場合は、目下の人に対してだけ「殿」を使う。

三省堂「大辞林 第二版」によると
古くは、「関白殿」「清盛入道殿」など、かなり身分の高い人に付けて
も用いた。現在では、目下に対してや事務的・公式的なものに用いるこ
とが多く、少なくとも、目上に対しての私信にはほとんど用いない

とあります。

「殿」が使われるのは、書き言葉が主で、話し言葉では、表彰など特別な
席や改まった場以外では使用頻度が少ないもの。誰に当てる場合でも、私
的に「殿」を使うことは、日常的にはあまりないですよね。

「殿」は目上の人への私信には使わない
と、まずは覚えておき、使用を避けるのが無難でしょう。

▼ 目上の人にも「様」は失礼に当たらない
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ビジネスの場でも「殿」は、「人事課長殿」のように役職名の宛名に
使われることがあるようですが、
通常の仕事のやりとりで使うメールでは「様」で十分。
失礼には当たりません。

お役所などでも最近は「殿」から「様」に表記が切り替わりつつあり、
「殿」を使わない方向になっているようです。

慣習的に「殿」を使っている職場は別として、通常の仕事のやりとりで交
わすメールでは「宛名+様」「名前+役職名」。
役職が付く場合も「○○部 部長 山本様」と表記すれば差し支えありま
せん。

 
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今週は、堅苦しい表現の言い換えについてです。◆────────────────────────────◆
仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法       < もっと易しく(2)
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                    二字漢字の言い換え

▼ 堅苦しく感じる漢字二字言葉
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
メールマガジンの相互広告の依頼でよく目にするのが「貴誌」。

相手の会社のことを「貴社」、相手のことを「貴殿」と書くことから、相
手のメルマガもマガジン=雑誌と捉え、貴誌としているのでしょう。

相手の敬意はありがたいものの、好き勝手に書いてる自分としては「そん
な大げさなもんじゃないのに…」と恐縮する気持ちも強いです。

個人と個人のやりとりなら

貴誌との相互広告 ⇒ あなたのメールマガジンとの相互広告

と言い換えてもいいのではないでしょうか。

このように堅苦しく感じる漢字二字の言葉を言い換えてみましょう。

若干    ⇒  幾つかの
当該    ⇒  その、当の
逐次    ⇒  次々に、だんだん
同一    ⇒  同じ
諸般の   ⇒  さまざまな

形式化したフレーズも見直してみましょう。
決まり文句のようになっている下記の言葉も…

衷心より希望        ⇒ 強く希望
万全を期す         ⇒ 間違いがないようにくれぐれも注意して
格段の御高配を賜りますよう ⇒ ご配慮を
万障お繰り合わせの上    ⇒ 差し支えなければ

と、言い換えられます

▼ 「殿」か「様」か
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「貴殿」に関連しますが、敬称を「殿」とすべきか「様」とすべきか迷う
ことがあります。

法令で定めた様式や社内で形式化している場合を除いて、「様」が一般的
になっているようです。

公文書に使う敬称を「殿」から「様」に統一している自治体もあります。
賞状や感謝状でも「殿」から「様」、場合によっては「さん」とするケースも。

個人宛の場合は「様」で問題ありません。相手に役職がある場合も「総務
部長 山本一郎様」というふうに「役職+名前+様」と書くとよいでしょう。

相手と親しくなるにつれ、メールの宛名が「様」から「さん」へ変わって
いくのは、個人的にはうれしいプロセスです。

 
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