今週は、読者から寄せられた敬語についての質問に回答します。
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仕 事 の メ ー ル 作 法       < 気になる敬語(3)>
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「請求書の発行が実行できないお会社」

<敬語についての質問>————————————————

下記は、客先から届いたFAXです。

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弊社宛て請求書の到着を毎月督促させていただいておりますが、販売システム
上、請求書の発行が月末に実行できないお会社もあろうかと存じます。

弊社におきましても、請求書の発行を督促いただくケースも多々ありますが、
請求合計金額をお知らせすることによって、仮の支払検収をいただいておる
次第です。

つきましては、御社販売システム上、請求書の発行に時間を要する場合、下記
フォームにご記入いただき、FAX送信くだされば仮の支払検収を致しますので、
ご理解とご協力をお願い申し上げます。
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読むと、少し違和感があります。
立場的には、FAX発信元がお客様ですが、丁寧な文章で、請求書を早く出して
欲しいが、無理な場合は……と、へりくだる気持ちが、こういう文書になるの
でしょうか。
特に、「お会社」の文言が気になります。
(読者 N.Nさん)
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このFAXで伝えたい用件は
「請求書の発行を月末にできない場合は、所定のフォームで請求合計金額を
事前に知らせれば、仮の支払検収をします」ということ。

ですが、
現状→自社ではこうしている→だから、あなたの会社もこうして
という文章の運びで少々回りくどい上に、「督促」という言葉を多用。
でも、文章自体は必要以上にへりくだっているため、慇懃無礼な印象を与える
のだと思います。

「お会社」は「御社」とすればよいのですが、文章内に「お会社」と「御社」
の表記が混在していて、まとまりがありません。

文章と言いまわしを整理すると……

弊社宛て請求書が月末に発行できない場合は、下記フォームに請求合計金額
を記入のうえ、FAXでお知らせください。仮の支払検収を致します。

とすれば用件は伝わります。

お金の流れを考えると、FAX発信元の会社が支払う側なので、取引先であるN.N
さんの会社に対して過剰にへりくだらなくても、用件のみ伝える内容で差し支
えないと考えます。

支払う側だから、と不遜な態度や文章も嫌な感じがしますが、このように必要
以上にへりくだった文章も不自然ですよね。

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【しごび】 の お 知 ら せ
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