今週は、読者の方からの質問にお答えします。
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 仕 事 の メ ー ル 作 法          < 読者からの質問(3)>
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                     「下さい」か「ください」か

<読者からの質問>—————————————————-

以前、「漢字表記かひらがな表記か」についての質問をメルマガで取り上げて
いただいた中で、「下さい」の表記についてのバックナンバーが載せてあり、
「ちょうだいしたい」という意を表す時は漢字の「下さい」、動詞の連用形に
補助動詞として付く場合は「ください」にするとのことでしたが、それを意識
しながら仕事をしている中で疑問に思ったことがありました。

「ご連絡ください」は、「連絡して」を敬語にするために「ご~ください」を
当てはめているので平仮名の「ください」になるかと思っているのですが、
親しい間柄の人などに「ご連絡下さいね」という場合は「連絡ちょうだい」
という意図で使うので漢字の「下さい」になるのかなと、判断に迷っています。

同じ「ごれんらくください」でも意図によって「ください」を漢字にする場合
と平仮名にする場合があるのでしょうか。

「ご報告ください。」「ご報告下さい。」も同じように迷っています。

                           (読者 Y.Nさん)
———————————————————————-

上記の「漢字表記かひらがな表記か」についての質問のバックナンバーはこちら

▼「いたします」か「致します」か< 漢字か、平仮名か > VOL.3078

「下さい」と「ください」について整理すると……

・漢字の「下さい」は、動詞「くれ」の尊敬・丁寧表現

・かなの「ください」は補助動詞として、何かをお願いするときや、
 敬意を表すときの尊敬・丁寧表現

「下さい」「ください」ともに敬語として使うことができます。

相手に、連絡を「ちょうだい」という意で伝えるときは
「連絡を下さい」
ですが、敬語にする場合は「連絡」の前に「ご」を付けて
「ご連絡を下さい」。

※ここでのポイントは、いずれも「下さい」の前に「を」を入れること。

ただ、敬語で伝えるなら「ご連絡を下さい」より
「ご連絡をいただけますか」
と言い換える方が丁寧で収まりが良いと思います。

一方、「連絡してほしい」という意を伝えるときは
「連絡してください」
「ご連絡ください」

この場合の「ご連絡ください」が敬語として機能します。

表記をもとに違いを挙げれば、上記のようになりますが、そこまで厳密に表記
の違いにこだわる必要はないと思いますので、
目上の相手には「ご連絡ください」
そうでない相手には「連絡してください」
と使い分ければよいのではないでしょうか。

「報告」の場合も表記の違いに基づくと
「報告をちょうだい」という意を伝えるなら「報告を下さい」
報告を求める場合は「報告してください」「ご報告ください」
ですが、

敬語で使うなら「ご報告ください」
そうでない場合は「報告してください」
とすればよいと思います。

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今週は、硬い文章をやわらかくする工夫についてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法         < 漢字表記を読みやすく
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                             仮名に開く

硬い印象を与える文章、堅苦しい感じがする文章は
文中に占める漢字の割合が多いことが一因として挙げられます。

例えば、下記の一文ですが、
漢字で表記されている語句を仮名に書き換えてみると……

例)御利用出来ない事が在ります。

ご利用できないことがあります。

御利用 → ご利用
出来る → できる
事   → こと
在る  → ある

見た目の硬い印象が変わりました。

このほかにも
所  → ところ 例)現在のところ
物  → もの  例)困った物だ
居る → いる  例)関係者がいるので

上記の語句は、パソコンで文字を入力する際に
変換候補として挙がってくるので
意識せずにそのまま使っていると、

一文の漢字の比率が高くなり、
硬い印象を与える文章になりがちです。

文章中の漢字を仮名に書きなおすことを
「漢字を仮名に開く」といいます。

今週は、漢字を仮名に開くと
文章の印象がどのように変わるかを
例を挙げながら紹介していきたいと思います。

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今週は、読者の方からいただいた質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法  < 読者からの質問
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英文字の会社名

<読者からの質問>————————————————

会社名が英文字のお取引先にメールする場合は
社名を半角文字にした方がよいでしょうか?
(S.Yさん)
——————————————————————

英数字を入力するとき
半角にするか全角にするかは
人それぞれであったり、社内で統一ルールがあったりすることでしょう。

半角、全角どちらがよいということはなく
メール文でどちらかに統一されていればよいと
考えます。

わたし自身は、英文字も数字も半角で入力することにしています。
理由は、スペースをとらないから。

「A」と入力するのと「A」と入力するのとでは
1行の長さが違ってくるため
見た目に短くてすむ半角文字で統一することにしています
(ただ、メルマガで日時などを強調したいときは
敢えて全角表記にすることはあります)。

先方から先にメールが届いた場合は
表記も先方に合わせればよいと思います。

正式名は英文字表記でも
便宜上、メールではカタカナ表記という会社もあるので
そのような場合も先方に倣えばよいのではないでしょうか。

余談ですが……
名刺の住所、氏名などが英文字表記のみのケースがありますが
見た目はかっこよく見えても
実用的でないなぁと思います。

漢字の表記の仕方が分からないし
ひと目で認識しにくいからです。
名刺をもらっても印象に残りにくい気がします。

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今週は、読者のかたからの質問にお答えします
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仕 事 の メ ー ル 作 法            < 読者からの質問(4)
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                             料理用語

<読者からの質問>————————————————

私は共同通信社の「記者ハンドブック」を持っているのですが、
料理用語で、よく正しい漢字を選ぶときに迷います。

以下、ハンドブックに挙がっている例をHBと略します。

たとえば、お肉が「かたい」「やわらかい」は、
「硬い」「軟らかい」でいいのか。

→→ HBの例では、「大根を軟らかく煮る」

クッキーとかパイとかの生地を「のばす」は、「延ばす」でいいのか。

→→ HBの例では、「手延べそうめん」

バターを「とかす」のは「溶かす」でいいのか。

→→ HBの例では、「砂糖を水に溶かす」でも、「雪解け」という

今思いつく例はこれくらいなのですが、上記の解釈は合っているでしょうか。

(読者 M.O さん)
——————————————————————

「記者ハンドブック」をお持ちとのことなので
講談社校閲局「日本語の正しい表記と用語の辞典」
で調べてみました(以下、講談社とします)。

> たとえば、お肉が「かたい」「やわらかい」は、
> 「硬い」「軟らかい」でい いのか。
> →→HBの例では、「大根を軟らかく煮る」

「硬い」「軟らかい」の表記でよいです。

講談社の文例に
石のようにしんがかたい様子を「硬い」という解説があり
文例としては「ご飯が軟らかい」とありました。

「硬い」の対語が「軟らかい」なので
この表現で問題ありません。

> クッキーとかパイとかの生地を「のばす」は、「延ばす」でいいのか。
> →→HBの例では、「手延べそうめん」

これは講談社には
明確な違いの記述がありませんでした。

「朝日新聞の用語の手引」には
用例に「クリームを伸ばして使う」とあり
「デジタル大辞泉」で意味を確認したところ

厚みのある物を、押し広げて薄く平たくする=「伸ばす」とあり
「餅を伸ばす」
という用例がありました。

ですから、
クッキーとかパイ生地は「伸ばす」が妥当かと思います。

> バターを「とかす」のは「溶かす」でいいのか。
> →→HBの例では、「砂糖を水に溶かす」でも、「雪解け」という

講談社には「とく」の用例として
「砂糖が水に溶ける」
とありました。

「朝日新聞の用語の手引」には
溶かす=とけ合う、固体が液体になる
解かす=とけてなくなる、ほどける
と意味の解説があります。

「固体が液体になる」状態なので
バターは「溶ける」という表記でOKです。

「雪解け」については、
雪がとけてなくなることを指すため
「解」を使います。

ただ、「雪を溶かして水にする」という用例もありました。
雪の状態により、漢字の使い分けが必要になりそうです。

※調べていくと、いろいろなことが分かってきて
M.O さんの質問は、私自身もとても勉強になりました。
参考までに、使用して用語集を挙げておきます。

「記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集」

「朝日新聞の用語の手引」 

「日本語の正しい表記と用語の辞典 第二版」

<追記>
記者ハンドブックによると、
調理をする前の肉や果実などの食べ物は「柔らかい」、
調理の結果は「軟らかい」と表記を分けています。
ただ、どちらかはっきりしない場合も多いので
「やわらかい」と平仮名下記で良いとしています。

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今週は、間違いやすい慣用語・慣用句についてです。
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仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法      < 気をつけたい表現
◆─────────────────────────────────◆
「的を得る?」

なんとなくうろ覚えのまま使っていたり、
勘違いしたまま使っていたりする表現があります。例えば……

「的を得る

うっかり使ってしまいがちですが
実はこれ、正しくは

「的を射る

ですね。
「当を得る」という表現と混用して間違いやすい表現です。

同様に

「類は類を呼ぶ」

これも正しくは
「類は友を呼ぶ」
が正しい表現です。

同類語としては「類を以って集まる」があります。

今週は、このように
うっかり使ってしまいがちな
誤りやすい慣用語・慣用句を
取り上げていこうと思います。
<追記>
「的を射る」とは、矢の目標である的(まと)を射抜くこと、
つまり「核心をつく」という意味で使います。
一方、「当を得る」は、道理にかなっているという意。
類語に「妥当」があります。

「類は友を呼ぶ」の由来は「易経」の
「方(ほう)は類を以(もっ)て聚(あつ)まり、
物は群を以て分かたる」から派生したと言われます。

「類を以って集まる」の「以て」は「に寄って」という意味。

変化の方向が同じようなものは自然と集まり、
集まったものがそれぞれ群れを作ることになる、
つまり、気の合う者、似た者同士が自然に集まる
ことを指します。

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今週は、洋数字と漢数字の使い分けについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法             < 数字の使い分け(5)
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漢数字と洋数字の使い分け

今週は、洋数字と漢数字の使い分けについて
例を挙げながら紹介してきました。

「1つ」「2個」「3冊」……と
「いくつ」か、数を数えるときに使うのは洋数字ですが
次のような場合は漢数字を使います。

「気持ちを一つにして」
「二つ返事で了承する」
「三つ巴」
「営業の七つ道具」

「3人に1人が使用」
「9人制バレー」
このように、人を数えるときもや人数を表すときも
洋数字を使います。

対して、次のような慣用句や熟語には漢数字を使います。

「一人前になるまで」
「三者三様」
「十人並み」
「十人十色」

横書きが普及・浸透し
洋数字の方が使いやすい状況はこれからも増えていく一方でしょう。

しかし、定まった意味を持つ言葉には漢数字を使うことも気に留め
使い分けるようにしたいですね。

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