メール対応の「素朴な疑問」にお答えします。
◆────────────────────────────◆
 読 者 か ら の 質 問               「企業様」
◆────────────────────────────◆

<読者からの質問>———————-

 すでに過去に出ている内容でしたら
 すみません。
「企業様」「法人様」「学校様」のように
 団体に「様」をつけることは
 正しいことでしょうか?

 また、「様」を付けず
「多くの企業とお取引をさせていただいて
 おります」のように
「企業」「法人」「学校」と記しても
 失礼にはあたりませんでしょうか?

 教えていただけましたら幸いに存じます。
 よろしくお願いいたします。

            (読者 M・Gさん)
—————————————-

実際に「企業様」「法人様」「学校様」
という使われ方はしていますが
呼称として正しいか、正しくないか
調べることができる範囲で
文献に当たってみましたが、
正解は分かりませんでした。

宛名に敬称として使うのであれば
「会社名+御中」
ですが、

文章として
「多くの企業とお取引をさせていただいて
 おります」と書いているケースは
多く目にします。

ほかにも相手の会社のことを呼んだり、
書いたりするときに
「会社名+さん」とさん付けするケースも
一般化しています。

私見ですが、
会社=法人として、
人格を与えられたものとみなすことから
会社名に「様」や「さん」という呼称を
付けているのかもしれません。

こうした言い方が普及すると
「様」や「さん」を付けずに
相手の会社名を呼んだり書いたりするのが
失礼な気がしてくるのも自然なことでしょう。

会社の慣習やルールもあると思うので、
M・Gさんの会社内で書き方、呼び方の統一が
とれているのであれば
「企業様」という呼称を使うことは
問題ないと思います。

「企業様」という表記が正しいか正しくないか
「企業」とう言葉に「様」を付けないことが
失礼になるのかどうか
私には判断がつきません。

ただ、個人的には、
「企業」「法人」「学校」という名詞に
敬称の「様」は不要ではないか、
と考えています。

「多くの企業とお取引をさせていただいて
 おります」
という一文は、私なら

「メーカー30社と取引があります」
のように「企業様」とくくらず、
業種などを具体的に書いて示します。

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

記事全文を読む

今日は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
 メ ー ル の 敬 語 NEW      「申し付かる」について質問
◆─────────────────────────────────◆

先週掲載した「申し付かる」について

読者の方から下記の質問をいただきました。

<読者からの質問>———————————————-

 Q)営業電話を断るときに

「上司にそのような件はお断りするよう申し付かっておりますので…」
 と使っております。
 社会人になってから決まり文句のように使っておりましたが、
 使用に問題はございますでしょうか?
                        (読者 H.Sさん)
—————————————————————-

「申し付かる」を辞書で調べると、該当する言葉が見つかりません。

もう一度、言葉の意味を整理すると

「申し付ける」は、上位者から下位者へ命令すること。
基本的に、主語は上位者(命ずる側)で
「部下に〇〇を申し付ける」のように使いますが、

下位者(命じられる側)を主語にする場合は
「上司からの申し付けにより〇〇いたします」
とするのが自然と考えます。

対して
「申し付かる」は、
「申し付ける」の「付ける」を「付かる」に変えることで
下位者(命じられる側)を主語にした言葉として使われているようです。

でも、辞書には「申し付かる」という言葉はなく、意味が定められていないので
当メールマガジンでは「適切でない言葉」と判断しました。

H.Sさんからの質問にあった
「上司にそのような件はお断りするよう申し付かっておりますので…」
を言い換えるとすれば
「上司からの申し付けで、そのような件はお断りすることにしておりますので…」
としてはいかがでしょう。

ほかの言い方としては
「当社では、そのような件はお断りすることにしております。申し訳ありませんが…」
としてもよいのではないでしょうか。

「付かる」を使う言葉としては
「仰せ付かる」があり、命令を受ける、という意味で
「社長から大役を仰せ付かる」
のように命令する者を敬っていう語 として使われています。

ほかに「付かる」を使う言葉には
「言付かる(ことづかる)」=伝言や物を届けるよう頼まれる
「言付かる」=言い付けられる。命令される。ことづけられる
などもあります。

「付かる」には、つけられる、の意があり
人から頼まれたり、命じられたりするときに用いられています。

そのため、「申し付ける」から「申し付かる」が派生したと思われます。

秘書検定では「申しつかっております」は正しい使用法とされている
との情報もありますので、社内の慣行として定着しているのであれば、
問題ないのかもしれません。

ただ、当メールマガジンでは、上記の理由で「申し付かる」の使用は
お勧めしていません。

 
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら

メルマガ詳細

このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

 

記事全文を読む

            今週は 、間違いやすい敬語の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法 < 敬語レッスン(5)>
◆─────────────────────────────────◆
                     「存じ上げる」と「存じる」

——————————————–
反対意見が多いことは重々存じ上げております。
——————————————–

目上の相手に「知っている」と伝える場合の敬語の使い方は、これでよいでしょ
うか?

「知る」の謙譲語は2種類あります。謙譲語Iの「存じ上げる」と、謙譲語IIの
「存じる」です。

「存じ上げる」と「存じる」の違いは、「知る」という行為が向かう先の相手
を高める謙譲語Iが「存じ上げる」。

知っている自分をへりくだることで、相手に対して丁寧に述べる場合に使うの
が謙譲語IIの「存じる」です。

したがって、相手に向かって「重々知ってます」という意を伝える場合は、
「存じ上げる」ではなく「存じる」を使います。
——————————————–
批判的な意見が多いことは重々存じております。
——————————————–

では、謙譲語I「存じ上げる」はどのようなときに使うのでしょうか。
自分が「知っている」相手のことを立てる際に用いるのが「存じ上げる」です。
例えば
———————————————
御社の山田会長のことはよく存じ上げております。
———————————————
といった具合です。

バックナンバーでも取り上げているので参考にしてください。

「存じ上げます」< 敬語注意報(4)> VOL.1673

ここで、謙譲語Iと謙譲語IIの違いを整理しておきましょう。

謙譲語I … 自分側から相手側や第三者に向かう行為について、その向かう先
       の人物を立てて述べるもの
       例)存じ上げる 申し上げる うかがう など

謙譲語II … 自分側の行為を、話や文章の相手に対して丁重に述べるもの
例)存じる 申す 参る など

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

記事全文を読む

今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法           < 敬語レッスン(4)>
◆─────────────────────────────────◆
                       「お使いになられません」

————————————————–
工事のため、明日から駐車場はお使いになられません。
————————————————–

「駐車所は使えない」という意を伝える敬語の言い回し。ここで注意したいの
が「お使いになる+れる」の二重敬語です。

「使う」の尊敬語は「お使いになる」。上記の文は、そこにさらに尊敬語の
「れる」が加わっています。正しく書き換えると……
————————————————
工事のため、明日から駐車場はお使いになれません。
————————————————
駐車場を使いますか? と尋ねる場合は、「駐車場をお使いになりますか」と
します。

二重敬語の例は他にもあります。

———————————-
明日、佐藤様がお見えになられます。
———————————-
「来る」の尊敬語「お見えになる」に、尊敬語「られる」が続いています。書
き換えると……
——————————–
明日、佐藤様がお見えになります。
——————————–
「お見えになります」のほかに「お見えです」としてもよいでしょう。

———————————–
講師の先生がそうおっしゃられました。
———————————–
「言う」の尊敬語「おっしゃる」に、尊敬語「られる」が続いています。書き
換えると……
———————————-
講師の先生がそうおっしゃいました。
———————————-

「来る」の尊敬語「お見えになる」、「言う」の尊敬語「おっしゃる」のよう
に言葉の形自体が変わる尊敬語特定形は特に、尊敬語「れる」「られる」を付
け足してしまいがちです。二重敬語にならないように注意しましょう。

 
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

記事全文を読む

今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法           < 敬語レッスン(3)>
◆─────────────────────────────────◆
                       「部長にお伝えします」

————————
佐藤部長はお電話中です。
————————

職場の内線で他の部署からの問い合わせには、上記の対応で問題ありませんが、
客先からの電話の場合は?

内→内 の問い合わせには、上司を高めて「お電話中です」としますが、外→
内 の場合は、社内の連絡と同じ調子にはいきません。「電話中です」と状況
を相手に伝えるだけでよく、上司のことだからと敬語を使う必要はありません。
また、社外に対しては、上司も内側の人間として扱い、敬称は付けません。

社外の相手に伝える場合は
————————–
佐藤はあいにく電話中です。
————————–
「電話中です」の代わりに「他の電話に出ております」としてもよいでしょう。

同様に社外の相手に連絡事項を社内の上司に伝える場合
————————————
御社の意向は佐藤部長にお伝えします。
————————————
とするのもNGです。

謙譲語「お伝えする」の敬意は上司の佐藤部長に向いていて、「佐藤部長に
お伝えします」では、社外の相手よりも社内の上司を高めていることになり
ます。社外からの連絡事項を社内の者に伝える、と社外の相手に言う場合は
「申し伝える」を用います。

したがって上記の文は
——————————–
御社の意向は佐藤に申し伝えます。
——————————–
とするのが適切です。

このように、客先など社外の相手に対して、社内の上司への敬語をそのまま使
うケースが見られますが、社外に対しては社内の上司も「身内」であり、「○
○部長」といった敬称は使わず呼び捨てにし、敬語を使う対象も上司ではなく
客先になります。内→内、内→外 の敬語の使い分けを混同しないように注意
しましょう。

ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

記事全文を読む

今週は、間違いやすい敬語の使い方についてです。
◆─────────────────────────────────◆
 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法           < 敬語レッスン(2)>
◆─────────────────────────────────◆
                     「読まさせていただきました」

—————————————-
早速、企画書を読まさせていただきました。
—————————————-

上記の一文に使われている「読まさせていただく」。一見、問題ないように思
えますが実は……。

この場合、「さ」は不要。「読ませていただく」とすればよいのですが、謙譲
語「~させていただく」が多用されていることからくる活用の間違いと思われ
ます。
————————————–
早速、企画書を読ませていただきました。
————————————–

または、「読ませていただきました」の代わりに「拝読しました」としても意
味は変わりません。
—————————-
早速、企画書を拝読しました。
—————————-

——————————————————————
社内で検討させていただいてから、ご連絡させていただいていいですか。
——————————————————————

この文のように謙譲語「~させていただく」を多用している文をよく見かけます。
「~させていただく」が続くとすっきりしません。敬語を一文に一つ使い、整理し
てみましょう。
————————————————
社内で検討後、ご連絡させていただいていいですか。
————————————————

あるいは、問いかける形式にせず言い切ると、さらに文は短く簡潔になります。
——————————–
社内で検討後、ご連絡いたします。
——————————–

「~させていただく」を使う前に、それ以外に言い換えることはできないか、
確認してみましょう。

 
ビジネスメールを書くときに役立つ最新の記事が無料で読めます。

メルマガ詳細

最新刊! 8冊目の神垣あゆみの
著書『迷わず書けるメール術』

その他の著書はこちら
このブログの記事を書いています。
【神垣あゆみ企画室】

カミガキのフェイスブック

カミガキのツイッター

「仕事のメールの基本を知りたい、でも、誰も教えてくれない。今さら聞けない」という人のためのメールマガジン。
毎週金曜日 配信!
【仕事のメール心得帖】有料版
 登録はこちらから

記事全文を読む