今週は、呼称の使い分けについてです。
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仕 事 の メ ー ル 作 法     < 適切な呼称(2)
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相手の会社の呼称

会社や団体あてのメールの呼称として「御中」を使います。
では、相手の会社そのものを指すときの呼称は何でしょうか?

「御社」? それとも「貴社」?

使い分けの基準としては、メールや文書の書き言葉では「貴社」、
口頭で呼ぶ場合は「御社」とするのが一般的です。

どちらも相手に対する敬意を示していますが、「貴社」には同音異義語と
して「記者」「帰社」「汽車」などがあり、誤解を招く可能性があるため、
書き言葉で使われます。

銀行の場合は「貴行」、店舗の場合は「貴店」、学校の場合は「貴校」と
書きます。メルマガの相互紹介でも「貴メールマガジン」という表記が見
られます(個人的には、個人が配信するメルマガなら「○○さんのメルマ
ガ」という書き方で十分と思いますが…)。

ビジネスメールで、相手の会社などを指し
「そちら(の会社)の場所はどこですか?」
「おたくの実績をお知らせください」と書かれたものがありますが
「貴社の場所はどちらでしょうか?」
「貴社の実績をお知らせください」とするほうが適切です。

ちなみに、口頭では「御社」のほかに「そちら様」という呼び方もあります。

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今週は、呼称の使い分けについてです。
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   仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法              < 適切な呼称
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                          複数の人への呼称

ある会社からのお知らせメールに、次のようにありました。
—————————————————————–
各位殿

このメールは○○がお世話になっている方々にBCCでお送りします。

—————————————————————–

複数の人に同時にメールを送信する際によく使う「各位」。

二人以上の人を対象にして、それぞれの人に敬意を表す時に使う表現です。
ビジネスメールでは「担当各位」「店長各位」「会員各位」としたり、
プレスリリースでは「報道関係者各位」がよく使われます。

この場合、「各位」そのものが敬称にあたるので「殿」や「様」をつける
必要はありません。

上記のようなメールで「各位」だけでは物足りない気がする場合は
「関係各位」としたり、下記のような書き方をしてもよいのではないしょ
うか。
—————————————————————–
お世話になっている皆様方

このメールはBCCにてお送りする○○からのお知らせです。

—————————————————————–

複数の人に対する呼称は「各位」ですが、会社や団体・官公庁に対して
は「御中」を使います。個人の場合は「様」が一般的です。

今週は相手に対する呼称、自分に対する呼称など、ビジネスメールで必然
的に登場する呼称の使い分けについて考えていきましょう。

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今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法     < 書き換える技術(5)
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                          すっきりさせる

 ある企業からのご案内メールです。
 —————————————————————–
 突然このようなメールを送信させていただき、失礼をお詫びいたします。
 弊社は○○○の企画を主な事業とした△△△サービスの会社でございます。

 (中略)

 上記につきましてご協力をという場合は、是非、こちらの申込フォームに
 必要事項をご記入の上、ご返信いただけますよう、お願い申し上げます。

 —————————————————————–

 丁寧な言葉遣いには好感が持てますが、細かくチェックすると、気になる
 箇所が幾つかあります。書き換えてみましょう。

 —————————————————————–
 突然このようなメールを送信する失礼をお詫びいたします。
 弊社は○○○の企画を主な事業とした△△△サービスの会社でございます。

 (中略)

 上記につきましてご協力をいただける場合は、ぜひ、こちらの申込フォー
 ムに必要事項をご記入のうえ、ご返信いただければ幸いです。

 —————————————————————–

 最初の「送信させていただき、失礼をお詫びいたします」は文章のつなが
 りが悪いので「送信する失礼をお詫びいたします」としました。

 後半の一文「ご返信いただけますよう、お願い申し上げます」の「いただ
 け」は「いただき」のほうがしっくりきます。
 「ご返信いただければ幸いです」と結ぶほうがすっきり収まるのではない
 でしょうか。

 よく使われがちな「是非」「~の上」といった表記は敢えて平仮名にしま
 した。

 メールやサイトでは文章の中に占める漢字が多すぎると堅苦しい印象を与
 えます。文章量が多いときはなおさらで、一見、漢文か中国語? と感じ
 るような場合も(特にサイトに見られる傾向)。

 文章のボリュームとのバランスをみて漢字と平仮名の書き分けを意識する
 と、読みやすくなります。

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今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法     < 書き換える技術(4)
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                       立場による表現の違い

 制作料の確認に対する返信メールです。
 —————————————————————–
 メールの件かしこまりました。
 そちらの金額で結構ですので、請求書をご郵送ください。
 お手数ではございますが、ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
 今後とも宜しくお願いいたします。
 —————————————————————–

 メールのやり取りをした相手は、客先の若い担当者(私の約半分の年齢)。
 あまりに丁寧なメールに恐縮してしまいました。

 発注者から受注者へのメールとしては、下記のような書き方でもよいので
 はないでしょうか。
 —————————————————————–
 制作料の件、確認しました。
 お知らせいただいた金額にて請求書をお送りください。
 引き続き、よろしくお願いします。
 —————————————————————–

 最初の一文ですが、客先から確認のメールを受け、私から返信する場合には
 「○○の件、承りました」
 と書くことが多いです。発注者→受注者の場合は「確認しました」で十分だ
 と思います。

 「お知らせいただいた金額にて請求書をお送りください」も懇意な相手なら
 「お知らせいただいた金額でOKです。請求書をお送りください」のような書
 き方もあります。

 年下の上司、年上の請負業者への言葉づかいには気を遣うものですが、年齢
 よりも立場や仕事(お金)の流れを考えると、適切な表現に行き着くのでは
 ないでしょうか。

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 お す す め メ ル マ ガ
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今週は、感じのよいビジネスメールへの書き換え指南です。
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 仕 事 美 人 の メ ー ル 作 法     < 書き換える技術(3)
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                          あいまいな説得

 ある情報商材の告知メールです。
 —————————————————————–
 この教材は、リスト獲得速度を加速させることができるので、
 どんな商売とでも組み合わせると効果的です。

 (中略)

 遂に解禁!業者が使う読者増ツール!
 1万件で20万とかのレベルを超えました!
 —————————————————————–

 上記の文章は一部を抜粋したものですが、全文がこのようなテンション高
 めのあおり口調になっています。“勢い”で読ませる文章なのですが、よ
 く読むとほころびも目立ちます。

 例えば、最初の一文の
 「どんな商売とでも組み合わせると効果的です」は
 「どんな商売と組み合わせても効果的です」とするほうが、文章としては
 適切でしょう。

 この手のメールにありがちな文章の傾向は「断定しない」ことです。
 「効果があります」ではなく「効果的です」と「的」を使った表現が多く、
 「○○○な効果が得られます」と具体的な効果についても明記されていま
 せん。

 後の一文「1万件で20万とかのレベルを超えました」にいたっては、
 何がどう1万から20万になったのか意味不明。「とか」という表現にも思
 わず笑ってしまいました。これも断定を避け、「約」「およそ」という意
 味合いで「とか」を使うことでぼやかしています。

 通常のビジネスメールでも、敢えて断定を避ける書き方をすることがあり
 ます。

 「数万円で可能です」「一日でざっと30人の申し込み」のように、ある程
 度目安となる数値を示す場合は、このような書き方があってもよいと思い
 ます。

 ですが、できるだけ具体的な数値をあげるほうが説得力は増します。

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                        オンリーユーな文章

 メルマガが代理登録されたあとに送られてきたメールです
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 (件名)メールマガジンの登録ありがとうございます

 (本文)
さま!
 はじめまして!

 辛口情報起業批評家(自称)
 ●●●●●です。

 (中略)
 さん(もう馴れ馴れしい(汗))
 のネットビジネスにお役に立てる本当に役立つ情報を提供していきますので、
 今後とも末永く応援お願いします。

 最後までお読み頂きありがとうございました!
 さんに有益な情報がお届けできますように・・・。
 最新号をお楽しみに!

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 上記のメールは見事に「さま」「さん」の前の固有名詞が抜けています。

 自動配信されるオートステップメールであることは明らかで、名前部分が
 未登録のまま配信されたために「さま」「さん」の前の固有名詞が抜けて
 いるのです。

 私は、メルマが登録用のアドレスは一つに決めているのですが、上記のメ
 ールはそれとは異なるアドレスに送られてきたので、どこかから拾ってき
 たアドレスに代理登録されたのかもしれません。

 ネット通販やネットオークションの経験がある程度あれば、この手のオー
 トステップメールに自分の名前が埋め込まれていることにも慣れてしまい、
 特別親しみを抱くということもなくなってきます。

 ただ、通常のビジネスメールやメルマガ読者への返信には、宛名以外の本
 文にも意識的に相手の名前を入れるようにしています。

 営業マンが会話の中で「○○さん」と名前で頻繁に呼びかけることで、相
 手との距離を縮めていくように、メールでも相手への呼びかけは「あなた
 だけ」感を醸成していくと思うからです。

 しかし、これも過ぎたるは及ばざるがごとし。多用するとしつこく感じら
 れて逆効果なので、ポイントとなる一文に使うと効果的です。
 なにごともほどほどが肝心です。

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